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白内障予防にサングラスは役立つ?白内障予防のための紫外線対策のポイントや予防方法とは

白内障予防にサングラスは役立つ?白内障予防のための紫外線対策のポイントや予防方法とは

高齢化が進んでいる現在、加齢とともに発症する可能性が高くなる白内障は、ほとんど誰もがなる病気といえるでしょう。加齢を防ぐことはできませんが、加齢以外の原因や予防方法を知っていると、白内障の発症や進行を遅らせることができるかもしれません。この記事では、白内障の原因や症状、そして原因のひとつといわれている紫外線について、対策のポイントや予防方法を解説します。白内障の予防方法を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

白内障予防にサングラスは役立つ?

白内障予防にサングラスは役立つ? 白内障予防として、サングラスの使用は効果があると考えられています。白内障とは、水晶体が白く濁ってしまう病気です。水晶体は眼のなかにあるレンズのようなもので、物を見る際に物体に焦点を合わせています。私たちは水晶体のおかげで人や物など、さまざまなものが見えています。紫外線は水晶体の濁りを進行させてしまうと考えられている太陽光に含まれる光の一種です。そのため、サングラスにより眼に入る紫外線の量を減らすことで、白内障の発症や進行の予防が期待できます。

白内障の原因

白内障の原因 白内障の原因と聞くと、ほとんどの人が1番に加齢をイメージするのではないでしょうか。しかし、白内障の原因は加齢以外にもさまざまで、どれかひとつが原因とは限りません。原因を知ることで、予防できますので、ぜひ参考にしてください。

加齢

白内障の1番原因となるのが加齢です。加齢とともに、水晶体は白く濁りやすくなります。白内障の原因のほとんどは加齢によるものといわれており、80歳以上では、ほぼ100%の人が白内障を発症します。しかし、加齢を防ぐことはできないので、加齢以外の原因を知り、予防対策をしておくことがとても大切です。

紫外線

紫外線とは、太陽光に含まれている光の一種で、ビタミンDを合成する働きがあります。しかし、紫外線を長時間浴びすぎると日焼けをして痛みが出るなど、肌に悪影響が出てしまいます。紫外線は肌だけではなく、眼にも同じように悪影響を及ぼすことがわかっています。日常生活を行ううえで、紫外線を完全に遮断することは難しいでしょう。しかし、紫外線を長時間浴びることは、白内障以外の眼の病気になるリスクも上げてしまいます。日頃から陽を浴びすぎないよう注意しておくとよいでしょう。紫外線は太陽光として上から浴びている直達光と呼ばれるものだけでなく、空気中に散乱している散乱光、地上から反射している反射光もあります。日陰でも日焼けしてしまうのは、散乱光や反射光などもあるためです。そのため、上からの直達光だけでなく、散乱光や反射光への対策も必要となります。

ステロイド薬の使用

ステロイド薬とは、炎症、アレルギー、過剰な免疫反応などを抑える効果から、多くの病気の治療薬として使われています。一方で、副作用も多く知られており、長期間使用することで、副作用が出る可能性も高くなります。副作用のひとつとして挙げられるのが白内障です。もちろん、ステロイド薬を使用すると必ず白内障になるわけではありませんので、自己判断で薬を中止しないようにしましょう。ただ、長期間ステロイド薬を使用する場合は、眼科の検査についても医師に相談するとよいでしょう。

糖尿病や甲状腺の病気

糖尿病や甲状腺の病気など、ほかの病気が白内障の原因となる場合があります。特に糖尿病は病気が進行すると、白内障以外にも網膜症という失明リスクの高い眼の病気になってしまうこともあります。眼の病気を早期発見できるよう、糖尿病や甲状腺の病気の治療中には眼科の検査をすることが推奨されています。

以前に受けた眼の手術

水晶体に強いダメージを受けることにより発症する白内障が、外傷性白内障です。手術により水晶体に傷がついてしまった場合、白内障発症の原因となる場合があります。また、眼にボールが当たるなどの強いダメージが加わったり、眼に異物が入って傷がついてしまったりすることでも、外傷性白内障を発症することがあります。外傷から数年以上経ってから発症する場合もあるので、すぐに症状が出なくても早めに受診するようにしましょう。

上半身や頭部への放射線治療

頻度は多くありませんが、放射線の被ばくにより白内障発症の可能性がある、という研究結果が報告されています。がん治療などで、上半身や頭部へ放射線を受けることで、白内障が発症した事例もあるようです。

白内障の症状

白内障の症状 白内障は初期では症状が出にくく、自分で気付きにくい病気といわれています。しかし、手術以外の白内障の治療では、進行を抑えることしかできず、一度濁った水晶体をもとに戻すことはできません。白内障を発症したら、目薬による治療を行うのが一般的ですが、目薬でも水晶体の濁りが治ることはなく、あくまでも進行を遅らせる治療となります。そのため、早めに異変に気付いて治療を開始することがとても大切です。あらかじめ白内障の初期症状を知っておくことで、進行する前から予防対策や治療を行いましょう。

ものがかすんで見える、ぼやける

白内障は水晶体が白く濁る病気のため、眼がかすむ、ぼやけるといった症状が起こります。水晶体はカメラでいうとレンズのような存在です。カメラでもレンズが曇ると見えにくくなってしまいますよね。人でも同じで、白内障により水晶体というレンズが濁ると、ものが見えにくくなってしまいます。ものがかすんで見える、ぼやけるといった症状は、白内障特有の症状ではなく、すぐに白内障と判断できるものではありません。一時的であれば問題ない可能性が高いですが、頻繁に起こる、ずっと改善しない、という方は早めに眼科で相談した方がよいでしょう。

まぶしく感じる

まぶしく感じることは、白内障で起こりやすい症状のひとつです。水晶体が白く濁ることで、目に入ってきた光がいろいろな方向に反射してしまい、まぶしく感じます。さらに、反射した光により、白内障がより進行してしまうともいわれています。そのままにしておくと、症状が悪化、白内障が進む、さらに症状が悪化という悪循環になりかねません。そのため、早くからサングラスなどで、眼に入る光の量を適切に調整することが大切です。

眼が疲れやすい

白内障の進行により、視力が低下したり、まぶしく感じやすくなったりすること自体が、眼の疲れの原因となります。また、白内障により、水晶体が硬くなることも眼の疲れの原因のひとつです。人は眼にある筋肉で水晶体を厚くしたり薄くしたりすることで、ピント調節を行っています。水晶体が硬くなると厚さを変えられず、ピント調節がうまくできなくなります。それでも眼は一生懸命ピントを合わせようと、常に筋肉を動かすことで負担がかかり、眼が疲れやすくなるのです。

人や物が二重に見える

人や物が二重に見える場合、白内障を疑うことがあります。白内障になると水晶体の一部分から濁っていき、次第に濁りが全体に広がります。濁っている部分とそうでない部分があると、見たものを眼がうまく映し出すことができず、二重に見えることがあります。ただし、両眼で見たときに人や物が二重に見えるようなら、白内障以外が原因である可能性が高いそうです。片眼で見たときだけ二重に見えるようなら、白内障が原因である可能性が高いといわれています。どちらにしても早めに眼科で相談しましょう。

メガネやコンタクトでも見えにくい

水晶体の濁り方は一人ひとり違いますが、基本的に一部分から少しずつ濁っていき、それが次第に全体に広がります。水晶体の周辺部分だけが濁った状態では症状は出にくいですが、中心部が濁ると視力の低下を感じるようになります。白内障の進行により近視が進む場合もあり、今までのメガネやコンタクトが急に合わなくなることも、受診の目安になるでしょう。近視が進むと老眼鏡を使わなくても近くの文字が読めるようになる場合もあります。しかし、これは老眼が治ったのではなく、むしろ白内障が進行している可能性を疑う必要があります。

白内障予防のための紫外線対策のポイント

白内障予防のための紫外線対策のポイント 白内障の種類は80以上あるといわれてます。そのなかでも日本人に少なくない皮質白内障は、紫外線により悪化する可能性が高いことがわかっています。白内障は進行すると外科手術を受ける必要が出てくるだけでなく、失明してしまうこともある病気です。そうなる前に発症や進行を予防する方法を知り、早めに対策することが大切です。まずは白内障の主な原因のひとつである紫外線について、対策のポイントを解説します。

季節ごとの紫外線対策のポイント

季節や時間帯によって、私たちが浴びる紫外線の量は変わってきます。1年のうちでは4月から9月頃が紫外線の量が多いといわれています。夏場の紫外線が多い時期は、屋外に限らず屋内でも紫外線対策をした方がよいでしょう。冬場は夏場と比べて紫外線量は少なくなります。ただし、太陽の位置が夏よりも低くなるため、顔に当たる紫外線の量は多くなる場合があるので注意が必要です。また、冬場に雪が積もっていると紫外線が反射して眼に入りやすくなります。さらに、曇りの日でも大部分の紫外線は地上まで届いており、曇っているから、寒い季節だからといって、まったく対策をしなくていいわけではありません。状況に応じた適切な対策を行いましょう。

屋外でサングラスを使用する

水晶体のなかにはタンパク質が存在します。水晶体の濁りは、タンパク質の性質が変わってしまうことでも進行します。濁りの進行を早める原因のひとつが紫外線です。紫外線を防ぐために、屋外でサングラスを使用することは、手軽で有効な手段といえるでしょう。サングラスを選ぶ際は、紫外線をカットする機能がついたものを選びましょう。紫外線カット機能がついたサングラスのなかでも、強いカーブがついて眼を保護しやすいものや、メガネの上からかけられるものなど、さまざまな種類があります。自分のライフスタイルにあったサングラスを選ぶとよいでしょう。また、サングラスは色の種類もさまざまです。濃い色の方がたくさん紫外線をカットしてくれるように感じますが、そうとは限りません。色の濃いサングラスは暗くなってしまうことで、眼がより多くの光を取り入れようと瞳孔が開き、余計に眼に負担がかかってしまうことがあります。そのため、できるだけ濃い色は避けるのがよいでしょう。色味としては、ブラウン系やグレー系がよいといわれています。自分で選ぶのが不安な方は、白内障予防という目的をメガネ店で伝え、プロの方に相談してみましょう。

帽子や日傘を使用する

サングラスのほかに、帽子や日傘を使用することでも紫外線を防ぐことができます。帽子をかぶることで、眼に浴びる紫外線の量は20%程度減少するといわれています。太陽の光が真上から射す日中は特に、サングラスよりも帽子や日傘の方が、上からの紫外線をより多く防げるでしょう。時間帯によって使い分けるのもいいかもしれません。ただし、紫外線は上から浴びているだけではなく、空気中に散乱しているもの、地上から反射しているものもあります。状況によっては、サングラス、帽子、日傘など、複数一緒に使うことも効果的です。

紫外線対策以外の白内障の予防方法

紫外線対策だけでなく、白内障の発症や進行を予防できるといわれている方法はほかにもあります。どのような病気でも、これだけをすれば安心という予防方法はなく、いくつも継続して行うことが大切です。主な予防方法を3つ紹介しますので、できそうな方法から取り組んでみてはいかがでしょうか。

食生活のポイント

白内障は、水晶体が白く濁る病気であり、白く濁るのは水晶体のなかにあるタンパク質が酸化していることが原因です。そのため、酸化を防ぐ食べ物は白内障の予防につながると考えられています。酸化を防ぐ作用を抗酸化作用といいます。抗酸化作用のある物質は、ビタミンC、ベータカロチン、ルテイン、ゼアキサンチン、ビタミンEなどです。レモン、いちご、にんじん、ほうれん草などの果物や野菜に多く含まれています。これらの食材を含めた、バランスのよい食事を心がけることが大切です。

適度な運動

適度な運動が身体の健康によいことは広く知られており、白内障も例外ではありません。運動により血流がよくなることで、白内障の進行が抑えられるとする報告もある様です。また、運動は白内障の原因のひとつである糖尿病の予防にもつながります。どの程度が適度な運動かどうかは人それぞれです。身体の痛みがある方などは特に、無理のない範囲で行ってください。また、屋外で運動する場合は、紫外線対策も忘れないようにしましょう。

生活習慣の改善

白内障の原因のひとつに、糖尿病が挙げられます。食事や運動などの生活習慣の改善は、糖尿病の予防として一般的です。つまり、生活習慣を改善し糖尿病にならないようにすることは、白内障の予防にもつながるといえます。また、喫煙も白内障の発症につながることが知られています。早期に喫煙をやめることで、白内障になるリスクが低下すると報告されているため、禁煙を心がけましょう。ぜひ、今の生活習慣に改善できる点がないか、考えてみてはいかがでしょうか。

まとめ

白内障は80歳以上でほぼ100%の人が発症する病気です。加齢以外にも紫外線や生活習慣など、さまざまな原因があります。特に日本人に少なくない皮質白内障は紫外線により悪化する可能性が高いため、サングラスや帽子による適切な紫外線対策が重要です。また、食生活の改善や適度な運動、禁煙を心がけることで、発症や進行を遅らせることができます。早期発見・早期治療が大切な病気ですので、目のかすみやまぶしさを感じたら、早めに眼科を受診しましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

東京大学医学部卒業(1995年 MD)/ 東京大学大学院修了(医学博士 2001年 PhD) / 東京大学医学部眼科学教室講師(2012-2015年) / デューク・シンガポール国立大学医学部准教授(2016年-2020年)/ 旭川医科大学眼科学教室教授(2018年-2020年) / 横浜市立大学 視覚再生外科学 客員教授(2020年-現在) / 専門は黄斑疾患。シンガポールをはじめとした国際的な活動に加え、都内のお花茶 屋眼科での勤務やDeepEyeVision株式会社の取締役を務めるなど、マルチに活躍し ています。また、基礎医学の学術的バックグラウンドを持ち、医療経済研究、創薬、国際共同臨床研究などを行っています。

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