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ドライアイの治し方は?原因・治療方法・対策方法・予防法を解説します

スマホと目薬

ドライアイでは文字通り目が乾く症状のほかに、ゴロゴロしたり疲れを感じたりします。さらには目が開けにくいとか、物が見えにくい症状もある非常に不快な病気です。

ドライアイで悩んでいる方は珍しくなく、推定で総人口の10%近くの方が悩んでいるとされます。さらに40歳以上では17%強、オフィスで働く方では60%超という調査もありました。

すっきりとは治りにくい病気でもあるドライアイについて、この記事では原因・治療方法・対策方法・予防法を解説します。目に不快感がある方は参考にしてみてください。

ドライアイの治し方は?

目薬

初期のドライアイ対応として行われるのが、目に潤いを与えるための目薬の点眼です。涙液の成分に似た構成の人工涙液で水分の補充を行うほか、保護成分としてヒアルロン酸などを含む点眼薬も使われます。

また最近では、眼球の周囲から保湿成分ムチンや水分の分泌を促すタイプの点眼薬が使われ始めました。重症になると、自己血による血清製剤の点眼や、涙液の流出をふさぐ「涙点プラグ」を使います。

症状への対応のほか、悪化原因の除去も大切です。具体的には加湿器など住環境の保湿・保湿眼鏡の使用・目を使う仕事なら適度に休憩・コンタクトレンズの使用抑制などが挙げられます。

ドライアイの原因

目が痛い男性

不快な症状に多くの方々が悩むドライアイですが、原因は単純ではなくさまざまな要因がからみます。そのため原因は特定しにくく、対策も簡単ではありません。原因とされる要素を個別に見ていきます。

年齢

ドライアイは年齢を重ねるにつれて発症する方が多くなります。特に40歳を過ぎた頃から急激に多くなる傾向があり、年齢との関係性はかなり密接です。

具体的には涙液の分泌量が減ることが挙げられ、これが直接的に目の表面に潤いがなくなる原因になっています。外気の湿度にも敏感に反応し、空気が乾燥した秋から冬に乾燥しやすい傾向です。

年齢による変化では涙の成分にも顕著に現れます。まぶたにはマイボーム腺という油分を分泌する腺があり、涙液に油層があることで水分の蒸発を抑える役割です。

この油分分泌能力も加齢とともに低下します。次第に涙液の成分から油分が少なくなり、水分が蒸発してドライアイを発症するというメカニズムです。

また、マイボーム腺の分泌口はまぶたの合わせ目にあり、ここが加齢の影響をうけて細くなります。これも涙液中の油分減少からドライアイ発症につながる要因です。

性別

ドライアイは女性の発症率が高い病気です。この因果関係は加齢とともに高い発症リスク要因として、疫学研究によって検証されました。

女性のドライアイが多い理由として、まず挙げられるのは女性に多い更年期障害です。50歳前後になると卵巣機能が下がり、卵胞ホルモンの分泌量が減ります。

卵胞ホルモンには目の潤いを維持する働きがあり、その減少によってドライアイの発症につながるというメカニズムです。

もう一つはアイメイクです。アイラインやマスカラ、つけまつ毛の接着剤などによってまぶたにある油分の分泌口がふさがれます。油分が減り水分が蒸発しやすい涙液になった結果が、ドライアイの発症です。

また、コンタクトレンズも涙液を減少させます。女性のコンタクトレンズ着用率は高く、カラーコンタクトが特に女性に多く使われるのもドライアイが女性に多い理由です。

VDT作業

パソコン 女性

VDT(ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)作業とはパソコン・タブレットなど表示装置の画面を見て作業することで、使用中は画面を近距離で凝視し続けます。

画面を凝視する場面は仕事だけではありません。ほぼ終日スマホやタブレットでSNSや動画を楽しむのが普通になっていて、目が乾燥する環境は悪化の一途です。

VDT作業では、まばたきの回数は通常の四分の一にまで減少するといわれます。目の表面への涙の供給が減り、一方では水分が蒸発し続ける極めてよくない環境です。

画面までの距離はパソコンで50~60㎝、スマホでは30㎝以内です。近距離の凝視ほどまばたきが少なくなるという環境下、ドライアイが増え続けます。

乾燥した環境

季節的な要因や生活環境によって乾燥した環境にいると、目の水分が失われてドライアイを発症したり、もともとのドライアイを悪化させたりする原因になります。

季節では秋から冬にかけて大陸からの北西風が吹き、太平洋側の各地で湿度が低くなります。湿度が40%を下回った場合は乾燥注意報が出されるので、加湿器を使い目薬を差すなどの対応が必要です。

また、夏場にエアコンを使う場合、空気を冷やすときに水分も取られるので空気が乾燥します。冬場でもエアコンで暖房すると湿度が下がるので、長時間室内で過ごす場合は何らかの加湿対策を考えてください。

エアコンでは湿度の調整ができないので、目に異常を感じる前に意識的にまばたきを増やしてください。特に顔に風が当たっている時には、目の水分が奪われて乾燥が進みやすい状態です。

コンタクトレンズ

コンタクトレンズ

コンタクトレンズは目を覆うものなので、水分の蒸発を抑えてドライアイによさそうな印象を持たれがちです。しかし実際は逆で、コンタクトレンズ装着者はドライアイになりやすい傾向があります。

装着されたコンタクトレンズは、目の表面にある涙に浮かんだ状態です。ソフトタイプでは涙の水分がレンズに浸透しやすく、表面からは速やかに蒸発し涙の量が減ってドライアイに近づきます。

ハードタイプでは、レンズの縁と目の表面の間に涙が貯まった状態です。そして、レンズの周囲からは涙が減って目の乾きを感じるようになります。

コンタクトレンズ装着中に異常を感じたら、すぐに取り外してください。涙が少ない状態で使い続けると、ドライアイの症状が悪化して黒目の部分に傷ができることがあります。

喫煙

タバコは白内障や糖尿病網膜症の原因になるといわれますが、ドライアイとの関係性については海外の統計的な調査が2016年に公表されています。

それによれば、現在の喫煙者のドライアイリスクは非喫煙者の1.32倍、過去の喫煙者でも1.12倍になるとされました。

日本の国立長寿医療研究センターの分類によると、タバコによるドライアイリスクは「因果関係不明」とされます。調査が十分でないだけで無関係ではないので、リスクは警戒すべきでしょう。

内服薬

ドライアイは別の疾患で服用している内服薬と、深い関係がある事例が見られます。涙液の量や成分と密接に関係していて悪影響が疑われるのが、涙に影響を及ぼす薬の影響です。

例えば抗ヒスタミン薬やホルモン補充療法薬では、ドライアイには良くない涙の分泌を抑制する強い因果関係が指摘されています。抗コリン性の抗不安薬や精神安定剤も、涙の分泌を抑える作用を持つ薬です。

また、内服薬ではない緑内障点眼薬では、目に大切な脂質の分泌を抑制してドライアイの原因になります。ドライアイに悩む方で、日常使用している薬が疑わしい場合は医師に相談してみましょう。

ドライアイの検査について

眼科 検査

ドライアイは早期発見が大切なので、目に異常があれば早目に眼科で検査をするのがおすすめです。進行・悪化すれば、角膜に傷が付いたり霞んで見えたりといった症状が現れます。標準的な検査の内容は以下の通りです。

  • シルマーテスト
  • BUT検査
  • 染色検査

シルマー検査は、まぶたにろ紙を5分間挟んで涙の量を量ります。涙で濡れた部分の長さを測り、10mm以上あればドライアイではありません。

BUT検査は涙の質を見ます。10秒間まばたきを止めて機器で目の表面の乾き具合を観察し、涙の膜が壊れる時間(ブレイクアップタイム)を測ります。10秒以上持てば正常です。

染色検査では角膜にできた傷をみます。進行したドライアイでは角膜の表面に傷ができることがあり、その様子を染料で染めて観察する検査です。

上記以外に10種類以上の検査方法がありますが、主に使われるのは上記3種です。

ドライアイの治療方法

目薬 女性

ドライアイの治療は下記の3つの方法で行います。

  • 点眼治療
  • 眼軟膏
  • 涙点プラグ

それぞれの治療方法について詳しく解説します。

点眼治療

ドライアイの治療の基本は点眼薬です。水分を補う目的の人口涙液と水分の維持が目的のヒアルロン酸液が、基幹薬剤としてドライアイ治療の現場の多くで使われてきました。

比較的新しい薬剤としては、ジクアホソルナトリウム(商品名ジクアス)があります。眼球表面の細胞に水分とムチンを分泌させ、涙液の嵩増しと安定が望める薬剤です。

もう一つはレバミピド点眼液(商品名 ムコスタ)で、胃粘膜修復剤の転用です。眼球上皮細胞にムチン産生を促し、涙液の安定性向上とバリア機能の強化を促します。

眼軟膏

眼軟膏は点眼薬の欠点を補う治療薬です。点眼液は涙液と同じ液状で、作用時間は短くたびたび点眼する必要があります。眼軟膏なら通常は1日2回です。

夜間睡眠中は涙液が分泌されず目は乾燥しがちで、ドライアイにはよくありません。点眼薬でも朝まで機能は保てないため、軟膏剤を使えば朝の不快感を効果的に改善できます。

また、症状が進行して角結膜上に傷ができた場合、まばたきすると炎症・痛みが出ることがあります。この症状を緩和するためには潤滑剤として眼軟膏を使うと効果的です。

涙点プラグ

ドライアイには外科的な治療も行なわれます。その代表的なものが涙点プラグです。これは涙点という涙の出口をプラグで塞ぐもので、涙の流出を継続的に止めて涙液を確保する目的で使います。

涙点を塞ぐことで涙が増え、不快な症状・涙液の安定性・眼球上皮の障害の改善が見込まれます。効果の面では、眼科学会が治療ガイドラインで第一選択肢として推奨する優れた方法です。

材質はシリコンが多く、数年間装着可能です。粘性ゲルもありますが、サイズフリーの反面寿命は短くなります。

ドライアイに関連する病気は?

目薬をさす

ドライアイでは病気が原因になるものもあります。代表的な病気では指定難病で自己免疫疾患のシェーグレン症候群があり、涙腺・唾液腺が自分の免疫システムに攻撃される病気です。

シェーグレン症候群では主に涙腺や唾液腺が炎症を起こし、涙や唾液が出なくなってドライアイ・ドライマウスを発症します。同じ免疫性疾患のリウマチ同様、圧倒的に女性に多い難治性の病気です。

ほかにはアレルギー性結膜炎(花粉症)があります。互いに影響を及ぼし合って炎症を悪化させるため、双方の症状を悪化させます。

また、指定難病のIgG4関連疾患でも、涙腺が免疫タンパク質IgG4に攻撃されると炎症を起こします。涙液の産生が減ってドライアイの症状を起こす病気です。

ドライアイの対策方法について

目薬

ドライアイの症状は生活の質を損なう種類なので、対策としては出ている症状の緩和を目指すことが効果的です。理由として、ドライアイ自体の完治はかなり難しいことがあります。

軽度なうちは市販の目薬で涙液を補充すれば軽快します。乾いたと感じたらすぐに使えるよう、 常時手元に置いてください。朝と夜は目薬を差すことを習慣化しましょう。

またパソコン・スマホの画面を見つめる場合は、最低1時間ごとに10~15分目を休ませてください。パソコン用のメガネも効果的で、機器のディスプレイを暗めに設定すると目の負担が軽減されます。

目がごろごろする、沁みる感じがするなどの症状が出たら、早く眼科へ行きましょう。傷が悪化する前に治療すれば早い回復が期待できます。

ドライアイの予防法

目が疲れた男性

ドライアイは予防することで症状が緩和され、生活への影響も少ない状態が続けられます。予防は自分でできることなので、こまめに実施して悪化を防いでください。

まぶたを温める

目を閉じて、まぶたに暖かい程度の蒸しタオルを5〜10分ほど載せてください。こうするとまぶたにあるマイボーム腺に詰まった脂質が溶けて、油分の分泌が回復します。

マイボーム腺が出す油分は涙液層の上面を覆う膜状で、水分の蒸発を防ぐ成分です。マイボーム腺が詰まると油分がなくなり、水分が蒸発した結果ドライアイになります。

マイボーム腺は皮脂などで詰まるほか、加齢で油の分泌機能が低下します。まぶたを温めることで血流を促した結果、マイボーム腺が活性化して油分泌量の回復が望めます。

意識的にまばたきをする

まばたきをすると涙液が目の表面に広がり潤いが維持されます。したがって、ドライアイを防ぐには意識的にまばたきを増やすことが効果的です。

パソコンやスマホを操作しているとき(VDT作業)には画面を凝視するので、まばたきが極端に少なくなります。その結果潤いが失われたのがドライアイというわけです。

ドライアイを予防するためには潤いが必要で、それを確保する手段として意識的なまばたきが欠かせません。作業に集中しても忘れないよう、紙に書いて見える所に貼っておきましょう。

まばたきとは別に、1時間に1回1~2分間ぎゅっと目をつぶるのも潤いの維持に効果的です。タイマーをセットしておくと忘れずに実行できます。

目元を洗う

ドライアイの予防策として、目元を洗うのも有効です。正確にいうと、まぶたにあるマイボーム腺の出口を洗うことで詰まりを解消し、分泌される油の量を増やす方策です。

対策としてはまぶたを温めるのと方向性は同じで、温める代わりに洗い流して詰まりを解消する方法です。

1日2回朝晩の洗顔のついでにやってください。よく洗った指でもいいし化粧用コットンバッドで洗ってもいいでしょう。眼球に触れないように注意して、ていねいに洗ってください。

まとめ

瞳

ドライアイでは涙の量が少なくなることでさまざまな不快感がおこります。すべては涙が少ないことに起因しますが、原因は多種多様でそれに応じた対処が必要です。

治療は点眼薬が主体で、不快な症状を緩和して生活への影響を軽減することを目指します。合わせて症状が出ないよう、原因への対処も重要なポイントです。

いずれにしても目に違和感を感じたら、早く対応しましょう。 早期なら市販の目薬で対処可能です。いろいろな症状に悩まされる前の対応で、ドライアイが負担にならない日常が過ごせます。

参考文献

この記事の監修歯科医師
柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

東京大学医学部卒業(1995年 MD)/ 東京大学大学院修了(医学博士 2001年 PhD) / 東京大学医学部眼科学教室講師(2012-2015年) / デューク・シンガポール国立大学医学部准教授(2016年-2020年)/ 旭川医科大学眼科学教室教授(2018年-2020年) / 横浜市立大学 視覚再生外科学 客員教授(2020年-現在) / 専門は黄斑疾患。シンガポールをはじめとした国際的な活動に加え、都内のお花茶 屋眼科での勤務やDeepEyeVision株式会社の取締役を務めるなど、マルチに活躍し ています。また、基礎医学の学術的バックグラウンドを持ち、医療経済研究、創薬、国際共同臨床研究などを行っています。

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