近視の進行は25歳前後で安定する傾向にあるため、レーシック手術後に再び近視が進むことは稀とされています。ただし、なかにはいくつかの理由で手術後に新たな近視が発生したり、近視が戻るケースもあるようです。
本記事ではレーシックの後戻りについて以下の点を中心にご紹介します。
- レーシック手術について
- レーシックで後戻りする原因
- レーシック手術後に気を付けること
レーシックの後戻りについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。
レーシックとは
- レーシックとはどのような手術ですか?
- レーシックとは、角膜の形状を調整することで屈折異常を矯正し、視力を回復させる屈折矯正手術です。
手術では、まず角膜表面にフラップと呼ばれる蓋を作り、それをめくって角膜の中央部を露出させます。
次に、レーザーを使用して角膜を削り、カーブを変えることで近視、遠視、乱視を矯正します。
手術は点眼麻酔を用いて行われ、両眼で10〜20分程度と短時間で終了します。術後すぐに視力が改善し、翌日から日常生活に戻れるとされています。レーシックの利点には、眼鏡やコンタクトレンズが不要になることで生活が快適になる可能性や、術後の回復が早く、痛みを感じにくい点が挙げられます。
一方で、レーシックは角膜を削る手術であるため不可逆的であり、角膜が薄い方や形状に異常がある方、強度近視の方などは適応外となる場合があります。
また、18歳未満の方や、老眼がある方、糖尿病や膠原病などの全身性の病気がある方なども対象外です。このように、レーシックには多くのメリットがある一方で、手術を受けられる条件やリスクも伴います。事前に検査を受け、医師と十分に相談することが重要です。
- レーシックはどのような症状に効果がありますか?
- レーシック手術は、近視、遠視、乱視などの屈折異常を矯正するために行われる視力回復手術です。
これにより、眼鏡やコンタクトレンズを使用せずに、視力の向上が期待できます。
近視に加えて遠視や乱視を併発している場合でも、同時に施術を受けられます。
術後は、裸眼で物がはっきり見える状態を実現でき、手術翌日には裸眼で1.0以上の視力を得られるようです。ただし、白内障や老眼のような加齢による視力低下(老眼)には対応できません。これらの場合には別の手術が必要となります。
適応症状やリスクについては、医師と十分に相談することが大切です。
- レーシックの効果はどのくらい持続しますか?
- レーシック手術による視力矯正の効果は基本的に持続するものとされていますが、稀に近視の後戻りが起こる可能性があります。
術後約1年以内や約5〜10年の間に視力が少し低下するケースがあるようで、全体の約5%の方に見られるとされています。この場合、必要に応じて再手術で微調整を行います。ただし、削った角膜を元の状態に戻すことはできません。また、約45歳以上になると老眼が進行するため、遠くの視力を矯正すると近くが見えづらくなることもあります。そのため、年齢やライフスタイルに応じた矯正計画が重要です。
術前に医師と相談し、長期的な視力管理についても考慮しておくと安心でしょう。
レーシック手術後の視力の後戻りについて
- レーシック手術後に視力が後戻りしてしまう原因を教えてください
- レーシック手術後に視力が後戻りしてしまう主な原因は、手術で薄くなった角膜に眼球内で圧がかかり、角膜のカーブが強くなることで近視が再発するためとされています。なかでも高度近視だった方は、戻りが強く出やすい傾向にあります。
レーシック手術後の後戻りは、約5〜10年の間に約4〜5%の確率で発生するといわれています。さらに、近視の後戻りのリスクを高める要因として、近くの物ばかりを見る生活習慣や作業環境が挙げられます。これを防ぐためには、適切な視距離を保つなど、日常的なケアが重要です。
また、術後のドライアイも一時的に視力低下を引き起こす可能性があるため、点眼薬の使用など適切な対処が必要です。術後のケアを怠らず、定期的に眼科で診察を受けることが視力維持のポイントとなるでしょう。
- レーシック手術後の視力の後戻りを予防する方法はありますか?
- レーシック手術後の視力の後戻りを予防するには、生活習慣の見直しが重要です。
近視の進行は通常20代半ばで止まるため、手術後にさらに近視が進むことは稀とされていますが、デスクワークやスマートフォンの操作など、近くを見る時間が長いと新たな近視が発生する場合があります。これは目が環境に適応しようとするためです。レーシック手術後の後戻り予防のためには、近くを見続けないことが大切です。パソコンや読書の際には、約30〜60分ごとに休憩を取り、遠くを見る習慣をつけましょう。また、2時間に1回は10〜15分ほど目を休めるといいでしょう。遠くを見ることで目の緊張がほぐれやすくなります。
術後も視力を維持するために、目のケアを意識した生活を心がけ、定期的に眼科で検診を受けることをおすすめします。視力を守る小さな習慣の継続が大切です。
レーシック手術後の生活について
- レーシック手術後はいつから仕事ができますか?
- レーシック手術後の仕事再開時期は、仕事内容によって異なります。
デスクワークの場合、手術翌日から可能とされていますが、目の状態が安定していない場合は無理をせず、2〜3日程度の休養を取ることが推奨されます。
屋外作業や肉体労働の場合は、目を保護するため3日間程度休むことが望ましいです。また、手術当日は視力が不安定なため、車やバイク、自転車の運転は控えましょう。運転再開は翌日以降が目安ですが、視力が安定するまでは注意が必要です。
スポーツについては、軽い運動であれば約1週間後から、激しい運動は約1ヶ月後が再開の目安です。術後の生活や運動、具体的な仕事復帰のタイミングについては、担当の医師によく相談しながら進めることをおすすめします。
適切な休養を取り、目を大切にすることで術後の視力の維持につながります。
- レーシック手術後の生活で気を付けることはありますか?
- レーシック手術後は目の切開部分が完全に治癒していないため、生活のなかでいくつか注意が必要です。
手術当日の入浴は、肩から下のみのシャワーであれば可能とされています。顔は目の周りを避けて濡れタオルで拭く程度にしましょう。洗髪や洗顔は翌日の検診後から再開できますが、目に水が入らないよう注意してください。
また、アイメイクやファンデーションは術後約1週間は控え、軽いメイクは翌日以降に目元を避けて行いましょう。
激しいスポーツや水泳は約1ヶ月後から、軽い運動やジョギングは約2週間後からが目安です。
さらに、手術後約3日間は車やバイクの運転を避けましょう。特に夜間の運転は注意が必要です。視力の安定と目の健康を守るため、術後の注意事項を守りながら生活を送ることが重要です。定期検診も受け、いずれの場合も医師の指示をしっかりと確認してください。
編集部まとめ
ここまでレーシックの後戻りについてお伝えしてきました。
要点をまとめると以下のとおりです。
- レーシックとは、角膜の形状を調整することで屈折異常を矯正し、視力を回復させる屈折矯正手術である。レーシック手術による視力矯正の効果は基本的に持続するものとされているが、稀に近視の後戻りが起こる可能性がある
- レーシック手術後に視力が後戻りしてしまう主な原因は、手術で薄くなった角膜に眼球内で圧がかかることで近視が再発するためとされており、高度近視だった方は、戻りが強く出やすい傾向にある
- レーシック手術後は、仕事内容にもよるが2〜3日の休養を取り、視力が安定するまでは車などの運転は控える必要がある。激しいスポーツは約1ヶ月後から、軽い運動は約2週間後からが目安
レーシック手術の後戻りを防ぐためにも、手術前後は医師の指示とおり安静に過ごすことが大切です。術後の近視再発や後遺症の可能性など不安な点があれば、検査や問診の際に、医師に納得いくまで相談することが大切です。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。