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レーシックを「やらなきゃよかった」と後悔しないために知っておくべきこと

レーシックを「やらなきゃよかった」と後悔しないために知っておくべきこと

メガネやコンタクトを使わずに裸眼で快適に過ごせることから、レーシックに関心を持つ方もいらっしゃるでしょう。一方で、SNSなどでは「やらなきゃよかった」と後悔する声も聞かれるのが実情です。本記事では、レーシックの基本的な情報から、手術前に知っておきたいリスクや注意点、後悔しないための選び方を解説します。

レーシックについて

レーシック

レーシックとはどのような治療方法ですか?
レーシック(LASIK)は、角膜(黒目の表面)をレーザーで削り、近視・遠視・乱視といった屈折異常を矯正する視力矯正手術です。角膜の中央部をフラップと呼ばれる蓋状に切開してめくり、エキシマレーザーを照射して角膜の形を調整した後、フラップをもとに戻して終了します。術後は視力がすぐに回復することが多く、痛みもほとんどなく、日帰りで行える手術として広く普及しています。
レーシックのメリットを教えてください。
特に大きなメリットは、メガネやコンタクトレンズに頼らずに生活できることです。多くの方は翌日から視力が回復し、日常生活に支障が出ません。スポーツや旅行、仕事などでも眼鏡を外した状態で活動できる自由さが得られます。また、手術時間が片眼で10分程度と短く、入院が不要な点も魅力です。治療後の生活の質(QOL)の向上に貢献していることから、全世界で広く実施されている実績ある治療法です。
レーシックのデメリットを教えてください。
一方で、レーシックにはいくつかの注意点があります。角膜を削るため、手術をもとに戻すことはできません。また、手術後にドライアイや、暗いところで光がにじんで見えるハローやグレアといった症状が起こることがあります。強度近視の方や、角膜が薄い方などは適応外になることもあります。さらに、年齢を重ねて老眼が進行した場合、近くが見えにくくなることがあるため、事前にこうした変化も想定しておく必要があります。

レーシックを「やらなきゃよかった」と後悔しないために

レーシックを「やらなきゃよかった」と感じるのはどのような理由からですか?
主な理由としては、以下のような点があります。
  • 見え方に違和感がある
  • ドライアイがつらい
  • 夜間の視界がまぶしい
  • 視力が安定しない
  • 老眼が思ったより早く進んだ

などが挙げられます。また、事前の説明が不十分で、自分の期待値と現実とのギャップが大きかった場合にも「やらなければよかった」と後悔することがあります。

レーシックの合併症について教えてください
レーシックは安全性が高い手術ですが、以下のような合併症が報告されています。
  • ドライアイの悪化
  • ハロー・グレア現象(光がにじんだり、まぶしく感じたりする)
  • 過矯正・矯正不足(視力が出すぎたり足りなかったりする)
  • フラップのずれ
  • 角膜感染症

これらは適切な術後ケアやアフターフォローによって防げることも多いため、信頼できるクリニック選びが重要です。

レーシックは後遺症が残る可能性がありますか?
後遺症が完全にゼロとはいえません。特にドライアイや夜間視力の不調は、術後数ヶ月で軽減することが多いものの、人によっては長期に続く場合もあります。そのため、術前にはご自身の目の状態やライフスタイルに合っているかどうか、医師とよく相談することが大切です。
レーシックに向いていない人の特徴を教えてください
レーシックはすべての方に適しているわけではありません。以下のような方は注意が必要です。
  • 強度近視
  • 角膜の病気がある、角膜が極端に薄い
  • 重度のドライアイ
  • 進行性の眼疾患(緑内障、白内障など)がある方
  • 妊娠中・授乳中

上記に当てはまる場合、医師からレーシック以外の選択肢を提案されることがあります。適応外にも関わらず手術を行えば、高い確率で何らかのトラブルが起き「やらなければよかった」という結果になりかねません。信頼できるクリニックであれば不適応の場合はちゃんと断ってくれますので、無理に手術を受けようとせず医師の判断を尊重しましょう。

レーシックを受けるクリニックの選び方を教えてください
レーシックで後悔しないためには、クリニック選びが重要です。以下のポイントを参考にしてください。
  • 経験豊富な眼科専門医がいるかどうか
  • 丁寧なカウンセリングと適応検査を行ってくれるか
  • リスクや合併症について十分に説明してくれるか
  • 術後のフォロー体制(検診や再手術の保証)が整っているか
  • 費用が明朗で、安すぎる・高すぎる理由が説明されているか

周りの評価だけに頼らず、焦らず情報収集し、信頼できる施設を選ぶことでレーシックの満足度は高まります。

レーシック以外の視力矯正方法

レーシック以外に視力を矯正する方法を教えてください。
以下のような視力矯正法があります。
  • メガネ・コンタクトレンズ 大変一般的で安全な矯正手段です
  • オルソケラトロジー 寝ている間に特殊なコンタクトレンズで角膜を矯正し、日中は裸眼で過ごせる方法です
  • スマイル(SMILE) レーシックと同じく、角膜の一部を取り除く方法ですが、傷が小さくレーシックより合併症が少ないとされ、近年行われるようになってきています
  • ICL(眼内コンタクトレンズ) 角膜を削らず、眼内にレンズを挿入して視力を矯正する手術で、日本ではレーシックよりも普及してきている視力矯正手術です

しかし、それぞれにメリット・デメリットがあるため、主治医と相談のうえで選ぶのがベストです。

ICL(眼内コンタクトレンズ)とレーシックの違いは何ですか?
レーシックは角膜の形を変える手術、ICLは目の中にレンズを加える手術です。その違いから、双方に以下のようなメリット・デメリットがあります。【効果と適応範囲】
レーシックは中程度までの近視・乱視に適していますが、強度近視には不向きです。一方、ICLは強度近視にも対応でき、近視がとても強い方でも矯正が可能です。【眼への侵襲】
レーシックは角膜に触れる手術であり不可逆的な組織変化を伴います。ICLはレンズを挿入しますが、必要なら将来レンズを取り出すことも可能な可逆性があります。ただしICLは眼の内部に手を加えるため術中・術後の眼内感染(眼内炎)などのリスクがあります。

【合併症や後遺症】
レーシックは上述のとおりドライアイやハローのリスクがあります。ICLでは角膜を削らない分ドライアイやハローは起こりにくいですが、白内障が生じるリスクやレンズが眼内でズレるリスクがあります。

【費用】
ICL手術はレンズ代も含むため費用が高額になり、一般的にレーシックより高い傾向にあります。

【回復と生活制限】
レーシックは翌日から視力が出ることが期待できます。ICLも回復は早く、数日で裸眼視力が安定するとされます。レーシックでは術後数週間は激しい運動やプールを避けるなどの制限がありますが、ICLも術後しばらくは安静と点眼治療が必要です。
どちらが優れているというより、ご自身の目の状態やライフスタイルによって適した方法が異なるといえます。決して自己判断するのではなく、主治医に希望を伝えてよりよい選択をするのが理想です。

まとめ

レーシックまとめ

レーシック手術について正しい知識を持ち、慎重に準備することで、「やらなきゃよかった」と後悔するリスクは大幅に減らせます。ぜひ信頼できる主治医のもと、納得のいく視力矯正を実現してください。本記事がその一助になれば幸いです。

参考文献

この記事の監修歯科医師
栗原 大智医師(眼科医)

栗原 大智医師(眼科医)

2017年、横浜市立大学医学部卒業。済生会横浜市南部病院にて初期研修修了。2019年、横浜市立大学眼科学教室に入局。日々の診察の傍らライターとしても活動しており、m3や日経メディカルなどでも連載中。「視界の質=Quality of vision(QOV)」を下げないため、診察はもちろん、SNSなどを通じて眼科関連の情報発信の重要性を感じ、日々情報発信にも努めている。 / 資格:日本眼科学会専門医

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