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硝子体注射は痛い?硝子体注射が必要となる病気や治療の流れについて解説します!

硝子体注射は痛い?硝子体注射が必要となる病気や治療の流れについて解説します!

硝子体注射は、目の病気の治療に用いられますが、実際にどのようなものか、痛みはあるのか不安に感じる方もいるのではないでしょうか。

本記事では硝子体注射は痛いのかについて以下の点を中心にご紹介します。

  • 硝子体注射とは
  • 硝子体注射の効果はどのくらい続くのか
  • 硝子体注射後の注意点とは

硝子体注射は痛いのかについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

硝子体注射について

硝子体注射について

硝子体とは何ですか?
硝子体は、眼球の内部を満たす透明なゲル状の組織で、約99%が水分で構成されています。このゼリー状の物質は、水晶体の後ろに位置し、眼球の奥では網膜と接しています。主な役割は、眼球の形状を保ちながら、入ってくる光を屈折させることです。硝子体は、コラーゲン繊維と水分で成り立っており、眼球の大部分を占める大切な組織です。硝子体に異常があると、網膜剥離や硝子体混濁など、視力に関わる深刻な病気を引き起こす可能性があるようです。硝子体が網膜を引っ張ったり、濁ったりすることで進行します。硝子体の状態は、目の健康において大切な役割を果たしています。
硝子体注射について教えてください
硝子体注射は、眼球内の硝子体に薬剤を直接注入する治療方法で、いくつかの眼疾患に対して効果が期待できます。糖尿病網膜症や加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症などの病気によいとされています。これらの疾患では、網膜内の毛細血管から漏れ出す「血管内皮増殖因子(けっかんないひさいぼうぞうしょくいんし)」が原因となり、新生血管の増殖や黄斑浮腫などが進行するとされています。硝子体注射では、VEGFを抑制する抗VEGF薬を直接硝子体に注入し、異常な血管の成長を抑制します。この治療法は「抗VEGF抗体療法」とも呼ばれ、視力の低下を防ぐために大切な役割を果たします。また、網膜静脈閉塞症の場合、網膜内に圧力がかかり、出血やむくみが生じ、急激に視力が低下することがあります。その他の病気でも、視力の突然の低下や物が歪んで見える症状が現れることがあります。
硝子体注射にはどのような種類がありますか?
硝子体注射には、いくつかの抗VEGF薬が使用されており、それぞれに特徴があります。
以下は、よく使用される抗VEGF薬です。・アフリベルセプト VEGF(血管内皮増殖因子)を抑制する成分で、加齢黄斑変性や糖尿病網膜症などの治療に使用されます。・ブロルシズマブ VEGF(血管内皮増殖因子)を抑制し、新生血管の抑制に役立つ成分とされています。・ファリシマブ
治療効果の持続期間を延ばすことを目指した薬剤です。しかし薬価が高いのと、効果がほかの薬剤と同等であることから、限られた症例に使用されています。

・ラニビズマブ
VEGF(血管内皮増殖因子)を抑制する成分で、加齢黄斑変性に用いられます。

これらの薬剤は、いずれも硝子体に直接注射する治療法であり、それぞれの薬剤には特徴があるため、患者さんの状態に合わせて選ぶことが重要です。また、治療の際には、点眼薬や内服薬を組み合わせる場合もあります。

硝子体注射の効果や持続期間

硝子体注射の効果や持続期間

硝子体注射の効果について教えてください
硝子体注射は、目のなかに異常な血管(新生血管)が発生する疾患に対してよい治療法です。この治療では、抗VEGF薬を目のなかに直接注射することによって、VEGF(血管内皮増殖因子)の働きを抑制します。VEGFは新生血管を作る原因となる因子であり、この働きを抑えることで、異常血管の成長を抑制し、血管から漏れ出す血液や液体の滲み出しを防ぐことが期待できます。抗VEGF療法は、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症など、網膜内での新生血管の発生や毛細血管からの漏れを原因とする疾患におすすめです。この疾患によって生じた浮腫(むくみ)を軽減し、視力の改善を図ります。また、新生血管からの血液漏れを防ぐことで、加齢黄斑変性においては視力の低下を防ぐ効果が期待できます。
硝子体注射の効果はどのくらい続くのですか?
硝子体注射の効果は一時的であり、1回の注射後、1~3ヶ月程度持続するといわれています。そのため、注射を1回受けただけでは治ることは難しく、定期的に治療を続けることが重要です。新生血管の増殖や毛細血管からの血液の漏れ出しを抑えるため、1~3ヶ月ごと(または2~4ヶ月ごと)に注射を行う必要があります。治療開始時の導入期では、通常月1回のペースで3~4回の注射を行います。導入期を過ぎた後は、患者さんの目の状態に応じて、さらに1~3ヶ月ごと、または2~4ヶ月ごとに定期的に注射を続けていきます。

硝子体注射による治療と痛み

硝子体注射による治療と痛み

硝子体注射はどのような疾患に用いられるのですか?
硝子体注射は、目のなかで異常な血管の成長を抑制し、視力を保つための治療法です。血管内皮増殖因子(VEGF)という物質が関与する疾患に対しておすすめです。VEGFは新生血管を形成し、これが引き起こす黄斑浮腫や加齢黄斑変性などの病態を悪化させる要因となります。硝子体注射では、VEGFの働きを抑える抗VEGF薬を目のなかに直接注射することで、これらの病気を予防や改善を目指します。以下は、硝子体注射が適応となる代表的な疾患です。・加齢黄斑変性(滲出型)
黄斑に異常が生じることで視力が低下する病気です。VEGFが分泌され始め、黄斑部に新生血管が生じます。この新生血管により浮腫が起こったり、出血したりします。硝子体注射を使ってこれを抑制します。・網膜静脈閉塞症
網膜の静脈が閉塞すると、血流が途絶える場所が発生します。そして、その部分へ血流を送ろうとしてVEGFが分泌され、新生血管が発生します。 よって、眼底出血や黄斑浮腫が引き起こされ、視力に影響を与えてしまいます。硝子体注射は、新生血管の形成を防ぐために行われます。

・糖尿病網膜症
糖尿病によって網膜の毛細血管が傷ついたり詰まったりし、血管内皮増殖因子(VEGF)が放出されて新生血管が形成されます。この新生血管が原因で視力が低下するため、硝子体注射でその進行を抑えます。

・近視性脈絡膜新生血管(みゃくらくまくしんせいけっかん)
強度の近視によって眼球が引き伸ばされ、黄斑周辺の血流が悪化します。この状態では、脈絡膜から血管内皮増殖因子(VEGF)が分泌され、新生血管が形成されることがあります。硝子体注射はその成長を抑制します。

これらの疾患は、適切な治療が行われない場合、視力の低下や失明を引き起こす可能性があるようです。硝子体注射は、これらの病気に対する有効な治療法として、さまざまな眼科で使用されています。

硝子体注射は痛いのでしょうか?
施術前に点眼麻酔を行うため、注射中の痛みはほとんど感じません。また、使用する注射針は細いため、針を刺した場所がすぐに塞がり、感染症のリスクを抑えられます。注射自体はわずか数秒で終了し、液体を注入する感覚として煙が立ち上がったような感覚や水っぽいもやがかかったように感じることがありますが、痛みはほとんどないといわれています。施術後には、1週間程度の抗菌剤の点眼が求められますが、それ以外は辛い症状は感じにくいとされています。
硝子体注射後の注意点を教えてください
硝子体注射後は、いくつかの注意点があります。まずは、感染症の予防です。感染症が発症すると、重篤な場合は視力に影響を及ぼし、最終的に失明に至ることもあるため、注射前後に医師の指示に従って抗菌剤の点眼をしっかりと行うことが大切です。もし、注射後に以下のような症状が現れた場合は、すぐに受診してください。
・目の痛みや熱感
・目やに
・充血の悪化
・普段と違うと感じる症状また、注射当日は洗髪や洗顔を避けてください。アイメイクについては、注射後2〜3日はアイシャドウやアイライン、マスカラなどを避けてください。アイブロウやファンデーションなど、目の周りを避けた化粧は翌日から行えます。そしてアルコール摂取は、注射当日は控えるようにしましょう。仕事は、デスクワークは翌日から可能とされていますが、力仕事は2〜3日間避けてください。激しい運動も同様に、2〜3日間は控えるようにしましょう。

硝子体注射は場合によって、2〜3年間にわたって抗VEGF薬の注射が必要となることもあります。しかし、定期的な検査と適切なタイミングでの注射を続けることで、視力を維持できる可能性があります。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで硝子体注射は痛いのかについてお伝えしてきました。硝子体注射は痛いのかについての要点をまとめると以下のとおりです。

  • 硝子体注射とは、眼球内の硝子体に薬剤を直接注入する治療方法を指す。糖尿病網膜症、加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症眼疾患に対して効果が期待できる
  • 硝子体注射の効果は一時的であり、1回の注射後、1~3ヶ月程度持続するといわれている
  • 硝子体注射後の注意点は、感染症を予防すること、注射当日は洗髪や洗顔を避けることなどが挙げられる

硝子体注射は不安に感じる方も多いでしょうが、適切な治療で視力の維持や回復が期待できます。気になる症状がある方は、早めに眼科へ相談しましょう。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
柿崎 寛子医師(Vista medical center Shenzhen)

柿崎 寛子医師(Vista medical center Shenzhen)

三重大学医学部卒業 / 現在はVISTA medical center shenzhen 勤務 / 専門は眼科

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