新着記事

注目のトピック

緑内障

緑内障になりやすい年齢は?緑内障を早期発見する方法も解説!

緑内障になりやすい年齢は?緑内障を早期発見する方法も解説!

緑内障は、40代の20人に1人がかかると言われるほど罹患率の高い病気で、日本人が失明する原因の第一位にもなっています。一般的に緑内障は年齢が上がるに従ってかかりやすくなると言われており、年を重ねるごとにとくに注意が必要となります。当記事では、緑内障と年齢の関係性を詳しく解説しつつ、早期発見し治療につなげる方法も紹介します。

緑内障患者と年齢の関係

緑内障患者と年齢の関係 目の病気としてよく知られる緑内障ですが、より年齢が上がるほど罹患しやすくなると言われています。一方、若ければ緑内障にかからないとも言い切れないことに注意が必要です。

40代の20人に1人が緑内障と言われている

緑内障とは、視神経が損傷を受けることで視力が徐々に失われる病気です。 この病気は40歳を過ぎるとリスクが高まり、40代では約20人に1人が緑内障になるとされています。加齢と共に確率は上がり、60歳以上では約10%の人が緑内障です。 年齢がさらに上がると、60代では約6%、70代では約10%、80代以上では約13%の人が緑内障になると言われています。

20代・30代でも発症するリスクはある

加齢と共に緑内障になる確率は上がる、と説明しましたが、20代や30代といった若い年齢層でも発症する可能性があります。 若くして発症したからといって症状が軽くなる、などの例外はなく、進行すれば失明するリスクも変わりません。

緑内障の症状や原因

緑内障の症状や原因 緑内障は、目の奥にある重要な神経、視神経が損傷を受けることで視力が徐々に低下する病気です。 この病気の主な原因は「眼圧」と呼ばれる、目の内部の圧力です。眼圧が高いと、視神経にダメージを与え、視野が狭くなることがあります。しかし、日本人の場合、眼圧が正常範囲内でも視神経がダメージを受ける「正常眼圧緑内障」というタイプの緑内障も多く見られます。 緑内障には様々なタイプがあります。最も一般的なのは「開放隅角緑内障」で、これは目の液体が流れる部分(隅角)が開いているにも関わらず発症するタイプです。一方で「閉塞隅角緑内障」は、この隅角が狭くなり、目の液体の流れが妨げられる状態です。そして前述の「正常眼圧緑内障」は、眼圧が正常な範囲にあっても視神経が損傷する状態を指します。

緑内障の種類

・閉塞隅角緑内障
閉塞隅角緑内障は、目の中の虹彩(黒目の奥にある色の部分)と水晶体(目の中の透明なレンズ)が接近しすぎることで生じます。この状態になると、虹彩が膨らみ、目の中の液体が流れる通路が狭くなります。 その結果、液体の排出が困難になり、眼圧が上昇します。とくに40歳以上の女性に多く見られる傾向があります。 一般的に緑内障は進行が遅い病気ですが、閉塞隅角緑内障の場合、急性の発作が起こることがあります。その場合、強い目の痛み、頭痛、目の充血、視界のぼやけなどの症状が現れます。この場合は失明のリスクが高まるため、すぐに眼科を受診する必要があります。

・開放隅角緑内障
開放隅角緑内障は、隅角は正常ですが、液体の排出を助けるフィルターのような働きをする線維柱帯が目詰まりを起こすことによって発症します。この状態になると、液体の循環が悪くなり、結果として眼圧が上昇します。 開放隅角緑内障は、初期段階では自覚症状が少ないため、病気の進行に気づきにくい特徴があります。しかし病気が進むと、視野の部分的な欠損などの症状が現れ始めます。 そのため定期的な健康診断で早期に発見し、治療を開始することで、視野の欠損が進行するのを防ぐことができます。

・正常眼圧緑内障
正常眼圧緑内障は、眼圧が正常な範囲内であっても視神経が損傷し、視力の低下が進むタイプの緑内障です。これまで緑内障は、主に眼圧の上昇が原因とされてきましたが、このタイプでは、眼圧の高さは病気の進行と直接的な関連を持たないことが特徴です。 正常眼圧緑内障は、とくに近視の人に多く見られるとされています。視神経の弱さ、免疫系の問題など、さまざまな要因がこの緑内障の発症に関わっていると考えられていますが、その正確な原因はまだ完全には明らかになっていません。

緑内障の症状

緑内障の主な自覚症状としては、視野の一部が見えなくなる「暗点」の出現や、見える範囲が狭くなることが挙げられます。緑内障は徐々に進行するため、初期段階ではこれらの症状に気づきにくいのが特徴です。 例えば、片方の目だけが緑内障になった場合でも、もう片方の健康な目が症状のある目を補ってしまうため、症状に気づくのが難しいのです。このため、異変に気がついて受診する時には、緑内障がかなり進行してしまっていることが少なくありません。 症状が進むと、より視力が低下し、最悪の場合には失明するリスクもあります。そのため、定期的な眼科検診で早期発見を心がけることが重要です。

緑内障の原因

現在のところ、緑内障を引き起こす明確な原因は完全には解明されていません。 ただし、とくに40歳以下の人が緑内障を発症するリスクを高める要因として、遺伝的な要素や喫煙、強度近視が挙げられます。加えて、スマートフォンやパソコンの使用による目の過度な使用も、緑内障のリスクを高めると考えられています。 また家族に緑内障の患者がいて、本人が強度近視である場合、緑内障を発症する可能性が高まるとされています。タバコやアルコールの過剰摂取、不規則な生活習慣も、緑内障の発症要因として考えられています。

緑内障になりやすい人の特徴

緑内障になりやすい人の特徴 緑内障の発症原因についてはまだはっきりとしていませんが、リスクが高いとされる特定の特徴はあります。40歳以上の人、喫煙者、強度近視の人、日常的に目を酷使する人は、緑内障になるリスクが高いとされています。 これらの特徴に当てはまる場合は、一度眼科検診を受けることが推奨されます。

緑内障の治療方法

緑内障の治療方法 緑内障にはさまざまな治療方法がありますが、その選択は病状や進行度によって異なります。

点眼薬による治療

緑内障の初期治療として、まずは点眼薬を用いることが一般的です。治療は通常、1種類の点眼薬から始め、病状に応じて種類を増やしていきます。これは、眼圧を下げ、視野障害の進行を遅らせるためです。 もし3種類の点眼薬を使用しても病状の進行が止まらない場合は、より積極的な治療方法としてレーザー治療や手術が検討されます。

レーザーによる治療

点眼薬だけでは十分な効果が得られない場合、レーザー治療が次の選択肢として考えられます。この治療の目的は、レーザーを照射して眼圧を下げることです。 レーザー治療の利点は、観血手術(メスを使った手術)と比較して体への負担が少なく、手術時間も短いことです。しかし、治療効果が持続する期間が観血手術より短いというデメリットもあります。 レーザー治療には、以下のような方法があります。

・レーザー虹彩切開術
レーザー虹彩切開術は、原発閉塞隅角緑内障の治療に用いられる方法です。この手術では、レーザーを使って虹彩に小さな穴を開けます。 原発閉塞隅角緑内障は、眼球内の房水(目の中の液体)の排出路である隅角が閉じてしまうことで発生します。これによって房水が目の内部に蓄積し眼圧が上昇、最終的には視神経が圧迫されることで緑内障が発症します。 レーザー虹彩切開術を行うことで、虹彩に新たな排出口が作られ、房水の排出が促進されるため、眼圧の低下が期待できます。この治療は、とくに眼圧の急激な上昇による症状を持つ緑内障患者にとって有効な選択肢となります。

・選択的レーザー線維柱帯形成術
選択的レーザー線維柱帯形成術は、主に原発開放隅角緑内障や正常眼圧緑内障の治療に使用される手法です。この手術の目的は、角膜と虹彩の間に位置するメッシュ状の膜である線維柱帯の目詰まりを解消することにあります。 線維柱帯は通常、房水の排出経路として機能します。しかし、この部分にメラニン色素が蓄積することで目詰まりが発生し、これが眼圧の上昇の原因となることがあります。 この治療では、レーザーを照射して、線維柱帯を詰まらせているメラニン色素に焦点を当て、それを破壊します。これによって線維柱帯の目詰まりを解消し房水の排出が改善され、結果として眼圧が下がります。

手術による治療

緑内障の治療法の中で、とくに進行した症例や他の治療法では効果が得られない場合に選択されるのが観血手術です。レーザー治療よりも高い治療効果が期待できます。 しかし、この手術方法は患者の体に大きな負担を与える可能性があります。また、術後には感染症のリスクが高まるため、注意深い管理とケアが必要となります。これらのリスクを考慮して、多くの場合、手術後は一定期間の入院が必要になることがあります。

・流出路再建術
流出路再建術(線維柱帯切開術、トラベクトーム)は、線維柱帯の目詰まりした部分を切開し、房水の排出路を拡大する手術方法です。 手術後に眼内出血が発生することがあり、これにより一時的に視力が低下することがあります。しかし通常は時間が経過すると出血は収まり、視力も徐々に回復します。 流出路再建術は、観血手術の中では比較的体への負担が少なく、手術時間も短いという特徴があります。治療効果については、他の観血手術に比べて若干低い場合がありますが、とくに若年者の緑内障治療においては高い効果が期待されます。

・濾過手術
濾過手術は、線維柱帯の一部を切り取り、新たな房水の排出路を作ることで緑内障を治療する方法です。この手術は線維柱帯切除術やトラベクレクトミーとも呼ばれ、緑内障手術の中でも広く用いられる代表的な手法の一つです。 濾過手術の最大の利点は、高い治療効果を持ち、ほぼ全ての緑内障タイプに適用可能であることです。しかし、その高い効果により、眼圧が必要以上に低下するリスクも存在します。このため、手術では切除部分を最初は締め付けるように縫合し、房水が過剰に排出されることを防ぎます。 術後は定期的に目の状態をチェックし、縫合部分の調整などのメンテナンスが必要となります。このような継続的なケアが必要なことは、濾過手術のデメリットの一つとされています。それでも、その高い効果は多くの緑内障患者にとって大きなメリットとなり、症状の進行を効果的に抑えることが可能です。

緑内障の予防方法

緑内障の予防方法 緑内障の予防方法について解説します。緑内障の原因が完全に解明されていないため、直接的な予防策はないのが現状です。

有効な予防方法はない

緑内障に特効的な予防法は現在のところ存在しません。緑内障の原因は多岐にわたり、遺伝、強度近視、生活習慣、服薬などさまざまな要因が視神経に影響を与える可能性があるためです。 緑内障の予防のためには、定期的な眼科検診を受けて、早期発見と早期治療に備えることが最も効果的です。緑内障は、一度症状が進行すると治療で改善することは難しいため、初期の段階からの治療が重要です。

・生活習慣を改める
緑内障の予防を考えるうえで、健康的な生活習慣を送ることも大切です。糖尿病や高血圧の予防、良質な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動を心がけ、規則正しい生活を送ることが望ましいとされています。 喫煙は緑内障のリスクを高める要因の一つであるため、禁煙を検討するのも良いでしょう。また、スマートフォンやパソコンの長時間使用には注意し、適宜目を休ませることも大切です。

・青菜類を摂取する
JAMA Ophthalmologyが公開した研究によると、青菜類の摂取量が多い人は原発性開放隅角緑内障のリスクが20%から30%ほど低くなると報告されています。青菜類に含まれる硝酸塩が一酸化窒素の源となり、血流量を増やし血液循環を改善する可能性があるためです。 青菜類にはビタミンや食物繊維などの栄養素も豊富に含まれており、全体的な健康維持に寄与します。緑内障予防に限らず、積極的に摂取すると良いでしょう。

緑内障を早期発見する方法

緑内障を早期発見する方法 緑内障は初期段階で自覚症状がほとんどなく、気づいた時には症状が進行しているケースが多い病気とされています。そのため、緑内障にいち早く気付き適切な処置をすることが緑内障を悪化させないための有効手段といえます。

定期的に緑内障検査を受ける

緑内障の予防と早期発見のためには、何よりも定期的な眼科検診が重要です。40代以上では20人に1人が緑内障に罹患していることが報告されているため、40代からは半年から1年に一度、眼科検診を受けることが推奨されています。 20代・30代の若年層も、もし目の異常を感じた場合は眼科検診を受けることが望ましいです。とくに家族に緑内障の患者がいる場合や、自身が強度近視の場合は緑内障のリスクが高まるため、より注意が必要です。 緑内障は初期段階では自覚症状がほとんどないため、気づいた時にはかなり症状が進行してしまっているケースが多いです。症状が顕著になる前に検査を受けることが、病気の進行を食い止める鍵となります。

緑内障は完治はできない

緑内障は視神経が眼圧によって傷つく病気であり、一度損傷を受けた神経を元に戻すことは不可能です。そのため、失われた視野を取り戻すこともできません。 したがって、早期に発見し、適切に治療を開始することが大切です。進行が早期の段階であれば、治療によって症状がほとんど進まない場合もあります。しかし末期になると、その進行を遅らせることは困難になります。 緑内障の治療においては、長期的な視点で治療計画を立てることが重要です。治療の目的は完治でなく、視野と視力を可能な限り長く保つことにあります。

まとめ

まとめ 緑内障は40代からリスクが高まり、加齢と共に罹患リスクが高まる病気です。とはいえ、20代~30代の若年層でもかかる可能性があります。 一度かかると完治は難しいですが、早期に発見し治療を開始することで視力と視野を長く保つことが可能です。 初期の緑内障は、自覚症状がほとんどないことでも知られています。異変に気づいた時にはすでに病状が進行していることも少なくありません。そのため、定期的に検診を受けることが強く推奨されます。

参考文献

この記事の監修歯科医師
柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

東京大学医学部卒業(1995年 MD)/ 東京大学大学院修了(医学博士 2001年 PhD) / 東京大学医学部眼科学教室講師(2012-2015年) / デューク・シンガポール国立大学医学部准教授(2016年-2020年)/ 旭川医科大学眼科学教室教授(2018年-2020年) / 横浜市立大学 視覚再生外科学 客員教授(2020年-現在) / 専門は黄斑疾患。シンガポールをはじめとした国際的な活動に加え、都内のお花茶 屋眼科での勤務やDeepEyeVision株式会社の取締役を務めるなど、マルチに活躍し ています。また、基礎医学の学術的バックグラウンドを持ち、医療経済研究、創薬、国際共同臨床研究などを行っています。

記事をもっと見る

RELATED

PAGE TOP