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緑内障

緑内障になりやすい人はどんな人?緑内障にならないために出来ることはあるの?

緑内障になりやすい人はどのような特徴があるの? 本記事では、緑内障になりやすい人について以下の点を中心にご紹介します!

  • そもそも緑内障とは
  • 緑内障になりやすい人
  • 緑内障の予防法

緑内障について理解するためにもご参考いただけると幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

そもそも緑内障とは?

そもそも緑内障とは?

緑内障は、視神経という重要な器官に障害が生じる目の疾患です。 この障害により、私たちが周囲を認識する「視野」が次第に狭まってしまいます。特徴的なのは、この病気の進行が非常に緩やかであることです。 多くの場合、病気が進行しても自分自身で気づくことは難しく、実際に症状が現れるまでには長い時間がかかることが多いです。 また、両目で同時に症状が出ることは少なく、片方の目が補完するため、初期段階では自覚症状がほとんど感じられません。 このため、緑内障は「沈黙の盲目症」とも称されることがあります。 特に中高年の方に多く見られる疾患であり、早期発見と治療が重要です。 定期的な眼科検診を受け、早期に対処することで、視力の低下や失明のリスクを大きく減少できます。

緑内障になりやすい人

緑内障になりやすい人

どのような人が緑内障になるのでしょうか? 以下で詳しく見ていきましょう。

40歳以上

緑内障は、年齢が上がるにつれてそのリスクも増加する疾患として知られています。 特に、40歳を過ぎるとその発症の可能性が高まると言われています。 実際、大規模な調査結果によれば、40歳以上の人々の中で約5%が緑内障の兆候を示していることが明らかになっています。 しかしながら、初期段階では症状が軽微であるため、自らが緑内障であることに気付かないことが多いのが現状です。 このような背景を考慮し、40歳を迎えたら、緑内障をはじめとする眼の健康をチェックするための定期的な眼科検診を受けることが強く推奨されています。 年齢とともに変わる目の健康に、しっかりと目を向けることが大切です。

眼圧が高い

眼圧は、目の健康を示す重要な指標の一つです。 一般的に、20mmHgを超える眼圧は、視神経に悪影響を及ぼす可能性があり、緑内障のリスクが高まるとされています。 そのため、自身の眼圧がこの基準を超えている場合は、注意が必要です。 定期的な眼科検診で眼圧をチェックすることで、早期に問題を発見し、適切な治療を受けられるでしょう。 しかし、眼圧だけが緑内障のリスクを示すわけではありません。 実は、正常な眼圧範囲であっても緑内障を発症することが知られています。 これを「正常眼圧緑内障」と呼び、特に日本人にはこのタイプの緑内障が多く見られます。 眼圧だけにとらわれず、全体的な目の健康を考慮することが、緑内障の予防には不可欠です。

血流が悪い・低血圧

血流の健康は、私たちの体全体の機能にとって非常に重要です。 血液は、酸素や栄養を体の各部位に運び、不要な老廃物を排除する役割を果たしています。 しかし、高血圧や低血圧の状態では、この血流が適切に機能しないことがあります。 特に低血圧の場合、心臓のポンプ機能が弱まることで、血液が体の隅々まで届かなくなることが考えられます。 このような血流の不調は、心臓よりも高い位置にある眼や脳に影響を及ぼす可能性があります。 酸素や栄養が十分に供給されない状態が続くと、視神経にダメージを与えるリスクが高まり、緑内障の発症リスクも増加します。 健康な血流を維持することは、緑内障予防の一つの鍵となるのです。

強い近視

特に強い近視を持つ人々は、眼の形状が通常よりも前後に長くなる特徴があります。 このような眼の形状変化は、視神経や血管が適切な位置からずれ、伸びることが考えられます。 この変化が、緑内障のリスクを増加させる要因となると指摘されています。 また、強い近視を持つ人は、緑内障だけでなく、網膜剥離などの眼の疾患のリスクも高まるとされています。

血縁者に緑内障患者がいる

緑内障の発症には遺伝的な要因が影響していることが知られています。 特に、家族内で緑内障の症状を持つ人がいる場合、そのリスクは、高まるとされています。 具体的には、父母や祖父母などの直系の家族が緑内障を持っていると、その家族の中で緑内障を発症する確率が通常よりも4倍から9倍も高くなるとの研究結果が示されています。 このような背景から、家族に緑内障の既往がある方は、特に注意が必要です。

緑内障のリスクが高まる生活習慣

緑内障のリスクが高まる生活習慣

生活習慣が緑内障のリスクを高めることはあるのでしょうか? 以下で詳しく解説していきます。

寝相

私たちの日常の生活習慣や寝る姿勢は、眼の健康に影響を及ぼすことがあります。 特に、眼圧の上昇は緑内障のリスクを高める要因となるため、日常の生活の中での注意点を知ることは大切です。 例えば、枕の高さは眼圧に影響を与える可能性があります。 高い枕を使用すると、心臓から目や脳への血流が制限され、結果として眼圧が上昇するリスクが高まります。 そのため、適切な高さの枕を選ぶことで、安定した血流を保てるでしょう。 また、うつ伏せでの睡眠も眼圧に関連しています。 この姿勢では眼球が圧迫されるため、眼圧が増加し、視神経に過度な負担がかかる可能性があります。 日常生活の中で、特に寝るときの姿勢や枕の選び方に気をつけることで、眼の健康を守る手助けとなるでしょう。 定期的な眼科検診と合わせて、日常の生活習慣にも目を向けることが大切です。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が一時的に途切れる現象を指します。 この状態が続くと、体内の酸素濃度が低下し、特に目や脳が低酸素状態に晒されることがあります。 この結果、眼圧の上昇という問題が生じ、視神経への過度なストレスがかかることが考えられます。 これは、緑内障のリスクを増加させる要因となり得ます。 さらに、睡眠時無呼吸症候群は、単なる睡眠の質の低下だけでなく、心臓疾患や脳卒中などの他の健康問題のリスクも高めることが知られています。 特に、大きないびきや呼吸の一時的な停止が繰り返される場合、この症状の可能性が考えられます。 もし、これらの症状に気づいた場合や、家族や友人から指摘を受けた場合は、早めの医療機関の受診が推奨されます。 適切な治療や生活習慣の見直しにより、健康な睡眠を取り戻し、目の健康も守れるでしょう。

下向き姿勢が長時間

現代社会では、スマートフォンの普及やオフィスワークの増加に伴い、多くの人々が長時間、下を向いた姿勢で過ごすことが増えています。 このような姿勢は、首や頭部の血流を制限し、結果として目の血流も低下させる可能性があります。 目の血流が不足すると、眼圧の上昇という問題が生じることが考えられます。 長時間の下向き姿勢は、緑内障のリスクだけでなく、首や肩の痛み、頭痛などの他の健康問題を引き起こす可能性もあります。 特に、日常的にスマートフォンやコンピュータを使用する人は、定期的に姿勢を正し、休憩を取ることが推奨されます。 健康な目を維持するためには、日常の生活習慣や姿勢に気を付けることが重要です。 適切な姿勢を心がけ、長時間の作業を避けることで、目の健康を守れるでしょう。

喫煙

喫煙は健康に様々な悪影響を及ぼすことが知られていますが、特に目の健康に対する影響は深刻です。 タバコを吸うことで、血管が収縮し、全身の血流が悪化することが確認されています。 この血流の悪化は、眼圧の上昇という形で目にも影響を及ぼす可能性があります。 さらに、喫煙により体内で生成される活性酸素は、目の組織にダメージを与えることが指摘されています。 これにより、目の老化を早めるだけでなく、緑内障や加齢性黄斑変性などの眼疾患のリスクも高まると考えられます。 健康な目を維持するためには、喫煙の習慣を見直すことが重要です。

緑内障の治療方法

緑内障の治療方法

ここでは、緑内障の治療方法について以下で詳しく解説していきます。

薬物療法

緑内障の治療には多様な方法が存在していますが、薬物療法はその中心的な役割を果たしています。 近年、多くの点眼薬が開発され、それぞれ異なる薬効を持つものが患者の状態や緑内障のタイプに合わせて選択されます。 現在、10種類以上の緑内障治療用の点眼薬が市場に出回っており、一つの薬だけでは効果が不十分な場合、複数の薬を組み合わせることもあります。 点眼時の注意として、1回1滴を基本とし、複数の薬を使用する際は、間隔をあけることが推奨されています。 飲み薬も存在しますが、副作用のリスクが伴うため、適切な判断のもとで処方されます。

レーザー治療

緑内障の治療法として、レーザーを用いた治療が注目されています。 この治療法には大きく分けて2つ存在します。 まず、虹彩に特定の部位に孔を開ける方法があります。 これは、眼内の房水の流れを調整し、特に閉塞隅角緑内障の患者さんに有効とされています。 この際、精密なレーザー技術が活用されます。 次に、線維柱帯へのレーザー照射があり、これにより房水の排出が促進されることを目的としています。 この方法は、開放隅角緑内障の一部の患者さんに対して効果的であると報告されています。 レーザー治療の大きなメリットとして、治療時の痛みが少なく、日常の生活を大きく妨げることなく、外来での治療が可能であるとされています。

手術

緑内障の治療には様々な方法がありますが、薬物やレーザー治療だけでは効果が得られない場合、手術が選択されることがあります。 主に、房水の流れを改善するための2つの手法が一般的です。 一つは、房水の流れを外部へ向ける工夫をする方法、もう一つは、線維柱帯を開放して房水の排出をスムーズにする方法です。 さらに、最近では房水の流れを助ける新しい器具の使用も増えてきました。 これらの手術は、症状そのものを改善することよりも、眼圧をコントロールし、緑内障の進行を遅らせることを目的としています。 技術の進化により、手術の成果は向上していますが、合併症のリスクや再手術の可能性も考慮する必要があります。 手術後も、定期的なフォローアップと管理が欠かせません。

緑内障の予防方法

緑内障の予防方法

緑内障は視神経が障害されることで発症する病気で、その原因は多岐にわたります。 遺伝や近視の度合い、生活習慣、あるいは特定の薬の服用など、さまざまな要因が関与するとされています。 緑内障の発症を完全に防ぐ確実な方法は現在のところ存在しません。 効果的な予防策としては、定期的な眼科検診を受けることが挙げられます。 緑内障の治療は、既に進行した視神経の障害を修復するものではなく、さらなる進行を防ぐものです。 そのため、早期発見が緑内障の予防において最も重要となります。 定期的な検診を受け、病気の早期発見・早期治療を心がけることが、緑内障と上手に付き合うための最善の方法と言えるでしょう。

まとめ

まとめ

ここまで緑内障になりやすい人についてお伝えしてきました。 緑内障について要点をまとめると以下の通りです。

  • 緑内障は、視神経という重要な器官に障害が生じる目の疾患
  • 初期段階では、自らが緑内障であることに気付かないことが多い
  • 年齢が上がるにつれて緑内障のリスクも増加する

これらの情報が皆様のお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございます。

この記事の監修歯科医師
柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

東京大学医学部卒業(1995年 MD)/ 東京大学大学院修了(医学博士 2001年 PhD) / 東京大学医学部眼科学教室講師(2012-2015年) / デューク・シンガポール国立大学医学部准教授(2016年-2020年)/ 旭川医科大学眼科学教室教授(2018年-2020年) / 横浜市立大学 視覚再生外科学 客員教授(2020年-現在) / 専門は黄斑疾患。シンガポールをはじめとした国際的な活動に加え、都内のお花茶 屋眼科での勤務やDeepEyeVision株式会社の取締役を務めるなど、マルチに活躍し ています。また、基礎医学の学術的バックグラウンドを持ち、医療経済研究、創薬、国際共同臨床研究などを行っています。

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