新着記事

注目のトピック

緑内障

緑内障の原因とは?緑内障の種類や治療についても解説!

緑内障 原因

緑内障は多くの人々に影響を及ぼす病気ですが、その原因はご存じでしょうか。 本記事では、緑内障の原因について以下の点を中心にご紹介します!

  • 緑内障とは
  • 緑内障の原因
  • 緑内障の種類

緑内障の原因について理解するためにもご参考いただけると幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

そもそも緑内障とは?

そもそも緑内障とは?

緑内障は、眼の奥に位置する視神経が障害を受け、結果として視野が狭くなる疾患です。この病気の主な原因は、視神経が特に繊細であることや、眼圧の上昇によるものとされています。放置すると、この病気は進行し、視野の欠損が増加します。
40歳以上の人々の中で非常に一般的な病気であり、特に日本では失明の主要な原因となっています。初期段階では自覚症状が少ないため、病気の進行に気づきにくいのが特徴です。そのため、早期の発見と治療が非常に重要となります。

緑内障になる原因

緑内障になる原因

緑内障の主な原因として、目の中の液体である「房水」の排出が適切に行われないことが挙げられます。特に、目の「隅角」が閉塞し、房水の流れが滞ることで、緑内障のリスクが高まることが知られています。
さらに、緑内障の発症には、目の構造的な要因や、目のけが、疾患、あるいは特定の薬物の副作用など、多岐にわたる要因が関与しています。中でも、具体的な原因が特定できないものを「原発性緑内障」と称し、この中には慢性型や急性型、正常眼圧型などが含まれます。
緑内障のリスクは年齢とともに増加する傾向にあり、特に中高年齢層での発症率が高いとされています。そのため、40歳以上の人々には、定期的な眼科検診が推奨されており、早期発見と適切な治療が緑内障の進行を防ぐ鍵となります。

緑内障の種類

緑内障の種類

緑内障には種類があり、それぞれ違った特徴を持ちます。以下で解説します。

原発性緑内障:開放隅角緑内障

緑内障は、視神経が障害を受ける病気で、その中でも特定の原因が明確でないものを「原発性緑内障」と呼びます。この原発性緑内障の中には、目の内部の液体、房水の流れる部分である隅角の形状に基づいて、いくつかのサブタイプが存在します。
特に、「開放隅角緑内障」は、隅角が広いことを特徴とする緑内障の一種です。このタイプは、緑内障の中でも頻繁に診られるもので、多くの患者さんがこのタイプに該当します。開放隅角緑内障の特徴として、眼圧の上昇が軽度であること、そしてそれが慢性的に進行することが挙げられます。そのため、この緑内障の進行は、通常、緩やかであり、患者さん自身が気づきにくいこともあります。このような特性から、定期的な眼科検診が非常に重要であるとされています。

正常眼圧緑内障

正常眼圧緑内障は、眼圧が通常の範囲内(10~21mmHg)であるにもかかわらず、緑内障の症状が現れる状態を指します。一般的な緑内障は、眼圧の上昇が原因とされていますが、正常眼圧緑内障の場合、眼圧は正常範囲内でありながら視神経が損傷します。このタイプの緑内障は、緑内障の中でも特に日本人に多く見られることが知られています。実際、日本での調査結果によれば、緑内障の患者さんの約7割が正常眼圧緑内障であるとされています。原因としては、視神経の眼圧への抵抗力が低いことが考えられており、早期発見と治療が重要とされています。

原発性緑内障:閉塞隅角緑内障

閉塞隅角緑内障は、緑内障の中でも特に注意が必要なタイプとされています。この緑内障の特徴は、目の中に存在する液体、房水の排出経路である隅角が閉じてしまうことです。この結果、房水の排出が妨げられ、急速に眼圧が高まることが起こります。この状態を「急性緑内障発作」とも称します。
この発作が起こると、非常に短い期間で視力を失うリスクが高まるため、迅速な対応が求められます。特に、このタイプの緑内障は、治療が遅れると数日から数週間で失明の危険性があるとされています。それゆえ、急に視力の問題や目に違和感を感じたら速やかに眼科を受診し、適切な診断と治療を受けることが極めて重要です。

発達緑内障(先天緑内障)

発達緑内障(先天緑内障)は、生まれつき存在する眼の異常により、房水の通り道である隅角に発育異常が生じることで眼圧が上昇し、視神経が障害される病気です。この病気は、生後1歳までに約80%のケースで発症するとされており、生まれた時から存在する場合は「先天緑内障」と称されます。主な症状として、角膜が広がり(黒目が広く見える)、角膜が混濁することや浮腫を起こすことが挙げられます。

続発性緑内障

続発性緑内障は、他の目の疾患や外傷、薬剤などが原因となって眼圧が上昇し、緑内障が発症するタイプのものを指します。具体的には、角膜の病気、網膜剥離、目の炎症などの目の疾患や、ステロイドホルモン剤などの薬剤が眼圧を上昇させることが原因となることがあります。続発性緑内障は、これらの原因によって眼圧が上昇し、結果として緑内障が発症するという特徴があります。どの緑内障にも共通することですが、早期発見と治療が重要であり、定期的な眼科検診が推奨されています。

眼圧の仕組み

眼圧の仕組み

眼圧は、目の中の液体である房水の生成と排出のバランスによって維持されています。一般的に、眼圧の正常範囲は10〜21mmHgとされています。しかし、この数値は一般的な目安であり、個人差が存在します。つまり、ある人にとっては高い眼圧でも問題ない場合がある一方、別の人にとっては低めの眼圧でも緑内障のリスクが高まることがあります。
また、眼圧は時間帯や季節によっても変動します。例えば、1日の中で4~5mmHgの変動が見られることがあり、特に冬季には眼圧が高くなる傾向があります。さまざまな外部要因も眼圧の変動に影響を与えるため、一度の測定だけで眼圧の状態を判断するのは難しいのです。
現在、眼圧の変動を正確に把握するための完璧な測定器具は存在しないため、緑内障の治療においては、眼圧を適切なレベルに保つことが重要です。治療の目的は、眼圧を下げることで病状の進行を遅らせることです。そのため、定期的な眼科検診と、指示された目薬の正確な使用が不可欠です。

緑内障の症状

緑内障の症状

緑内障は、その進行段階や種類によって症状が変わります。開放隅角緑内障の場合、疾患が進行するまでの初期段階では、明確な自覚症状が少ないのが特徴です。多くの場合、眼圧は正常範囲内であり、わずかに上昇しても20mmHgを少し超える程度であるため、患者さん自身が異常を感じることは稀です。視野の変化についても、初期から中期の視野障害は検査で確認できるものの、日常生活での視野の欠損を患者さんが実感することは少ないとされています。
一方、閉塞隅角緑内障の場合、発作が起きる前の段階では、眼圧は大体正常範囲に保たれているため、特有の症状は出にくいとされています。しかし、急性の発作が発生すると、眼圧が急激に上昇し、40〜60mmHg程度まで跳ね上がることがあります。この際、視覚の変化だけでなく、強烈な頭痛や目の痛みといった症状が現れることがあります。

緑内障の治療

緑内障の治療

緑内障の治療についても、緑内障の種類ごとに解説します。

開放隅角緑内障の治療

治療の主要目的は、視神経の損傷を防ぐために眼圧を適切にコントロールすることです。眼圧の正常範囲は10~20mmHgとされていますが、治療の際は、患者さんの基本的な眼圧からどれだけ低下させるかがキーとなります。
点眼薬は、開放隅角緑内障の初期治療として一般的に使用されます。これらの薬には、多くの種類が存在します。患者さんごとに働きや副作用が変わるため、治療の過程で薬の種類や組み合わせが変更されることもあります。
点眼薬だけでは不十分な場合や、視野障害が進行する場合は、レーザー治療や手術が考慮されます。手術は、眼圧を大幅に下げる働きがあるものの、合併症のリスクも伴うため、慎重な判断が求められます。

閉塞隅角緑内障の治療

閉塞隅角緑内障の治療では、眼圧が急増する「急性発作」の予防が優先となります。この予防策として、虹彩にレーザーを用いて微細な穴を開ける手法、すなわち「レーザー虹彩切開術」が行われます。また、白内障の手術も選択肢として考えられます。この手術では、自身の水晶体を薄い眼内レンズに置き換えることで、隅角の閉塞を防ぎ、急性発作のリスクを低減させられます。
しかし、レーザーや白内障手術のいずれも、稀に合併症が起こる可能性があるため、治療を受ける前に医師との十分な相談が不可欠です。

眼圧以外が原因の緑内障の治療

緑内障は眼圧が正常範囲内の人でも発症することが知られており、これは眼圧以外の要因が関与している可能性を示唆しています。しかしながら、具体的な原因はまだ明らかにされていません。
将来的には、視神経の血流を向上させる薬や視神経に栄養を供給する薬が緑内障の治療に役立つかもしれません。とはいえ、多くの薬は現在、動物での実験段階であり、人間での働きは確認されていません。現時点での確立された治療は、眼圧を低減する点眼薬や手術です。そのため、点眼薬の正確な使用と定期的な医師の診察が極めて重要となります。

緑内障にならないための予防

緑内障にならないための予防

緑内障にならないための予防法についても紹介します。

生活習慣の改善

予防のための生活習慣の改善として、以下の点が挙げられます。
食生活の見直し:
塩分の取りすぎは避け、ビタミンやミネラルを豊富に含む食品を摂取しましょう。特に、緑黄色野菜や魚などのオメガ3脂肪酸を含む食品が推奨されます。
適度な運動:
血行を良くすることで眼圧の上昇を抑える働きが期待できます。特に、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動がおすすめです。
アルコール・喫煙の管理:
過度な飲酙や喫煙は眼圧を上昇させるリスクがあるため、控えめにしましょう。
目の休息: 長時間の読書やスマホの使用後は、目を休める時間を取ることが大切です。
これらの生活習慣の改善を日常に取り入れることで、緑内障のリスクを低減することが期待できます。

定期検診へ行く

緑内障の診断を受けると、一部の人々は深く落ち込むことがあります。しかし、極端な高眼圧や進行した状態でなければ、焦らず治療に集中し、日常生活を続けることが勧められます。特に、点眼治療を受けている場合、継続的に点眼と定期検査に行くことが大切です。
緑内障の初期段階では、中心から外れた部分での視野欠損が小さく、自覚症状はほぼ出ません。しかし、40歳を過ぎると緑内障のリスクが増加するため、定期的な眼科検診が不可欠です。急性閉塞隅角症という緑内障の一形態は、眼圧の急上昇により、目の痛みや視力低下などの症状を引き起こすことがあり、脳卒中の症状と似ているため、適切な診断と治療が必要です。定期的な検診は、これらの問題を早期に発見し、適切な治療を受けるための鍵となります。

目を休める

現代の生活スタイルでは、スマートフォンやコンピュータの使用が増え、目への負担が増大しています。これらのデバイスを長時間使用することは、眼圧の上昇を引き起こす可能性があります。緑内障のリスクを低減するためには、目を適切に休息させることが重要です。
具体的には、1時間ごとに10分間の休憩を取る、いわゆる「60-10ルール」を実践することが推奨されます。この休憩中には、遠くを見る、目を閉じる、目をマッサージするなどして、目の疲れを和らげることが良いとされます。また、目の乾燥を防ぐために、適切な湿度と換気を保つことも大切です。目の健康を維持するためには、日常生活の中で目を労わる習慣を持つことが不可欠です。

まとめ

まとめ

ここまで緑内障の原因についてお伝えしてきました。 緑内障の原因の要点をまとめると以下の通りです。

  • 緑内障とは、眼の奥に位置する視神経が障害を受け、結果として視野が狭くなる疾患
  • 緑内障は、目の中の液体である「房水」の排出が適切に行われないことが原因や具体的な原因が特定できないものもあり、はっきりとは分かっていない
  • 緑内障には、開放隅角緑内障や正常眼圧緑内障、閉塞隅角緑内障、発達緑内障、続発性緑内障などの種類がある

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

東京大学医学部卒業(1995年 MD)/ 東京大学大学院修了(医学博士 2001年 PhD) / 東京大学医学部眼科学教室講師(2012-2015年) / デューク・シンガポール国立大学医学部准教授(2016年-2020年)/ 旭川医科大学眼科学教室教授(2018年-2020年) / 横浜市立大学 視覚再生外科学 客員教授(2020年-現在) / 専門は黄斑疾患。シンガポールをはじめとした国際的な活動に加え、都内のお花茶 屋眼科での勤務やDeepEyeVision株式会社の取締役を務めるなど、マルチに活躍し ています。また、基礎医学の学術的バックグラウンドを持ち、医療経済研究、創薬、国際共同臨床研究などを行っています。

記事をもっと見る

RELATED

PAGE TOP

電話コンシェルジュ専用番号

受付時間 平日:9時~18時
お電話でご案内できます!
0120-022-340