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白内障のセルフチェック方法は?治療法と併せて解説します

白内障のセルフチェック方法は?治療法と併せて解説します

白内障は加齢とともに発症リスクが高まる眼の病気で、多くの方が経験する可能性があります。しかし、その初期症状は気付きにくいことも多く、進行するまで放置してしまうケースも少なくありません。本記事では、以下の点を中心に白内障のセルフチェックについて解説します。

  • 白内障の初期症状
  • 白内障のセルフチェック方法
  • 白内障の治療方法

また、白内障と診断された場合の主な治療法も解説します。早期発見、早期治療が視力低下を防ぐ鍵となりますので、ぜひ参考にしてください。

白内障とは

白内障とは

白内障は、目の中の水晶体が不透明になることで視力が低下する病状です。水晶体は、光を集中させる役割を果たし、視界をクリアにするために必要です。

白内障の原因

白内障は、主に加齢による水晶体のタンパク質変性が原因で発症します。視界のぼやけや物が二重に見える症状が特徴的です。しかし、加齢以外にもさまざまな要因が関与しています。紫外線や赤外線への長期曝露、放射線被ばく、糖尿病などの全身疾患、ステロイド薬の使用、眼の外傷、先天的要因なども白内障を引き起こす可能性があります。

これらの要因が複合的に作用し、水晶体の濁りが徐々に進行していきます。初期段階では軽微な視力低下にとどまりますが、進行すると日常生活に支障をきたす程の視力障害を引き起こす可能性があります。早期発見と適切な治療が重要であり、定期的な眼科検診を受けることが推奨されます。

白内障の初期症状

白内障は、目の水晶体が徐々に白く濁っていく病気で、初期段階では明確な症状が現れにくいことが特徴です。初期には、水晶体の濁りがまだ軽度なため、視界の変化もあまり感じられません。
多くの場合、日常生活では目の見えづらさが自然と反対の目によって補われる(補償作用)ことにより、早期発見が難しくなります。結果、自覚症状がない状態で数年から10年以上経過する場合も少なくありません。

白内障の進行は、紫外線や赤外線への長期曝露、糖尿病などの全身疾患、ステロイド薬の使用、眼の外傷、さらには先天的要因など、さまざまな要因が複合して引き起こされます。
これらの要因が水晶体のタンパク質に影響を与え、変性や凝集を引き起こし、透明度が低下します。特に紫外線は水晶体内の水分子に作用して活性酸素を発生させ、近くのタンパク質を間接的に傷害します。

したがって、定期的な目の検査が白内障の早期発見にはとても重要です。定期的な眼科検診を受けることで、白内障の進行を遅らせたり、適切な治療を受けられます。

白内障が進行したときの症状

白内障が進行したときの症状

白内障は初期症状に気が付きにくいことがわかりました。進行した場合はどのような症状が出るのでしょうか?以下で解説します。

目がかすむ

白内障の主な症状の一つとして、目のかすみが挙げられます。これは、目の中の水晶体が濁って透明度が失われることで起こります。

正常な水晶体はクリアで、光をしっかりと通すことで鮮明な視界を提供します。しかし、白内障によって水晶体が白く曇ると、光の通過が妨げられ、結果として物がぼやけて見えるようになります。

この現象は、霧がかかったレンズで写真を撮ると画像がぼやけるのに似ています。視界が全体的にかすんでしまうため、日常生活ではっきりと物を見ることが難しくなります。なかでも、文字を読むときや遠くの物を見るときに支障が出やすくなります。

また、水晶体の濁り方によっては、光がまぶしく感じたり、物が二重に見えたりする症状も現れることがあります。これらの症状は徐々に進行するため、初期段階では気付きにくいことがあります。

光がまぶしく感じる

白内障による目の症状のなかで注意が必要なのが、眩しさです。水晶体が濁り、透明度が低下すると、本来は網膜に集中すべき光が適切に届かず、散乱する現象が生じます。

日常の光源やヘッドライト、信号灯などがとてもまぶしく感じられるようになります。なかでも夜間の運転は、この散乱光が原因で視界が明るすぎると感じることが多く、運転の安全性を著しく低下させる原因となることがあります。

このような症状が現れた場合は、早急に眼科の診察を受けることが重要です。白内障の進行による視覚障害は、適切な治療により改善が期待できるため、自覚症状に気付いたら即時の対応が推奨されます。

視力の低下

白内障の進行に伴う視力の変化は、水晶体の濁りがどの部位に集中しているかによって異なります。水晶体の濁りは外側から中心に向かって進行する場合が多く、中心部に濁りが達すると、はっきりと視力低下を感じるようになります。
初期段階では、濁りが中心部にいたっていないため、視力の変化をほとんど感じないことがあります。

後嚢下白内障の場合は、濁りが早期から中心部に現れるため、視力低下を早くから感じることがあります。一方で、核性白内障では、水晶体が黄色く濁るものの透明性はある程度保たれることが多く、病状が進行しなければ視力が大きく低下しない場合もあります。
このように、白内障による視力低下は種類や進行度によって大きく異なるため、早期発見と適切な診断が重要です。

ものが二重に見える

白内障の典型的な症状の一つに、物が二重や三重に見える複視があります。水晶体の一部が濁り、一部が透明な状態で発生します。水晶体の異なる部分を通過した光はそれぞれ異なる方向に屈折し、結果として複数の像が重なって見えます。

この現象は単眼性複視(片眼複視)と呼ばれ、片目で物を見たときに起こります。水晶体の濁り方によっては、光がまぶしく感じたり、視界全体がかすんだりする症状も伴うことがあります。

ただし、複視がすべて白内障によるものではないため、診断には注意が必要です。ほかの眼疾患や神経系の問題でも複視が起こる可能性があるため、症状が現れた場合は専門医の診察を受けることが重要です。

白内障のセルフチェック方法

白内障のセルフチェック方法

白内障のリスクがあるかどうかを自身で確認する方法として、セルフチェックが役立ちます。以下に挙げる症状に多く該当する場合は、白内障の可能性を考え、専門医の診断を受けることが推奨されます。

  • 50歳を超えている
  • 目の見え方に左右差がある
  • 物体が重なって見える
  • 視界がぼやけている
  • 中間色(例えば灰色など)がわかりにくい
  • 距離感がつかみにくくなり、つまずきやすい
  • 明るい環境での眩しさが増す
  • 夜間の光源が眩しく感じる
  • 老眼鏡が必要なくなった、または効果が薄れる
  • 最近作成した眼鏡やコンタクトの度数が合わなくなった
  • 糖尿病を患っている
  • 運転免許の更新に問題があった
  • 集中して読書が困難になった
  • 細かい作業が難しくなっている
  • ステロイド薬を長期にわたって使用している

症状の多くが当てはまる場合は、白内障の発症が考えられます。早期発見と適切な対応が症状の悪化を防ぐために重要ですので、症状に心あたりがあれば専門医の診察を受けることをおすすめします。

白内障の治療法

白内障の治療法

白内障は必ず手術が必要なのでしょうか?以下に白内障の治療方法について解説します。

点眼治療

白内障の治療方法の一つとして、点眼薬によるアプローチがあります。初期段階の白内障を対象に、症状の進行を遅らせることを目的として使用されることが多いといわれています。

これは、手術を避けたい気持ちがある場合に選択されることがあります。ただし、現在のところ、白内障を治せる点眼薬は研究中であり、日本で市販されている点眼薬は進行を遅らせる効果のみを期待するものです。

そのため、点眼治療はあくまでも一時的な対策であり、白内障が進行した場合は、最終的には手術を行う必要があると考えられています。

手術

白内障の手術は、視力低下や日常生活に支障が出る場合に行われる治療法です。手術では、まず白目と黒目の境目に小さな傷口を作り、そこから目に機械を挿入します。

次に、超音波を用いて濁った水晶体を砕き、取り除きます。その後、患者さんに合わせた人工のレンズを挿入し、傷口を閉じて手術は終了します。手術は短時間で行われ、視力の回復が期待できる効果的な治療法です。

白内障の予防法

白内障の予防法

初期症状がわかりにくい白内障だからこそ、予防したいものですね。以下に白内障の予防方法を紹介します。

紫外線対策

紫外線は目の健康に悪影響を与える要因の一つであり、白内障だけでなく翼状片などほかの眼疾患のリスクも増加させます。日常生活で紫外線から目を守る対策を行うことが重要です。

目を紫外線から保護する効果的な方法として、紫外線カット機能付きのサングラスや、日差しを遮れるつばの広い帽子の着用が推奨されます。

晴天時には保護具を利用しますが、曇天の日でも紫外線は存在しているため、外出時は常に対策を心がけることが望ましいです。長時間の屋外活動では晴天でなくても、目の健康を守るためにも、サングラスや帽子の着用が大切です。

禁煙

白内障の予防で、禁煙は重要な役割を果たします。タバコに含まれるニコチンは毛細血管を収縮させ、目の血流を悪化させる可能性があります。さらに、タバコの煙に含まれる有害物質は、白内障予防に重要な抗酸化物質であるビタミンCを破壊する可能性があります。

禁煙により、これらの悪影響を軽減し、白内障の発症リスクを下げられます。健康的な生活習慣の一環として、禁煙の検討が、目の健康維持に有効な方法の一つでしょう。

適度な運動

適度な運動が効果的とされています。日常的に適度な運動を行うことで、全身の血流が改善され、酵素や栄養の供給が活性化します。また、運動により老廃物の排出を助け、身体全体の健康が維持されます。

目には無数の毛細血管が通っているため、血流の改善は白内障の予防にもつながります。適度な運動を取り入れることで、目の健康を保ち、白内障リスクの低減が期待できます。

目薬の使用

白内障に関して、水晶体の濁りをすべて解消することは目薬だけでは不可能ですが、初期段階での症状緩和や進行の遅延には効果があるとされています。

医師によって処方される専用の点眼薬は、市販薬よりも特化した成分を含んでいるため、結果を期待できることがあります。

これらの点眼薬は効果が限定的ですが、白内障の予防策は有効なオプションの一つです。したがって、白内障のリスクが気になる場合や、初期の兆候が見られる場合には、専門の医師に相談し、適切な点眼治療を受けることが推奨されます。

食生活の改善

ビタミンCやビタミンEを豊富に含む食品の摂取がよいとされています。体内の活性酸素が水晶体の濁りを加速させるため、これを中和する作用がビタミンCとビタミンEに含まれるからです。

ルテインやゼアキサンチンを多く含む緑黄色野菜(例:ほうれん草、ブロッコリー)や、ポリフェノールが豊富なブルーベリーは目の健康に推奨されます。

また、健康な食生活全般が白内障のリスクを減らすのに寄与します。糖尿病などの生活習慣病は白内障のリスクを高めるため、バランスのよい食事を心がけることが重要です。

脂肪分の多い食品を摂る際は、野菜と組み合わせての摂取が栄養バランスを保ちやすくなります。規則正しい生活を送り、適切な食事を取ることで、目だけでなく全身の健康維持にもつながります。

まとめ

まとめ

ここまで白内障のセルフチェックについてお伝えしてきました。白内障のセルフチェックの要点をまとめると以下のとおりです。

  • 白内障は、目の水晶体が徐々に白く濁っていく病気で、初期段階では明確な症状が現れにくい。初期には水晶体の濁りが軽度で、視界の変化も感じにくいため、反対の目が補うことで早期発見が難しくなる。結果として、自覚症状がないまま数年から10年以上経過することもある。したがって、定期的な目の検査が白内障の早期発見には重要である
  • 白内障のリスクがあるかどうかを自身で確認する方法として、セルフチェックが役立つ。以下の症状に多く該当する場合は、白内障の可能性があるため、専門医の診断を受けることが推奨される。50歳を超えている、目の見え方に左右差があるなど症状の多くが当てはまる場合は、白内障の発症が考えられるため、早期発見と適切な対応が重要である
  • 白内障の治療法には点眼薬と手術がある。点眼薬は初期段階で進行を遅らせる目的で使用されるが、完治はできない。手術は視力低下や日常生活に支障が出る場合に行われ、濁った水晶体を取り除き人工レンズを挿入する。短時間で行われ、視力回復が期待できる効果的な治療法である。点眼薬は一時的対策であり、進行した場合は最終的に手術が必要となる

白内障は早期発見と適切な治療が重要です。セルフチェックを行い、少しでも異常を感じたら早めに眼科を受診しましょう。定期的な眼科検診を受けることで、白内障の進行を遅らせたり、適切な治療を受けることができます。

皆さんの目の健康を守るために、日常生活での視界の変化に敏感になり、必要に応じて専門医の診察を受けることを心がけてください。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
柿崎 寛子医師(Vista medical center Shenzhen)

柿崎 寛子医師(Vista medical center Shenzhen)

三重大学医学部卒業 / 現在はVISTA medical center shenzhen 勤務 / 専門は眼科

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