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レーシックの手術方法とは?手術の流れと手術後の注意点を併せて解説します

レーシックの手術方法とは?手術の流れと手術後の注意点を併せて解説します

近視、遠視、乱視の悩みを抱えている方にとって、レーシックは視力矯正の選択肢としてますます注目されています。メガネやコンタクトレンズから解放され、快適な視界を手に入れたい方は多いのではないでしょうか。
しかし、レーシック手術を受ける前に、手術方法や流れ、術後の注意点について理解しておくことが重要です。

本記事では、レーシック手術に関する疑問を取り除き、疑問がない状態で手術を受けられるよう、詳細に解説します。

  • レーシック手術方法について
  • レーシック手術当日の流れ
  • レーシック手術後の注意点

ぜひ最後までお読みください。

レーシックとは?

レーシックとは?

レーシック(LASIK)は、近視、遠視、および乱視を矯正するためのレーザー眼科手術です。この手術は、角膜の形状を変更して、光が網膜上に正しく焦点を合わせるようにすることで視力を改善します。スムーズに進めば、手術は両眼で約20分で終了します。
また、レーシック以外にも目の矯正を行うためのレーザー手術はいくつかあります。ぜひ参考にしてください。

  • PRK(光学的角膜切除術):角膜の表面を直接削ることで視力を矯正します。角膜が薄い患者さんや、レーシックが適さない、なかでもスポーツ選手など、フラップが不安定になるリスクがある場合に適応されます。
  • LASEK(レーザー上皮角膜下角膜切除術):PRKに似ていますが、角膜上皮をアルコールでやわらかくしてから剥離し、レーザーを照射する方法です。角膜が薄いか、形状が不規則な患者さんに適応されます。眼球が大きい場合や眼の表面に問題がある場合にも適応されます。
  • SMILE(小切開角膜透過レーザー):角膜の内部をレーザーで削り取り、小さな切開部から取り出すことで視力を矯正します。中等度の近視や乱視の矯正に適応され、角膜が厚く、フラップ作成を避けたい患者さんにおすすめです。

レーシック手術の適応条件

レーシック手術の適応条件

レーシック手術の適応条件には、いくつかの要素が考慮されます。
まず、レーシック手術は18歳以上の成人を対象としており、視力が数年間安定していることが求められます。
また、近視の場合は屈折値(近視の強さ)が-0.50D~-12.00Dの範囲内で行われますが、-10.00Dを超える強度近視では手術が適さないこともあります。 遠視は+0.50D~+4.00Dの範囲で、乱視は6.00Dまでの矯正が可能とされています。

そのほかにも、手術の適応を決定する際には患者さんの眼の健康状態も重要となります。 角膜の厚さや眼の健康状態が適切であるかが必要となり、角膜が薄すぎる場合や、角膜の異常、緑内障、白内障などの眼疾患がある場合は手術を行えません。

さらに、全身の健康状態も考慮され、重度の全身疾患がある場合や、糖尿病が安定していない場合には手術が適応外となります。 妊娠中や授乳中の女性も、ホルモンの変動により視力が不安定になるため、手術の対象外です。

レーシック手術方法について

レーシック手術方法について

レーシック手術は、レーザーを角膜に照射して光の屈折力を調節し、近視・遠視・乱視を矯正する日帰りの眼科手術です。
手術の主な手順は以下のとおりです。

  1. 点眼麻酔を行います
  2. レーザーを照射し、角膜の一部にフラップと呼ばれる蓋を作ります
  3. フラップをめくって露出した角膜の内部にレーザーを照射し、角膜を削っていきます。レーザーで角膜のカーブを調整し、屈折異常を修正します
  4. 洗浄後、フラップを元に戻します
  5. フラップが自然に癒着するまで数分待ちます

手術は約20分で完了し、手術直後から視力が回復し始めます。

レーシック手術前の適応検査

レーシック手術前の適応検査

レーシック手術を受ける前には、患者さんの目が手術に適しているかどうかを詳しく調べるために、いくつかの適応検査が行われます。

検査項目を挙げると、3Dマッピングを含む角膜トポグラフィ、屈折力測定、波面収差検査を通じて視覚異常を特定します。 さらに、眼圧測定で緑内障のリスクを調べ、眼底検査により網膜の健康状態をチェックします。

また、レーシック手術では角膜を削るため、角膜の厚さを正確に測定し、手術に必要な十分な厚さがあることを確認する必要があります。 乾燥眼の検査も重要で、手術が乾燥眼を悪化させる可能性があるため、そのリスクをチェックします。

検査を受ける前には、コンタクトレンズを数週間前から外し、手術当日は化粧を避けるなどの準備が求められます。

これらの検査には数時間かかることがあり、結果に基づいて手術が適切かどうかの最終的な判断が下されます。 すべての条件が揃えば、手術日が決定され、手術に向けた具体的な準備が進められます。

レーシック手術当日の流れ

レーシック手術当日の流れ

以下からは、レーシック手術当日の流れを一つずつみていきましょう。

①点眼麻酔

手術直前に患者さんが横になった状態で、手術する目に麻酔薬を数回点眼します。 この点眼麻酔は、目薬のように目の表面だけを麻酔するものです。針を使用しないため患者さんへの負担や感染リスクが少なく、迅速かつ広範囲に作用します。しかし、目に一時的な刺激や燃焼感を引き起こすことがあります。
また、まれではありますが、手術中に不快感を感じたり、アレルギー反応を示したりする患者さんもいるようです。

②フラップを作成

点眼麻酔が施された後、短いパルスを持つレーザーを使用して、角膜の表面に薄く均一なフラップ(蓋)を作成します。
フラップを作成後、レーザーを照射して角膜を削り、最後にフラップを元に戻すというのが、レーシック手術の大まかな流れです。

まれではありますが、フラップを作成する際に一時的な不快感を感じたり、フラップが正確に形成されなかったり、位置がずれたりすることがあります。
そのような場合は、レーザーを当てずに、角膜を元に戻して手術が中断されます。治療用ソフトコンタクトレンズなどを乗せ、角膜の状態が元に戻ったのを確認してから、数ヵ月後に再手術が行われます。

③フラップ翻転

フラップ翻転はレーシック手術における手順のことで、角膜表面に作成した薄いフラップを、慎重にめくることです。このフラップの下の部分にレーザーを照射し、角膜の形状を変更して視力を矯正します。
フラップ翻転は、手術の精度を高め、安全性を確保するために重要な役割を担います。

④エキシマレーザーを照射

エキシマレーザーは、レーシック手術で使用される特殊なレーザーで、角膜の形状を変更するために使用されます。角膜表面のカーブを変化させることで、角膜の屈折力(レンズとしての度数)を変化させ、近視や乱視を矯正します。
エキシマレーザーは、微細な角膜の層を削ることが可能とされているため、視力矯正において高い精度が期待できます。
レーザーの照射時間はわずか十数秒程度です。術後の回復が早く、入院の必要がありません。

⑤フラップを戻す

レーシック手術においてフラップを戻すとは、エキシマレーザーによる角膜矯正後、切開してめくられた角膜のフラップを元の位置に慎重に戻す工程を指します。 フラップが正確に位置することで、手術後の回復がスムーズに進み、合併症のリスク低減につながります。
フラップは手術後自然に角膜に接着し始めるため、フラップを正確に戻したかどうかが視力回復の質に直接影響を及ぼします。

⑥自然治癒を待つ

レーシックで作成するフラップは、自然に吸着し接着されるため、縫合を行いません。フラップを戻した後は、角膜の自然治癒を待ちます。
しかし、フラップが吸着するまでの間は角膜が安定していないため、多少の注意が必要になります。
フラップが安定するまでにかかる時間は個人差がありますが、1週間程度は眼をこすり過ぎたり、圧迫を加えないよう注意した方がよいでしょう。
自然治癒を待つ期間中、目の不快感や乾燥を感じることがありますが、これは正常な反応です。

レーシック手術後の注意点

レーシック手術後の注意点

レーシックの手術自体は短時間で済み、翌日には日常生活を送れるなどのメリットがあります。しかし、レーシック手術後は、いくつかの注意点を守る必要があります。

手術当日

レーシック手術当日の注意点として、患者さんは手術前後にいくつかの重要な指示を守る必要があります。

まず、手術当日は化粧を避け(目元を含む)、接触をできる限り抑えることが重要です。
手術後は目が敏感な状態にあるため、保護眼鏡を着用し、目をこするなど強い衝撃を避けることが推奨されます。
また、医師の指示にしたがって処方された薬を正確に使用し、感染のリスクをなるべく抑えるために清潔を保ちましょう。

手術3日後

レーシック手術後3日目の注意点は、日常活動に関わるものが少なくありません。
この時期は、視力がまだ完全には安定していないため、運転を避けることが推奨されます。また、メイクは目の周りの部分に限り、慎重に行う必要があります。
さらに、紫外線やホコリから目を守るためにサングラスや保護メガネを着用しましょう。

手術1週間後

レーシック手術1週間後は、日常活動の再開が段階的に可能とされていますが、いくつかの制限があります。主に、激しい運動や重労働は避けるべきです。
また、目を保護するために、引き続き環境のホコリや汚れから目を守り、プールやサウナのような高温多湿の場所を避けることが重要です。
さらに、目の乾燥を防ぐために、人工涙液の使用を続けることが推奨されます。

手術1ヵ月後

レーシック手術から1ヵ月後は日常生活のほとんどが通常通りに行えるようになりますが、目の健康を維持するためのケアが必要です。
例えば、長時間の画面作業後には目を休める時間を設け、定期的に目のチェックを受けることが重要です。
また、外出時はUVカット機能のあるサングラスを着用し、強い日差しや紫外線から目を保護することも推奨されます。
これらを守ることで、長期的な視力の安定につながります。

カラーコンタクトの装着についてですが、結論から申し上げると、装用は可能ですが、いくつかの注意点があります。
まず、手術直後は目が敏感な状態にあるため、最初の数週間~1ヵ月程度は避けるべきです。医師からの許可が出た後であれば、カラーコンタクトの使用は問題ありません。
ただし、装用時には目の乾燥や異物感に注意しましょう。 異常を感じた場合はすぐに使用を中止し、早急に医師への相談が大切です。

レーシック手術後も定期健診を受けよう

レーシック手術後も定期健診を受けよう

レーシック手術後は、定期的な健診を受けることが重要です。 手術後の回復過程を適切に観察し、潜在的な問題を早期に発見するためには、医師の指示に従って定期検診を受ける必要があります。
特に、手術後の初期段階では炎症や感染のリスクが高いとされており、視力の安定性を確認するためにも検診が欠かせません。

手術翌日、1週間後、1ヵ月後、3ヵ月後など、段階的に行われる検診を受けることで、術後の状態を把握し、必要な対策を講じられます。
また、定期検診を通じて視力の経過を確認し、異常がないかどうかをチェックすることで、長期的な視力の維持につながります。

まとめ

まとめ

ここまで、レーシック手術の方法と、手術後の注意点などについて解説しました。 レーシックの方法について、要点をまとめると以下のとおりです。

  • レーシックは、近視、遠視、および乱視を矯正するためのレーザー眼科手術
  • レーシック手術は、まず点眼麻酔を施し、その後フラップを作成して翻転させ、次にエキシマレーザーを照射して角膜を矯正し、最後にフラップを元の位置に戻す順序で行われる
  • 術後は保護眼鏡を着用し、目をこすったり強い衝撃を避け、感染のリスクをなるべく抑えるために清潔を保つことが重要

レーシック手術は、驚くほどの視力改善をもたらす可能性を秘めています。ですが、あくまでも医療行為であり、100%安全性の高い治療とは限らないことを理解したうえで施術に臨むことを推奨しています。

また、昨今は視力矯正のための手術としてICL(眼内コンタクトレンズ)が注目されています。レーシックは角膜をレーザーで削り、形状を変えることで視力を矯正する一方で、ICLは角膜を削らず、眼内に薄いレンズを挿入して視力を矯正します。
レーシックは回復が早く、幅広く患者さんに適応できますが、角膜が薄い場合や特定の視力問題にはICLが適する場合があるため、詳細は医師にお尋ねください。

正しい知識と情報に基づいて判断し、快適な視生活を手に入れましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

東京大学医学部卒業(1995年 MD)/ 東京大学大学院修了(医学博士 2001年 PhD) / 東京大学医学部眼科学教室講師(2012-2015年) / デューク・シンガポール国立大学医学部准教授(2016年-2020年)/ 旭川医科大学眼科学教室教授(2018年-2020年) / 横浜市立大学 視覚再生外科学 客員教授(2020年-現在) / 専門は黄斑疾患。シンガポールをはじめとした国際的な活動に加え、都内のお花茶 屋眼科での勤務やDeepEyeVision株式会社の取締役を務めるなど、マルチに活躍し ています。また、基礎医学の学術的バックグラウンドを持ち、医療経済研究、創薬、国際共同臨床研究などを行っています。

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