眼の視力を少しでも変えようと思い、レーシックの治療を考えている人は少なくないのではないでしょうか。
レーシック治療は視力回復に効果のある治療方法ではありますが、治療を終えた後にドライアイになる可能性もあります。
症状には個人差がありまったくならない場合もありますが、ドライアイの症状や治療法には一体どのようなものがあるのでしょうか。
今回はレーシック手術後に起こるドライアイの原因や症状やリスク、注意点を解説するので、もし今後レーシック手術をしようと考えている方はぜひ参考にしてください。
レーシック手術後とドライアイの関係
- レーシック手術とはどのような治療ですか?
- レーシック手術とは、レーザーを角膜に照射して、近視や乱視などから視力を回復させる治療です。
レーザーで角膜の位置を修正して屈折の異常が改善されて、視力が回復し眼鏡やコンタクトレンズを使わないくらいに回復可能です。
まずレーザーを角膜に当てる前に、フラップと呼ばれる角膜の表面部分を切り取り作成する蓋を角膜の表面に被せて、手術の傷を保護します。手術前に点眼麻酔もするので、レーザーを照射しても痛みを感じることはなく、さらにフラップを被せるので痛みはほとんど感じません。
眼鏡やコンタクトを使うのは大変なので、裸眼で生活できるようになりたいと思ったなら、ぜひ一度専門の眼科医にご相談ください。
- レーシック手術の流れを教えてください。
- レーシック手術は、入院する必要がなく、日帰りで手術が可能です。手術の時間は患者さんによって異なりますが、大体10分で終了します。
手術前には、点眼による麻酔を行うので、手術当日に病院にいるのは短くて1時間30分〜2時間です。レーシック治療をお考えの方はそのつもりで計画を立てるようにしましょう。
レーシック手術の前には、手術をするのが適切かどうかを確かめる適応検査を受ける必要があります。手術に対して眼が適応できる状態なのかなど、術後の見え方をシミュレーションするので、眼の状況を事前に知ることが可能です。
手術の不安や、術後の見え具合を気軽に相談できるので、手術前にお気軽に相談してみてください。
- レーシック手術後はドライアイになりやすいですか?
- レーシックの手術後は、角膜の神経の一部分が切断されることで、ドライアイを発症する場合があります。ただ、手術を受けたすべての方がドライアイになるわけではなく、手術後にドライアイを発症するのはごくまれです。
症状に関しては、術後すぐに完治する場合や症状が長く続く場合など、人によって異なります。
なお手術前には、術後にドライアイになりやすいかどうかの検査を行うので、自分自身のドライアイの症状がどのようなものなのかを知ることが可能です。
手術自体は簡単で短時間で終了しますが、もし術後にドライアイになったときの対策や治療期間なども、前もって医師に相談するようにしましょう。
- レーシック手術でドライアイになる原因を教えてください。
- レーシック手術でドライアイになる原因は、治療中一時的に視神経を損傷させることで涙が出にくくなるためです。
レーシック治療では、角膜のカーブを微調整して見え方を正常化させます。手術前にはドライアイになりやすい眼かどうかを検査し、涙が正常かどうかなどを入念に検査するので、検査結果や治療のリスクなどはしっかり確認するようにしましょう。
- レーシック手術によるドライアイはどのくらい続きますか?
- レーシック手術によるドライアイの症状は、多くは一時的です。症状には短期的と長期的な症状があり、短期的な症状は術後1週間から2週間の間で、朝目が覚めると強いドライアイを感じる場合があります。
医師からはドライアイの症状を緩和させる点眼薬が処方されるので、治療中は忘れないように使用してください。
長期的な症状は完治までは個人差がありますが、症状が完全に完治するには半年から1年近くかかるので、レーシック治療を考えている方はそのことを前提に置いておきましょう。なお元々ドライアイの症状がある状態で手術をするときには、治りにくい場合があります。
- もともとドライアイの人はレーシック手術を受けない方がよいですか?
- ドライアイの症状がある方でも、レーシック手術を受けることができます。ただし、ドライアイの症状が極度に強い場合はレーシック手術を受けられない場合があるので注意しましょう。
レーシック手術をする前には適性検査を行うので、その時点でレーシック手術が可能か不可能かがわかります。ただドライアイの症状がなくても角膜の形状や厚みが手術に適していない場合には、手術を受けることができません。
また糖尿病など基礎疾患を持っている方や、白内障や緑内障といった眼の病気を持つ方もレーシック手術を受けることができませんので、気をつけましょう。
レーシック手術によるドライアイの症状・リスク
- レーシック手術後のドライアイの症状を教えてください。
- レーシックの手術後には、人によって一時的にドライアイの症状が起こります。ドライアイの症状は、角膜の知覚神経が一時的に遮断されてしまうことで起きるので、点眼などの治療をして回復をさせるのが一般的です。
症状は一時的なものではありますが、完全に回復するまでには1年程かかります。
なお手術前には、事前に角膜の状態を検査で確かめることで、ドライアイが起こりやすい状態かどうかを確認します。眼科では手術前に、ドライアイが起こったときの対処法を解説するので、気になる方はお気軽に相談してください。
- レーシック手術で起こりうるドライアイ以外のリスクを教えてください。
- レーシック手術で起こるドライアイ以外のリスクには、光を見てまぶしく感じるグレアハローや、感染症があります。
グレアハローとは、暗いところで光を見たときに、まぶしく見えたり光の輪が見える症状です。症状には個人差がありますが、角膜の状態が安定してくる術後3ヵ月後から改善されてきます。
またレーシック手術には、角膜に感染症を起こしてしまうリスクもあり、酷くなると角膜の移植が必要になる危険な状態です。
ただレーシック手術で感染症になる確率はかなり低いので、必要以上に恐れることはありません。もしレーシック手術後に感染症が発生したら、速やかに適切な治療を行うようにしましょう。
レーシック手術によるドライアイの治療法や注意点
- レーシック手術後のドライアイの治療法を教えてください。
- レーシック手術後にドライアイの症状が現れた場合は、点眼治療をする必要があります。
ほとんどのドライアイの症状に関しては、術後1週間から2週間で完治するので、過度に恐れる必要はありません。
ただし、ごくまれに点眼治療を続けても、強いドライアイの症状が続くこともあります。その場合は、ドライアイ治療で使用される涙点プラグの治療や、眼軟膏といった薬を使用して症状の改善につとめましょう。
もし改善しない場合は、血清から作った点眼液を使用します。
- ドライアイになった場合の日常生活の注意点を教えてください。
- ドライアイになると、日常生活において正常な眼のときよりも眼が疲れることが多くなります。なのでパソコンやスマートフォンを使用する際は、長時間見続けずに適度に休憩をとるようにしましょう。
また蒸しタオルで適度に眼を温めるようにしたり、加湿器を使用して部屋の湿度を上げるのも効果的です。このように、日常生活でちょっとした対策を行えば、症状の改善ができます。
編集部まとめ
今回の記事では、視力回復のためのレーシック治療の後に起こるドライアイになる原因や、治療法を解説してきました。
レーシック手術は視力を回復させるのに有効な治療で、視力が悪く、裸眼で生活できるようになりたいと思っている人にとっては魅力的な治療です。
しかし、レーシック治療で視神経を傷つけることによって、涙が出にくくなりドライアイになってしまうことがごくまれにあります。
ただドライアイの治療後の状態には個人差があって、ドライアイにならない場合が多いです。
レーシックの治療をした後にドライアイを発症したときは、点眼治療をして症状を落ち着かせることが可能です。
もしレーシック治療後にドライアイが気になったら、速やかに治療をした眼科医で診療を受けてください。
参考文献