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ICL手術を受けるとドライアイになる?ICLの関係性と合併症について解説

ICL手術を受けるとドライアイになる?ICLの関係性と合併症について解説

ICL手術は、安全性の高い視力矯正手術として近年注目を集めている視力矯正手術です。ICL手術は、ドライアイとの関連性が噂されることも耳にします。ドライアイとICL手術について、それぞれどのようなものなのかを解説します。また、「ICL手術を受けるとドライアイになる」という話は本当なのか。ドライアイとICLの関係性や、ICL手術における合併症についても知っていきましょう。

ドライアイの概要

ドライアイの概要

日本でも多くの人が悩まされているドライアイとは、どのような病気なのでしょうか。ドライアイの主な症状やドライアイの原因を解説します。まずはドライアイとは何かを知っていきましょう。

ドライアイについて

ドライアイとは、涙の分泌量の減少や涙の質が低下することによって、目の乾き、目の疲れ、目がかすむといった症状が現れる目の病気です。エアコンの使用、スマートフォンやパソコンの普及などの影響でドライアイになる人も多く、患者数は2,200万人にも及ぶといわれています。

ドライアイの主な症状

ドライアイの主な症状としては、目が疲れやすい、目が乾いた感じがする、目が痛い、目がゴロゴロするなどの異物感がある、目が赤くなりやすい、目やにが出る、物がかすんで見える、光を眩しく感じやすい、理由がないのに涙が出る、目が重たい感じがする、何となく目に不快感がある、目がかゆいなど。このなかに5つ以上当てはまる症状がある場合はドライアイが疑われます。

ドライアイの原因

ドライアイの原因として、以下のものが挙げられます。 ・涙の量が少なくなる 涙はムチン層、涙液層、油層の3つの層で構成されています。このうち涙液層の異常によって起こるドライアイを、涙液減少型ドライアイといいます。涙の量が少なくなる涙液減少型ドライアイの原因は、加齢、食生活、ストレス、薬の副作用などさまざまです。   ・涙の質が悪くなる 涙の質が悪いことが原因のドライアイは、蒸発亢進型ドライアイといいます。涙の量は十分でも、涙の蒸発を防ぐ油層に異常が生じることでドライアイが起きてしまうタイプです。蒸発亢進型のドライアイの80%以上はマイボーム腺機能不全が原因だと考えられています。マイボーム腺とは、涙の蒸発を防ぐ油層を分泌している皮脂腺のこと。分泌機能が低下する理由は、加齢のほかにも、汚れやアイメイクによってマイボーム腺が詰まることが挙げられます。

ICL手術とは

ICL手術とは

ICL手術とは、目のなかに小さなレンズを埋め込んで、視力を矯正する手術のことです。角膜を削らない、新しい視力矯正手術として注目を集めるICL手術とはどのようなものなのでしょうか。

ICL手術とは

ICL手術は、近視や遠視、乱視の治療を目的とした小さなレンズを埋め込む手術であり、眼内コンタクトレンズとも呼ばれています。角膜を削るレーシック手術とは異なり、ICL手術ではレンズを水晶体の前に挿入することで裸眼視力を改善します。

ICL手術のメリット・デメリット

ICL手術のメリットとしては、角膜を削らない治療であるため、手術の適用範囲が広いことが挙げられます。角膜の厚さに左右されないので、レーシック手術ができない方でもICL手術なら受けられることがあるのも特徴です。また、安全性の高さも大きなメリットといえるでしょう。万が一トラブルなどが生じた際には、レンズを取り出すことで元の状態に戻すことも可能です。ICL手術ではコンタクトレンズを眼内に挿入してしまうため、日々のお手入れも必要ありません。 また、眼内コンタクトレンズの種類が幅広いのもポイントです。強度近視や遠視など、さまざまなタイプに対応することができます。 一方でデメリットとしては、まずは治療費が高額であることが挙げられます。ICL手術は保険が適用されない自由診療であるため、治療費はレーシック手術などに比べて高くなります。 また、それぞれに適したレンズを使用できる一方で、希望のレンズを取り寄せるのに時間がかかることがあります。1ヵ月程度準備期間がかかることもありますので、事前にクリニックに確認しておくとよいでしょう。

ICL手術の費用相場

ICL手術の費用相場は、両目で45万円から80万円です。ICL手術は自由診療であるため、クリニックによって費用設定にはかなり開きがあり、レンズの種類によっても価格が異なります。高額な費用がかかるICL手術ですが、長い目で見ればコンタクトを継続して使用するよりも安くなる場合もあります。コスト面だけでなく、得られるメリットを考えて手術を行うか選択することをおすすめします。 なお、ICL手術費用の内訳としては、手術代とレンズ代のほか、ICL手術前に行う検査代、点眼薬などの薬代、定期検診代、保護メガネ代、アフターフォロー代があります。ただし、これらすべてが含まれた、トータルの費用を提示してくれるクリニックばかりではありません。安い金額だと思っていたら、別途費用を請求されてしまうケースも見られます。費用を確認するときには、必ず内訳にも目を通しておきましょう。 ICL手術の費用は高額ですが、ICLは公的保険対象の治療ではないため、高額療養費制度の対象外です。ただし、医療費控除の対象にはなりますので、メリットを受けるためにも確定申告では忘れずに申告しましょう。

ICL手術を受けられる人と受けられない人

ICL手術を受けられる人と受けられない人

ICL手術は安全性が高い手術ではありますが、受けられる人は限られるのでしょうか。ICL手術を受けられる人と受けられない人について解説します。

ICL手術を受けられる年齢

ICL手術には年齢制限があり、18歳未満の人は手術を受けることができません。年齢が若い方の場合は、近視の度数が変動しやすくなります。また、大人と比べて視力が安定しないこともあるため、18歳以下の人は術後に視力が変動する可能性があり、基本的にはICL治療を受けることができません。なお、場合によっては18歳未満の人でも受けることはできますが、手術を受ける際には保護者の同意が必要となります。 また、老眼が始まっている、または近い将来に老眼になる可能性がある40歳以上の人も、治療には慎重になった方がよいでしょう。老眼になると手元を見るときのピント合わせがうまくできなくなるため、ICL手術を受けても満足のいく見え方にならない可能性もあります。特に40歳以上の人は、老眼による見え方の変化が起きる可能性を考慮したうえで、ICL手術を検討することをおすすめします。

ICL手術を受けられる条件

ICL手術を受けられる条件としては、近視度数が-6.00D以上の強度近視であること。-3.00D~-6.00Dの中等度近視、また-15.00D以上の最強度近視の場合は慎重に実施する必要があります。なお、乱視は4.5D以内であることが条件です。 このほか、重篤な全身疾患や目の病気がない人、妊娠・授乳中ではない人も手術を受けることができます。 条件についてはあくまで目安です。実際に手術を受けられるかどうかは個人の症状や状況によっても異なりますので、手術が受けられるかどうかを確認したい場合は、病院で検査を受けましょう。

ICL手術が受けられない条件

ICL手術が受けられない条件としては、近視がまだ進んでいる場合があります。少なくとも1年以上視力が安定している人でないと、ICL手術は受けることができません。 また、角膜の裏側から水晶体までの距離である前房深度が2.8mmより浅い人、進行性の円錐角膜の人、目の病気を持っている人、傷の治りに影響するような疾患を持っている人、妊娠・授乳中の人もICL手術は受けられませんので注意しましょう。

ICL手術とドライアイの関係性

ICL手術とドライアイの関係性

「ICLはドライアイになりやすい」または「ICLはドライアイになりにくい」など、ICL手術とドライアイの関係性については、相反するような内容の噂が多く流れています。ICL手術とドライアイの実際の関係性について解説します。

ICL手術によってドライアイになる可能性

ICL手術が原因でドライアイになる、またはドライアイが悪化する可能性はありません。ICL手術では角膜を切開することになりますが、傷口がとても小さいため、涙の分泌量や質にはあまり影響しないと考えられています。ICL手術後は一時的に乾燥感が生じる場合もありますが、これは手術の影響によるものでドライアイになったわけではありません。必要に応じて処方された点眼薬を使用することで、乾燥感は軽減されるでしょう。 一方で、ドライアイがICL手術によって改善することもありません。ICL手術は涙の分泌量が増える治療ではないため、ドライアイがよくなるこ伴いでしょう。ただし、コンタクトレンズの使用が原因でドライアイが起きていた場合は、ICL手術後にコンタクトレンズの使用をやめることで、ドライアイ症状が改善する可能性もあります。

ICL手術はドライアイでも受けられる?

ドライアイでもICL手術を受けることは可能です。手術によってドライアイが悪化するこ伴いと考えられています。ただし、点眼治療では治療できない重度のドライアイの場合は、ICL手術の適用判断は慎重に行う必要があります。重度のドライアイの場合は、事前に医師に相談しましょう。

ICL手術でドライアイ以外に注意すべき合併症

ICL手術でドライアイ以外に注意すべき合併症

ICL手術は安全性の高い治療ではありますが、手術である以上いくつかのリスクもあります。ドライアイ以外に注意すべき合併症などを知っておきましょう。リスクを理解したうえで治療を検討することをおすすめします。

グレア・ハロー

グレアとは、暗い所で光を見たときに、眩しく感じて見えにくくなる現象です。ハローは、同じく暗い所で光を見ると、光の周囲に光のリングが見えるような現象のこと。これは光の散乱や反射によって起きるもので、ICL手術では特にハロー現象が多く見られます。これらの症状は数週間から数ヵ月で改善されることがほとんどですが、手術後しばらくは、夜間の運転などに注意が必要です。

感染症

ごく稀にではありますが、ICL手術後に感染症が起きる可能性もあります。手術後一定の期間は、洗顔や洗髪を控えるなど、感染症に気を付けながら生活する必要があります。特に眼内炎を起こした場合は、ICLの摘出が必要になる場合もありますので注意が必要です。ICL手術を行う場合には眼科医の指示にしたがって、適切に予防や感染対策を行いましょう。

白内障

白内障は水晶体が白く濁ってしまい、視力低下などの症状が生じる病気です。主な原因としては加齢や糖尿病などがあります。ICL手術では水晶体の近くにレンズを挿入するため、稀に手術後に白内障が起こるケースがあります。近年ではICLの進化によって発生確率はかなり下がっていますが、あらかじめ留意しておきましょう。 また、ICL手術後に加齢とは別の要因で白内障になった場合は、ICLを取り出すことで、通常の白内障手術と同様の手術が問題なく行えます

緑内障

ICL手術後は一時的に眼圧があがる可能性があります。ただし、ICL手術をしたからといって、緑内障のリスクがあがることはありません。ただし、手術前から緑内障を患っている場合は、視野欠損が悪化する可能性があるので、ICL手術を受けるかどうかは慎重に考える必要があります。

矯正ICLの回転

ICLは手術後に眼内で回転してしまうことがあります。乱視矯正がない場合は回転しても問題ありません。しかし乱視矯正ICLの場合は、回転によって乱視矯正効果が弱くなってしまいます。もしICLの回転が起きてしまった場合は、ICLの位置をもとに戻す整復術が行われます。何度も回転してしまう場合は、ICLのサイズを大きくすることで回転しづらくする方法もあります。

ICLの脱臼

手術後に目を打撲した場合、その衝撃でICLが外れてしまうことがあります。脱臼が起きた場合には、速やかに整復手術を行う必要があるので、できるだけ早く眼科を受診しましょう。ICLが外れていない場合でも、目を強く打った場合には診察を受けることをおすすめします。

過矯正・眼精疲労

過矯正とは、視力を矯正しすぎてしまった状態のことです。度数が強すぎる、遠視になる度数のICLが入ってしまった場合は、眼精疲労や頭痛、吐き気の症状が起きることがあります。過矯正の状態になった場合は、ICLの交換手術によって適正な度数に変更することができます。 眼精疲労はICL手術が直接の原因にはなりません。ただし、過矯正の場合や元から眼精疲労になりやすい人は、手術後も眼精疲労が起きる可能性があります。見え方などをよくチェックしたうえで、ICLの度数を調整していきましょう。

まとめ

ICL手術を行ったとしても、ドライアイへの影響はありません。ドライアイに罹患していてもICLの手術は可能です。なお、ドライアイの原因がコンタクトの場合は、ICLでコンタクトを使用しなくなることで、ドライアイ症状が軽くなる可能性もあるでしょう。 ICL手術にはさまざまな特徴があります。特に強い近視の人やレーシックでは治療できない人にはおすすめの治療法です。一方で、自由診療のため費用が高額になる点には注意が必要です。また、稀ではありますが、合併症のリスクもあります。ICLのメリットやデメリットを理解したうえで治療を検討しましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
柿崎 寛子医師(Vista medical center Shenzhen)

柿崎 寛子医師(Vista medical center Shenzhen)

三重大学医学部卒業 / 現在はVISTA medical center shenzhen 勤務 / 専門は眼科

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