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ICL手術後にハローグレアが治らない場合の対処法は?原因と治療法を詳しく解説

ICL手術後にハローグレアが治らない場合の対処法は?原因と治療法を詳しく解説

ICL手術は安全性が高いとされますが、どのような手術にもリスクはゼロではありません。そのなかでも、光がにじんで輪に見えたり、街灯やヘッドライトが眩しく感じるハロー・グレア現象は、術後に経験する方が少なくありません。本記事では、ハローグレアの基礎知識からICL手術との関係、そして治療や対処法まで解説します。

ハローグレアの基礎知識

ハローグレア

ハローグレアとはどのような現象ですか?
ハローグレアは、ハローとグレアに分けることができます。いずれも暗い場所で起こりやすいとされています。光がにじんで見えるのがハローで、光がまぶしくギラギラと見えるのがグレアです。日常生活では、夜間の車のヘッドライトや街灯などに対して光の輪(ハロー)や花火のように光が広がる現象(グレア)として感じます。ハローグレアはICL手術に限ったものではなく、白内障手術後やレーシックなどでも見られることがあります。
ハローグレアが起きたときに気を付けるべきことを教えてください
ハローグレアが起こる術後しばらくは、視界が不安定で眩しさを強く感じることがあります。特に夜間の車の運転には注意が必要です。手術直後は視力もまだ安定していないため、車の運転や工事現場での作業など危険を伴う行動は控えましょう。長距離運転やバス・トラック運転手など夜間運転が多い方は、事前に医師と相談して症状を最小限に抑える方法を決めておくことが重要です。
また、屋外ではサングラスや夜間用の眼鏡を使うと光の眩しさが和らぐ場合があります。何より、ハローグレアによる生活への影響を感じたら早めに眼科に相談し、適切な対策をとることが大切です。
一過性のハローグレアと慢性的なハローグレアの違いを教えてください
多くの場合、ハローグレアは術後の一過性現象として時間とともに改善します。ハロー・グレアは手術後1週間~数ヶ月程度で改善する場合がほとんどであり、徐々に視覚が安定するにつれて気にならなくなります。一方、ごくまれに症状が数ヶ月以上にわたり残る慢性的なケースもあり、この場合は眼内レンズのデザインや度数が関係していることがあります。慢性的に続くと日常生活に支障が出る恐れもあるため、改善が見られないときは専門医と相談し、必要であれば眼内レンズの交換も検討されます。

ICL手術とハローグレアの関係

ICL手術

ICL手術後にハローグレアが起こる原因を教えてください。
ICL手術後のハローグレアは、レンズデザインや眼内での光学的な要因で起こります。まず、ICLレンズには房水循環のための中心孔が開いており、この中心孔による光の屈折変化が光の輪(ハロー)を生じさせることがあります。また、暗い場所で瞳孔が大きくなるとレンズの光学部より瞳孔径が大きくなるため、レンズの周囲から光が入ってきて乱反射が起きます。このような乱反射によって、ハローやグレアと呼ばれる症状が生じるのです。
ICLレンズの光学部は5.5~6.6mm前後ですが、日本人の瞳孔は暗所で約8mmまで広がるため、光学部より大きくなった瞳孔から入った光が目に乱反射を引き起こします。なお、ICLの光学部が広いほどハローグレアが起こりにくいとされ、レンズ設計の違いによって自覚度合いが変わることもあります。
ICL手術後のハローグレアは、放置しても改善しますか?
一般に、ICL手術後のハローグレアは時間とともに軽減することがほとんどです。術後は視力が安定しにくいためハローグレアを強く感じますが、手術後1週間から数ヶ月程度で徐々に安定し、次第に慣れることがほとんどです。実際、術後1週間ほどで視界が安定してくる方が多く、時間の経過とともに違和感が薄れていくのが一般的です。ただし、経過観察が必要な一方で、術後数ヶ月たっても異常な眩しさやハローグレアが改善しない場合は早めに眼科を受診すべきです。症状や原因に応じて、ICLで入れたレンズの交換などを検討します。

ICL手術後にハローグレアが治らない場合の対処法

ハローグレア

ハローグレアで眼科を受診すべき目安を教えてください
ICLでは手術後経過観察を行っていることがほとんどです。しかし、だんだんと診察の間隔が開いていくため、症状が強くなる場合は早めに受診する必要があります。特に、次のような場合は早めに受診するようにしましょう。
  • 術後3ヶ月以上経ってもハローグレアが消えず、日常生活に支障がある場合
  • 夜間運転などで特に光のにじみ・眩しさが問題になる場合
  • 光の輪が強く感じられ、視力も低下した気がする場合

例えば「手術から数ヶ月経っても眩しさや違和感が続く」「光が耐えられないほど眩しい」と感じるときは、ICL手術を担当した眼科や専門医に相談しましょう。

ハローグレアの治療法を教えてください
ハローグレアに対する点眼薬があるわけではなく、対症療法が中心です。まずは生活面での工夫として、眩しいときは夜間用遮光眼鏡や色付きレンズを使用し、光の入り込みを軽減します。光を遮る眼鏡は使用前に必ず試し、暗くなりすぎないように調整しましょう。
また、眼科ではドライアイや炎症をチェックし、必要に応じて人工涙液点眼などで角膜を保護します。場合によっては瞳孔をわずかに縮小させる点眼薬を処方し、レンズ外縁からの光の入り込みを減らすこともあります。時間経過で症状が落ち着くことが多いですが、まれにレンズ交換の適応と判断されることもあります。
ICL手術後にハローグレアがなかなか治らない場合はどうすればよいですか?
改善が見られない場合は、手術を行った眼科で精密検査を受けてください。眼圧や眼底を含めた眼全体の検査を行い、ICLの位置や前房の深さを確認します。必要があればレンズの度数やサイズを再検討し、過矯正があれば修正します。特に症状が強い場合はレンズ交換も検討されることがあります。また、手術で得られた視力を活かしながら生活できるよう、カウンセリングを受けて、目を休ませる時間を増やしたり、運転のタイミングを考慮したりすることも有効です。何よりも、術後の定期検診をきちんと受けておくことが大切です。定期検診で異常が見つかれば早期対応が可能になり、重症化を防ぐことができます。

編集部まとめ

まとめ

ICL手術後のハローグレアは、ICLの特徴でもある広い光学部や中心孔によって生じる光学的な合併症ですが、多くの場合は一時的なものです。日常生活に支障があるほど症状が強い場合には、夜間専用の遮光眼鏡などを使うことで光のまぶしさを軽減できます。しかし、ハロー・グレアが長引くようなら自己判断せず早めに眼科を受診しましょう。また、定期検診を怠らず、何か気になる症状があればすぐ相談することが、ハロー・グレアを含め術後の不安解消につながります。

参考文献

この記事の監修歯科医師
栗原 大智医師(眼科医)

栗原 大智医師(眼科医)

2017年、横浜市立大学医学部卒業。済生会横浜市南部病院にて初期研修修了。2019年、横浜市立大学眼科学教室に入局。日々の診察の傍らライターとしても活動しており、m3や日経メディカルなどでも連載中。「視界の質=Quality of vision(QOV)」を下げないため、診察はもちろん、SNSなどを通じて眼科関連の情報発信の重要性を感じ、日々情報発信にも努めている。 / 資格:日本眼科学会専門医

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