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緑内障の目薬にはどんな種類や効果があるの?市販の目薬の注意点も解説!

緑内障の目薬にはどのような種類のものや効果があるのでしょうか。目薬や点眼薬といっても多種多様です。医師から処方されるものだけでなく、市販の薬局で購入できるものなど様々あり迷ってしまいますよね。購入するなら自分の症状に合った最適なものを選びたいという思うのは当然です。この記事では、緑内障の目薬(点眼薬)にはどのような種類や効果があるのか詳しく解説しますので、目薬選びの参考にしていただければ幸いです。

緑内障の目薬や治療方法について

緑内障の目薬や治療方法について

緑内障はそもそもどのように治療するのでしょうか。目薬(点眼薬)を使って完治するのでしょうか。この章では、緑内障の治療方法と目薬の効果やトライアルについて解説します。緑内障の治療方法や目薬の効果を理解すると、自分に合った目薬も探しやすくなると思うのでぜひ参考にしてください。

緑内障はどうやって治療するの?
緑内障は症状の進行度によって治療方法が異なります。

・点眼治療
緑内障を治療する場合、点眼薬が第一の選択肢となります。点眼薬には眼圧を下げる効果があり、視神経の障害を進行させないように働きます。点眼薬の種類には、房水の生成を抑える薬や、房水の流出を促す薬、そのほか視神経の保護や血流を改善する薬などがあります。

・レーザー治療
点眼薬による治療が効果不十分な場合や、点眼薬の副作用が気になる場合に、レーザー治療による治療が検討されます。レーザー治療は、メスを使わず、レーザー光線を照射することで眼圧を下げる治療法です。
・外科手術
メスやレーザーを用いて眼内の房水の流れを改善し、眼圧を下げるのが手術による緑内障治療です。手術による緑内障治療の代表的なものとして、線維柱帯を切開し房水の排出を促進する「トラべクロトミー」、強膜に穴を開けて房水を球結膜下に排出させる「トラベクレクトミー」、房水を眼球の外側に排出させるための管を埋め込む「チューブシャント手術」などがあります。

緑内障の治療で使う目薬にはどのような効果があるの?
緑内障を治療する場合、点眼薬が第一の選択肢となります。点眼薬には眼圧を下げる効果があり、視神経の障害を進行させないように働きます。

房水の生成を抑える薬は、眼圧を最も効果的に下げることができます。通常は1日1〜3回、1回1滴の点眼で、眼圧を5〜10mmHg程度下げることができます。また、房水の流出を促す薬は、房水の産生を抑える薬ほど眼圧を下げることはできませんが、副作用が少ないことが特徴です。通常は1日1〜2回、1回1滴の点眼で、眼圧を2〜5mmHg程度下げることができます。眼圧が正常範囲でも高いほど、視神経の障害が起こり始めると言われているため、点眼薬の利用は効果的であると言えるでしょう。

緑内障の目薬にはどのような種類があるの?
点眼薬には、大きく分けて以下の3つの種類があります。

・房水の生成を抑える薬
房水とは目の中の液体のことで、眼球内の圧力を保つ役割をになっています。そのため、房水の生成を抑える薬を使用することで眼圧の上昇が抑えられます。代表的な薬には、プロスタグランジン製剤、β遮断薬、アドレナリン作動薬があります。
・房水の流出を促す薬
房水は、毛細血管や静脈に流れ出ることで眼球内の圧力を保っています。房水の流出を促す薬は、先ほど紹介した薬のように房水の生成を抑えることはしませんが、生成された房水の排出を促進するため、結果的に眼圧の上昇が抑えられます。

炭酸脱水酵素阻害薬、カルシウム拮抗薬などが該当します。

・その他
その他、視神経の保護や血流を改善する効果を持つ薬もあります。

緑内障の治療に効く目薬の費用はいくら?
点眼薬は緑内障の治療に最も一般的に使用される治療法であり、当然、レーザー治療や手術に比べると費用も比較的安価です。具体的な費用は薬の種類やメーカーによって異なりますが、例えば房水の生成を抑える薬は最も高価な種類で、1本あたりの薬価は、1500円〜2000円程度と言われています。房水の流出を促す薬は、房水の産生を抑える薬ほど高価ではなく、1本あたりの薬価は、500円〜1000円程度です。その他、視神経の保護や血流を改善する効果を持つ薬は、房水の生成を抑える薬や房水の流出を促す薬よりも安価です。1本あたりの薬価は、500円〜1000円程度です。
緑内障の目薬は保険適用されますか?
緑内障の点眼薬は、保険適用になります。そのため、自己負担額は上記の値段よりも安価になります。
目薬(点眼薬)のトライアルってなに?
患者さんにあった目薬を処方するためにトライアルをすることがあります。目薬の効き目には個人差があったり、眼圧には日内運動や季節変動があります。処方する目薬を決めるにあたって、片目に点眼し、その眼圧下降効果や副作用の状態を見て、効果を慎重に確認してから両目に点眼をすることで患者さんに最適な目薬を選ぶ目的があります。
一度に処方される目薬の数はどのくらい?
一度に処方される目薬は、1剤であることが多いです。これを単薬治療といいます。単薬治療の効果が不十分だったり、副作用が出た場合は、別の目薬に変えたり、複数の目薬を処方される場合もあります。決められた回数や用量を増やしても効果は変わらず、むしろ副作用のリスクを高めてしまうので、必ず処方された目薬の用法と用量は守りましょう。

緑内障のための目薬の点眼方法について

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目薬が処方されたら、正しい方法で点眼をしないと十分に効果が得られないこともあります。この章では、正しい目薬の点眼方法について解説します。

目薬の正しい点眼方法を教えてください
目薬の効果を最大限引き出すには、目薬の眼内移行を促し、全身移行をできるだけ減らして副作用を軽減することが必要です。そのために、正しい点眼方法を身につけておきましょう。

◎正しい点眼方法
・点眼前に手を清潔にする
・点眼薬の容器の先に手やまつ毛に触れないようにする
・点眼の用法・用量を必ず守る(1回1滴が基本となります)
・点眼後は静かに目を閉じ、両目の中心あたりを優しく抑える
・目の周りに溢れた液や、手についた液は洗い流す
・複数の目薬を併用する際は、5分ほどの間隔をあける

 
 

市販の緑内障の目薬について

市販の緑内障の目薬について

緑内障と診断されたけど、市販の目薬を使用しても問題がないのか気になる方もいらっしゃると思います。市販の目薬の中には、緑内障の症状を悪化させるものや、急性緑内障のリスクを高めてしまうものもあります。市販の目薬の知識を正しく身につけて、緑内障の治療に役立てていただけたら幸いです。

緑内障の患者が避けた方が良い成分は何?
緑内障が悪化する可能性や、病気の進行に気が付きにくくなってしまう成分を含む目薬は避けた方が良いです。以下のような成分が入っている市販の目薬は避けるようにしましょう。成分名は箱や容器に記載があるので、よく確認して選んでください。

・血管収縮成分
主な成分として、「ナファゾリン」「テトラヒドロゾリン」などが挙げられます。血管を収縮して、目の充血を緩和する効果があります。ただし、副作用として眼圧が上昇するケースが報告されているので、緑内障が悪化するリスクが考えられます。

・ピント調節機能改善成分
主な成分として、「ネオスチグミン」などが挙げられます。神経伝達物質の働きを高め、目の調節機能を改善する目的で目の疲れやドライアイに効く目薬に入っていることが多いです。こちらも、副作用として眼圧が上昇するケースが報告されているので、緑内障が悪化するリスクがあります。
・目のかすみを改善する成分
緑内障の症状として、目のかすみを感じる方がいらっしゃいます。目のかすみを改善する効能自体にはリスクはありませんが、一時的に症状を和らげるだけで治療を施すことは難しく、逆に眼科への受診が遠のいてしまう危険性があります。目薬でかすみが改善するから検査には行かなくていいと自己判断してしまうと、緑内障が悪化したり、急性緑内障で失明のリスクも高まるので、目のかすみを感じたら目薬に頼らずに、なるべく早めに検査に行きましょう。

緑内障に効く目薬を選ぶ際のポイントは?
緑内障に効く目薬を選ぶポイントはいくつかあります。緑内障に適さない成分を選ばないことに加えて、どんな症状を改善したいか、防腐剤は使用していないかなどを重視すると良いでしょう。

・緑内障でも使用できるか確認する
商品のパッケージや成分表を確認して、緑内障でも使用できるか判断しましょう。しかし実際には、判断が難しい場面が多いと思います。そんな時には、かかりつけや薬剤師に相談をして、購入を検討してください。

・症状に合う成分を配合する目薬を選択する
緑内障でも使用できる目薬というポイントだけでなく、ご自身が改善したい症状にあった目薬を選ぶようにしましょう。
・防腐剤が入っていない目薬を選択する
防腐剤が入っていない目薬が好ましいです。防腐剤は目薬の液内に菌が繁殖することを防ぐ目的で入っている成分です。市販の目薬には入っていることが多いですが、繰り返し点眼する時には、目の刺激になってしまうこともあるため、防腐剤フリーの商品を選びましょう。ただし、防腐剤フリーの目薬は開封後の使用期限が短い傾向にあるので、使用前に確認しておきましょう。

市販の目薬を使うときの注意点は?
市販の目薬を使用するときは、かかりつけ医に相談すると安心です。過去に処方された目薬と併用しても問題がないのか、理由に応じて別の目薬をトライアルしてくれる場合もあります。実際に市販の目薬を使用する場合は用法や用量を必ず守りましょう。たくさん点眼したからといって、効能が上がるわけではありません。むしろ副作用のリスクが高まるケースもあります。また、市販かどうかに限らず、目に違和感や充血、痒みなどの副作用を感じたら、早期に眼科を受診してください。

編集部まとめ

編集部まとめ

いかがでしたでしょうか。緑内障の場合、どの目薬でも良いわけではなく、しっかりと成分を確認して選ぶ必要があることがお分かりいただけたかと思います。成分によっては、症状を悪化させてしまったり、失明のリスクを高めてしまうこともあるので慎重に選ぶことが必要です。何よりも、目薬についてわからないことや悩みが生じた際は、かかりつけ医や薬剤師と相談をして着実に治療を進めていくことが重要となります。本記事によって、緑内障に悩む方の一助になれたら嬉しく思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。

参考文献

この記事の監修歯科医師
柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

東京大学医学部卒業(1995年 MD)/ 東京大学大学院修了(医学博士 2001年 PhD) / 東京大学医学部眼科学教室講師(2012-2015年) / デューク・シンガポール国立大学医学部准教授(2016年-2020年)/ 旭川医科大学眼科学教室教授(2018年-2020年) / 横浜市立大学 視覚再生外科学 客員教授(2020年-現在) / 専門は黄斑疾患。シンガポールをはじめとした国際的な活動に加え、都内のお花茶 屋眼科での勤務やDeepEyeVision株式会社の取締役を務めるなど、マルチに活躍し ています。また、基礎医学の学術的バックグラウンドを持ち、医療経済研究、創薬、国際共同臨床研究などを行っています。

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