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白内障眼内レンズについて解説!白内障眼内レンズを知って自分に合った眼内レンズを選びましょう!

白内障眼内レンズについて解説!白内障眼内レンズを知って自分に合った眼内レンズを選びましょう!

白内障は、年齢とともに誰でも発症するといわれています。一度濁ってしまった水晶体はもとには戻せませんが、治療には外科手術が有効で、眼内レンズが使用されます。これは60歳以上では眼科手術の約20%を占めるといわれるほど身近な手術です。近年、いろいろな種類の眼内レンズが利用できるようになりましたが、レンズの種類やタイプは自身での選択となります。そのためにも眼内レンズと白内障手術についての正しい知識で理解を深めましょう。

白内障と眼内レンズについて

白内障の治療で水晶体を取り除いた後、網膜にピントを合わせるために代わりに入れるのが眼内レンズです。白内障の原因と症状、眼内レンズの種類やタイプについて説明します。

白内障とはなんですか?
白内障とは、水晶体が白く濁って視力が低下する病気のことです。人の目をカメラに例えると、レンズが水晶体で、外からの光を集めてピントを合わせます。この水晶体が透明ではなくなった状態が白内障なのです。 タンパク質を卵白に例えると、熱を加える前の卵白は透明です。水晶体も水とタンパク質で構成されていますが、タンパク質には自己修復機能があり、異常が起こっても自分で修復する能力があります。卵白に熱を加えるとタンパク質の修復機能が次第に失われ、白く変色してしまいます。水晶体も同じように、加齢などの原因で修復機能が失われ濁ってしまうのです。タンパク質の変性はもとには戻りません。
眼内レンズとはなんですか?
水晶体は網膜にピントを合わせますが、白内障手術で水晶体を取り除いてしまうと、そのままではピントが合わなくなってしまいます。以前はメガネやコンタクトレンズを使ってピントを合わせていましたが、近年ではその代わりに眼内レンズが使われるようになりました。 白内障手術では、水晶体の中身だけ取り除き、その周りのカプセル状の膜である水晶体嚢(のう)は残します。そして、この水晶体嚢の中に眼内レンズを入れて固定します。

白内障眼内レンズの種類について

眼内レンズは機能面から、単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズのカテゴリーがあります。人間の目は、水晶体の厚さや形を変化させることにより、遠近でピントを合わせることができます。しかし、老眼になると、このピントを合わせる能力が衰えます。白内障手術で取り除いたこの水晶体の代わりに使うのが眼内レンズです。それぞれの機能的側面でレンズの種類は異なります。次に種類別に眼内レンズの説明をします。

白内障眼内レンズにはどの様な種類がありますか?
眼内レンズは目の中でレンズの機能を持つ水晶体の代わりとなるものです。現在使用できる眼内レンズは、機能的には単焦点レンズと多焦点レンズにわかれます。それぞれの特徴を次にまとめました。

・単焦点レンズ
単焦点眼内レンズとは、遠方、中間、近方のどこか一つにピントを合わせた眼内レンズのことです。ピントを合わせた距離の範囲でクリアな視野が得られます。

・多焦点レンズ
このタイプの眼内レンズは、遠方と中間にピントを合わせることができます。ピントを合わせた距離の範囲内ではクリアな視野が得られます。白内障手術の合併症であるハロー・グレア(光視症)など、多焦点眼内レンズ特有の不快な症状を抑えるレンズもあります。ただ、手元を見るためのメガネが必要な場合もあります。

・トーリック眼内レンズ
正常な角膜はきれいなカーブを描いたレンズですが、レンズのカーブがゆがんでしまうと、レンズを通してみた像もゆがんでしまいます。この状態が乱視です。白内障を治療するとともに乱視も軽減できるレンズのことをトーレック眼内レンズといい、単焦点と多焦点眼内レンズがあります。角膜のゆがみによる乱視の矯正に適したレンズですので、乱視の種類や目の状態によっては、使用に適合しない場合もあります。

単焦点レンズのメリットとデメリットを教えてください
単焦点眼内レンズは、遠方、中間、近方のどこか一つにピントを合わせますので、ピントを合わせた距離の範囲の視野がクリアになります。ただし、遠くに焦点を合わせた場合は手元を見るための老眼鏡が必要になり、近くに焦点を合わせた場合には遠方を見るメガネが必要になることもあります。また、単焦点眼内レンズは健康保険がすべて適用されるので、費用面でメリットが大きいといえます。
多焦点レンズのメリットとデメリットを教えてください。
近年、多焦点眼内レンズの人気が高まり、急激に使用数が伸びてきました。どこの眼科でも扱っているわけではありませんが、複数のタイプがでていて選択肢も広がってきました。メリットとしては、ピントの合う位置が2つ以上あるため、近くも遠くもハッキリ見えるという点があげられます。見えにくい距離の補助だけにメガネを使えばいいので、日常的には裸眼で過ごせることをメリットと感じる人もいるでしょう。 しかし、2020年より、多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術が先進医療の対象から外れたため、一部の健康保険適用タイプを除き、ほとんどの多焦点眼内レンズは選定療養または自由診療での治療となります。医療費は高額となることと先進医療保障は受けられないことにご注意ください。

白内障眼内レンズの寿命と素材について

白内障眼内レンズの寿命と素材について 自分の目に埋め込む眼内レンズについては、不安に思うことも多いと思います。レンズの寿命と素材についてそれぞれ説明します。

白内障眼内レンズの寿命はありますか?
眼内レンズの寿命は人間の寿命より長いと考えられています。また、いったん目の中に入れた眼内レンズを入れ替えることは、よほどのことがない限りありません。素材はISO(国際基準)に則り作られ認証を受けたもので、数々の試験をクリアしています。また、眼内レンズは滅菌されていて感染症リスクは基本的にはありません。さらに素材自体の生体適合性もよいとされています。
白内障眼内レンズの素材は何でできていますか?
硬いものと柔らかいものの2種類の素材があります。硬いものはPMMAと呼ばれるアクリル樹脂が原料です。柔らかいタイプはアクリル系とシリコーン系があり、現在よく使われているのは、柔らかいアクリル系の素材でできた眼内レンズです。眼内レンズは直径6mmですが、柔らかい素材であると折りたたんで目の中に挿入でき、小さな傷口で手術を行うことができます。傷口の小さい方が目に優しい手術なのです。

白内障手術の一つである眼内レンズ

白内障手術は、カメラに例えるとレンズ交換をすることと一緒です。濁った水晶体を取り除き、代わりに眼内レンズを眼の中に挿入します。それだけに安全性は確認したいところです。眼内レンズの安全性と気になる点を次に説明します。

眼内レンズは安全ですか?
国内で処方されている眼内レンズは、厚生労働省が認めた医療機器として厳正な審査を通っているものです。下記の複数試験に合格しています。

  • 折りたたまれたレンズの形状復帰
  • 十分な強度
  • 眼の中での劣化の可能性
  • アレルギー反応
  • 遺伝子検査
眼内レンズがずれる場合はありますか?
まれに手術直後にずれてしまうことはありますが、発生率はごくわずかです。ずれてしまった場合は、眼内レンズを摘出して新しいレンズを特殊な方法で固定する手術を行います。通常の白内障手術よりは、難易度は高いのですが、手術機器や技術の進歩により安全な手術となっています。
眼内レンズはどれくらいの費用がかかりますか?
白内障手術の費用は眼内レンズの種類や保険適用の有無により、その費用は大きく変わります。主な費用については、下記一覧をご参照ください。あくまでも目安ととらえてみましょう。

・単焦点レンズ日帰り(超音波)手術
自己負担割合3割:片眼4万5000円

・多焦点レンズ日帰り手術
超音波白内障手術:片眼約40万円~60万円 レーザー白内障手術:片眼50万円~70万円

編集部まとめ

白内障手術には眼内レンズが重要となります。目の中に入れて一生使うものですから、安全性や適合性はもちろん、どんな種類が自分に向いているか? どんな見え方にしたいか? など、自身で選択する条件がたくさんあります。眼内レンズの歴史は意外に古く、大勢の人たちが使ってきた実績もあります。これから先もよりよいレンズや手術方法をめぐり情報はあふれてくるはずです。今回ご紹介した眼内レンズの種類やその内容もぜひその中の一助としてお役立てください。

参考文献

この記事の監修歯科医師
柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

東京大学医学部卒業(1995年 MD)/ 東京大学大学院修了(医学博士 2001年 PhD) / 東京大学医学部眼科学教室講師(2012-2015年) / デューク・シンガポール国立大学医学部准教授(2016年-2020年)/ 旭川医科大学眼科学教室教授(2018年-2020年) / 横浜市立大学 視覚再生外科学 客員教授(2020年-現在) / 専門は黄斑疾患。シンガポールをはじめとした国際的な活動に加え、都内のお花茶 屋眼科での勤務やDeepEyeVision株式会社の取締役を務めるなど、マルチに活躍し ています。また、基礎医学の学術的バックグラウンドを持ち、医療経済研究、創薬、国際共同臨床研究などを行っています。

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