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緑内障は見た目の変化や自覚症状があるの?視覚に及ぼす影響と早期発見のポイントを解説!

緑内障は見た目の変化や自覚症状があるの?視覚に及ぼす影響と早期発見のポイントを解説!

緑内障は目に自覚症状が現れにくいことがありますが、視野が徐々に狭くなるなどの変化が見られることがあります。
本記事では緑内障の見た目について以下の点を中心にご紹介します。

  • 緑内障について
  • 緑内障の早期発見のポイント
  • 治療と予防について

緑内障の見た目について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

緑内障について

緑内障について

緑内障になると見た目に変化がありますか?
緑内障が見た目に変化をもたらすことはありません。外見上の顕著な症状がないため、自覚症状がなくても病気が進行している可能性があります。そのため、40歳を過ぎたら、見た目に異常がなくても、年に一度は眼科の定期検診を受けることが推奨されています。これにより、緑内障の早期発見と適切な治療につながります。
緑内障になるとどのような見え方になりますか?
緑内障は、視界の一部が徐々に失われるという特徴があります。初期段階では、自覚症状がほとんどなく、病気の存在に気付かないことも少なくありません。緑内障の方が視界が狭くなると感じるのは、病気が進行してからであり、その時点で医療機関を訪れても、失われた視野を取り戻すことは難しいのが現状です。具体的には、視野の外側が次第に欠けていくため、トンネル視野とも称される状態になります。例えば、正面を見ているときに、周囲の物が見えにくくなるのです。進行すると、まるで霧がかったようなかすみ目が常に感じられ、夜間の視力低下が顕著になります。さらに進むと、日常生活においても支障を来すようになり、歩行中に物にぶつかる、転倒しやすくなるといった事態も生じ得ます。

緑内障は治療によって進行を遅らせることが可能とされていますが、一度失われた視野を取り戻すことはできませんので、早期の発見と治療が患者さんのQOLを保つためには不可欠といえます。

緑内障にはどのような種類がありますか?
緑内障には主に以下の種類があります。
  1. 原発開放隅角緑内障(げんぱつかいほうぐうかくりょくないしょう)
    眼圧の上昇により、徐々に視野が狭くなるタイプです。繊維柱帯での房水排出障害が原因で、進行が遅いため発見が難しいとされています。
  2. 原発閉塞隅角緑内障(げんぱつへいそくぐうかくりょくないしょう)
    隅角が閉塞して房水の流れが滞るため、急激に眼圧が上昇します。急性型では眼痛や頭痛、吐き気が特徴で、緊急の医療対応が必要です。
  3. 正常眼圧緑内障
    眼圧が正常範囲でも発症するタイプで、日本人の緑内障患者さんに多く見られます。眼圧の適切な管理が重要です。
  4. 発達緑内障
    先天的な異常により発症し、特に乳幼児に見られる急速に進行する緑内障です。早期の手術治療が必要とされます。
  5. 続発緑内障
    糖尿病やステロイド剤の使用などほかの疾患や治療が原因で発症するタイプです。定期的な検査が推奨されています。

これらの緑内障は、目と脳をつなぐ神経線維のダメージにより視界が欠けたりぼやけたりする病気です。発症した場合は進行を遅らせる治療が中心となります。定期的な検査と早期治療が失明予防にはとても重要です。

緑内障は失明する病気ですか?
緑内障は視野欠損を引き起こす可能性のある眼の病気ですが、早期に発見し適切な治療を行うことで、その進行を遅らせることが可能です。緑内障で見ることができなくなる、つまり完全な失明に至るケースは実際には少なく、多くの患者さんは日常生活に大きな支障をきたすことなく過ごしています。また、失明という言葉には、まったく見えなくなる、という重いイメージがありますが、これは一部の広告などで使われる表現であり、緑内障による視覚障害はそのような極端な状態を指すわけではありません。視覚障害には軽度から重度までさまざまな程度があり、それに応じた対応が可能です。

だからこそ、定期的な眼科診察が重要です。緑内障は沈黙の眼病とも呼ばれることがある程、自覚症状がないなかで進行することが少なくないとされています。目の健康を守り、大切な日々を見失わないためにも、緑内障検診を定期的に受け、必要な治療を進めることが推奨されます。

緑内障の早期発見のポイント

緑内障の早期発見のポイント

緑内障のセルフチェック方法を教えてください
緑内障の早期発見に役立つ、自宅で簡単にできるクロックチャートと呼ばれる検査方法をご紹介します。

病院に行く前の予備検査としてぜひ役立ててください。

クロックチャート
印刷したチェックシートをテーブルに置き、片目を隠してもう一方の目で中央の点をじっと見ます。周りのイラストがすべて均等に見えるかをチェックし、見えない部分があれば視野の欠損を疑います。

これらのテストはあくまで目安ですので、異常が見つかった場合は速やかに眼科を受診してください。

眼科での緑内障の検査方法を教えてください
緑内障の診断には、眼科でさまざまな検査が行われます。以下に、主に行われる検査方法を紹介します。主な検査方法
  • 眼圧検査
    緑内障の診断には欠かせない検査で、眼球の圧力を測定します。眼圧が高い場合、緑内障のリスクがあります。
  • 眼底検査
    視神経の健康状態をチェックするために行います。特に、視神経乳頭陥凹(ししんけい にゅうとうかんおう)の観察を通じて、緑内障の兆候を探ります。
  • 光干渉断層計検査
    眼科専門の機器を用いて、視神経の3次元画像を詳細に分析することができます。
  • 視野検査
    視野の異常をとらえることで、視神経の損傷の程度を調べます。緑内障による視野の欠損は、病気の進行を示す重要な指標です。
  • 隅角検査
    目の隅角の構造を評価し、緑内障の種類を特定するために行われます。これには特殊なレンズが使われることがあります。
  • 細隙灯顕微鏡検査(さいげきとうけんびきょうけんさ)
    細隙灯を用いて、角膜や結膜など目の前部の詳細な観察を行い、緑内障の診断に役立てます。

これらの検査は、それぞれ異なる情報を提供し、緑内障の正確な診断と適切な治療計画の立案に用いられます。緑内障の疑いがある場合や定期的なチェックが必要な方は、専門の眼科診療を受けることをおすすめします。

治療と予防について

治療と予防について

緑内障の治療方法はどのようなものがありますか?
  1. 点眼薬による治療
    点眼薬は、頻繁に用いられる緑内障治療法です。薬剤は主に、房水の産生を抑えるか、流出を促進することで眼圧を下げます。使用される薬剤には、プロスタグランジン関連薬、ベータ受容体遮断薬、炭酸脱水酵素阻害薬、アルファ2受容体刺激薬などがあります。
  2. レーザー治療
    レーザー治療には、隅角光凝固術や選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)があります。これらは、房水の排出を改善することで眼圧を下げます。
  3. 手術
    点眼薬やレーザー治療だけでは眼圧が十分に下がらない場合に選択されます。主な手術には、線維柱帯切除術や房水流出路の再建を目的としたトラベクトーム手術があります。また、重篤な緑内障では、チューブシャント手術が行われることもあります。

緑内障の治療は、病気の進行を遅らせることが主な目的です。患者さんは、定期的に眼科を受診し、状態に応じた治療を続けることが大切です。

緑内障の予防法を教えてください
緑内障の予防に有効的な方法は明確には確立されていませんが、以下の点に注意することでリスクを低減することができるとされています。
  1. 定期的な眼科検診を受ける
    ・緑内障は自覚症状が出にくいため、定期的な検診が早期発見につながります。特に40代からは年に1回以上の検診を推奨します。
  2. 健康的な生活習慣を心がける
    ・バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠を取ることが重要です。
    ・糖尿病や高血圧などの管理も緑内障予防につながります。
  3. ストレスの管理
    ・心身のストレスは緑内障のリスクを高める可能性があるため、リラクゼーションや趣味の時間を大切にしましょう。
  4. 目の休息を意識する
    ・コンピューターやスマートフォンの使用が長時間にわたる場合は、1時間ごとに短い休憩を挟むことが目の健康に役立ちます。
    ・目を温めることで血流が改善されることもあります。
  5. 喫煙は避ける
    ・喫煙は緑内障のリスクを高める要因の一つですので、禁煙が推奨されます。

これらの予防策は緑内障だけでなく、一般的な健康の維持にも寄与します。緑内障のリスクを減らすためにも、健康的な日常生活を送ることが大切です。定期的な検診と健康な生活習慣を維持することが重要であるといえるでしょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで緑内障の見た目についてお伝えしてきました。緑内障の見た目の要点をまとめると以下のとおりです。

  • 緑内障は外見に変化を与えないが、進行すると視野が徐々に失われ、トンネル視野状態になり、最終的には重大な視覚障害を引き起こす可能性がある病気である
  • 緑内障の早期発見のためには、セルフチェックとしてクロックチャートなどを利用し、異常が見つかれば速やかに専門医の診断を受けることが重要である
  • 緑内障の治療は点眼薬、レーザー治療、手術によって眼圧を下げ、病気の進行を遅らせるものであり、予防は定期的な眼科検診、健康的な生活習慣の維持、ストレス管理が中心である

外見上の変化や初期の自覚症状が少ない緑内障の早期発見のために、これらの情報を少しでも役立てていただけますと幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

東京大学医学部卒業(1995年 MD)/ 東京大学大学院修了(医学博士 2001年 PhD) / 東京大学医学部眼科学教室講師(2012-2015年) / デューク・シンガポール国立大学医学部准教授(2016年-2020年)/ 旭川医科大学眼科学教室教授(2018年-2020年) / 横浜市立大学 視覚再生外科学 客員教授(2020年-現在) / 専門は黄斑疾患。シンガポールをはじめとした国際的な活動に加え、都内のお花茶 屋眼科での勤務やDeepEyeVision株式会社の取締役を務めるなど、マルチに活躍し ています。また、基礎医学の学術的バックグラウンドを持ち、医療経済研究、創薬、国際共同臨床研究などを行っています。

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