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緑内障で視野欠損する原因や特徴は?症状の悪化についても解説!

緑内障で視野欠損する原因や特徴は?症状の悪化についても解説!

緑内障には様々な症状があり、代表的な症状の一つとして、「視野欠損」という症状があります。文字通り、視界の一部がぼやけたように見えにくい状態の症状です。今回は、この視野欠損の症状の原因や特徴、視野欠損が悪化するとどうなるのかについて解説しています。

さらに本記事では、視野欠損の検査についてや治療と予防方法についても解説しています。緑内障はとても身近な病気です。緑内障に悩まされている方のお役に立てる内容となっているので是非、参考にしてください。

緑内障の視野欠損の特徴

緑内障で視野欠損するとどうなりますか?
緑内障の視野欠損になると、ぼやけたり、霧がかかったように感じます。その部分が全く見えなくなったり、真っ暗になったりすることはありません。 このように視野欠損の症状を知ると、気づきやすい病気と思われてしまいますが、実際には視野が欠けた部分は、 両目で見ることでお互いに補って気づかなかったり、また脳の働きが「あたかもそこになにかがあるように」補うため、自覚症状がないまま進行してしまうこともある病気となっています。
緑内障で視野欠損する原因を教えてください。
緑内障の原因は、明確にされていません。ただ、年をとるにつれて、緑内障を患う方が増える傾向から、加齢も要因の一つとして考えられています。また、高血圧や糖尿病などの全身疾患の影響によって眼圧が上昇したり、そもそも生まれつき眼圧が高い体質であったりすると、緑内障を発症する可能性が高くなるとも言われています。
緑内障で視野欠損以外の症状について教えてください。
緑内障の初期症状では、視神経の異常により、視野の狭まりや、視野の一部が欠ける暗点と呼ばれる症状が出ます。こうした症状がゆっくりと進行するため、自覚症状に気づきづらく、症状に気づいて眼科を受診したときには、重篤化していることも珍しくありません。一般的な緑内障は自覚症状に気づきづらいですが、急性緑内障は、さまざまな症状が現れます。例えば、目が痛む、光がまぶしく感じる、光の見え方が普段と違う、目がかすむ、充血などの症状です。

緑内障による視野欠損の悪化

緑内障による視野欠損の悪化

緑内障の視野欠損は悪化することはありますか?
慢性緑内障の場合、視野欠損はゆっくりと広がり悪化していきます。人によっては発病してから何年も、何十年もかかって視野の異常に気づくこともあるほど、自覚症状に気付きづらい病気です。悪化した視野は回復することはなく、失明することもあります。
緑内障の視野欠損が悪化する原因はなんですか?
緑内障は眼圧が高くなることにより視神経が圧迫されて症状が進行します。それ以外にも、自覚症状に気がつきづらい点が視野欠損を悪化させている大きな要因と言えるでしょう。
緑内障の視野欠損が進行するとどのくらいで失明しますか?
慢性的な緑内障の場合、発症してからすぐに失明するということはありません。長い年月をかけて視野欠損は進行します。失明までの期間は個人差があり、さまざまな要因が関連しますが、おおむね30年ぐらいと考えられています。
緑内障の視野欠損の進行を止めることができますか?
緑内障は一度発症すると完治ができない病気です。ですので、緑内障の治療は完治を目的とするのではなく、症状の進行を抑制することが目的とされています。そのため、早期発見ができて治療を施せば、視野が十分な状態を長く維持することが期待できます。

緑内障による視野欠損の検査について

緑内障による視野欠損の検査について

どのような自覚症状があると、緑内障の検査を受けるべきですか?
慢性緑内障の場合、左右の見え方が違う」「視力が落ちた」「目に疲労を感じる」「光を見ると、視界がぼやけてしまう」「血縁者が緑内障を患っている」などの症状が見られたら発症リスクがありますので、早めに検査を受けましょう。 一方で急性緑内障の場合は、「目に強い痛みを感じる」「目が真っ赤になっている」「目がかすんで、景色が見えづらい」「吐き気を伴う」「強い頭痛がする」などの症状が見られたら発症している可能性が高いと言えます。症状を放置したままだと、失明につながりかねないので、速やかに医療機関を受診することが大切です。
緑内障の視野欠損の検査方法を教えてください。
緑内障の検査には眼圧検査・角膜厚測定・視野検査などが必要となります。具体的な検査内容は以下の通りです。

・眼圧測定(トノメトリー)
眼圧を測定する基本的な検査です。通常は無痛で、数分で終わります。目の表面に風を吹き付けられるような検査で、受けたことがある方も多いのではないでしょうか。眼圧が上昇すると緑内障になりやすいので、とても重要な検査です。

・視野検査(ペリメトリー)
視野の狭窄(きょうさく)を確認するための検査です。一定の点を見つめながら、周囲から点灯する光を確認します。

・角膜厚測定(パキメトリー)
角膜の厚さを測定します。角膜が薄いと、眼圧が高く測定される可能性があります。

・隅角検査(ゴニオスコピー)
隅角(ぐうかく)の形状や状態を確認する検査です。これにより、開放隅角緑内障か閉塞隅角緑内障かを判断します。

・OCT(光干渉断層造影)
視神経や網膜の厚さを高精度で測定する検査です。緑内障の進行度を詳しく知ることができます。

・眼底検査
網膜や視神経の状態を確認するための検査です。特に、視神経の変化を詳しく観察します。

緑内障による視野欠損の治療や予防

緑内障の視野欠損の治療方法について教えてください。
緑内障の主な治療方法は、点眼薬とレーザー治療になります。点眼薬には、大きく分けて3つの種類があり、眼球内の圧力を保つ役割をになう房水の生成を抑える薬、房水の流出を促す薬、その他、視神経の保護や血流を改善する効果を持つ薬などが挙げられます。

一方で点眼薬による治療が効果不十分な場合や点眼薬の副作用が気になる場合に、レーザー治療による治療が検討されます。レーザー治療は、メスを使わず、レーザー光線を照射することで眼圧を下げる治療法です。治療法には大きく2種類の方法があり、急性緑内障発作が起きた場合に、虹彩根部にレーザーを当てて新しく房水の通り道を作る方法と、線維柱帯にレーザーを当てて、房水の外に流れ出る抵抗を減らす方法があります。レーザー治療を受けても改善が見込めない場合は、外科的処置を行うことがあります。

緑内障の視野欠損を予防する方法について教えてください。
緑内障は原因が明らかになっていないため、現在の医学では予防することができません。生活習慣を患っている方が緑内障を発症しやすい傾向にあるので、食生活や運動に気を配り、十分な睡眠時間をとるなど、規則正しい生活を送ることが大切です。また、どの病気にも言えることですが、ストレスを発散することが、健康を維持することにもつながります。繰り返しにはなりますが、早期発見するためにも定期的に検査を受けることが大切です。初期症状の段階で治療を始めることで、レーザーや手術などの大がかりな処置を受けるリスクを減らすことにつながるでしょう。

編集部まとめ

いかがでしたでしょうか。緑内障の視野欠損は、緑内障の症状の中でも代表的な症状です。視野欠損の症状は、自覚症状を持ちにくく、徐々に進行し最終的には失明のリスクを負います。また、根本的な原因が不明のため完治させることのできない病気でもあります。そのために、いかに早期発見を実現し、初期症状の段階で治療を進めることができるかが、長く健康な眼でいるためには必要です。本記事が緑内障の早期発見の一助となれれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

参考文献

この記事の監修歯科医師
柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

東京大学医学部卒業(1995年 MD)/ 東京大学大学院修了(医学博士 2001年 PhD) / 東京大学医学部眼科学教室講師(2012-2015年) / デューク・シンガポール国立大学医学部准教授(2016年-2020年)/ 旭川医科大学眼科学教室教授(2018年-2020年) / 横浜市立大学 視覚再生外科学 客員教授(2020年-現在) / 専門は黄斑疾患。シンガポールをはじめとした国際的な活動に加え、都内のお花茶 屋眼科での勤務やDeepEyeVision株式会社の取締役を務めるなど、マルチに活躍し ています。また、基礎医学の学術的バックグラウンドを持ち、医療経済研究、創薬、国際共同臨床研究などを行っています。

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