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レーシックの術後はどう過ごすべき?注意事項や視力が再低下する原因を解説!

レーシックの術後はどう過ごすべき?注意事項や視力が再低下する原因を解説!

視力回復手術の代表例といえば、レーシックです。日本では20年以上前から行われており、スポーツ選手など施術を受けたという有名人も多くいます。

目の手術と聞くと怖い印象がありますが、実はレーシックはそうむずかしい手術ではありません。しかし手術は手術。術後の注意事項や予後など、注意すべき点がいくつかあります。当記事では、レーシックの概要について触れつつ、術後の過ごし方や気になる視力の再低下について解説します。

レーシックとは

レーシックとは レーシックは、抜群の知名度と実績を誇る視力回復手術です。日本では2000年に厚生労働省から認可を受けて以降、急激に普及してきました。年間約40万件の手術が行われているとされています。

一方、アメリカでは1800年代から研究が開始されていたと言われ、現在では年間100万件を超える手術が実施されています。

レーシックとは

レーシックは、屈折異常(網膜にピントが合わず、ものがはっきり見えない状態)を矯正して、近視、遠視、乱視を解消する手術です。

近視や遠視に悩む人にとって、メガネやコンタクトを必要とせず日常生活を送れるのは奇跡のようなもの。「裸眼で見える」ことを求める人は後を絶たず、世界中で普及しています。

手術自体はそうむずかしいものでなく、片目約10分、両目でも20分ほどで完了します。非常にスピーディーな手術で、日帰りが可能。その日のうちにメガネやコンタクトレンズなしで帰れるようになることがほとんどです。

健康保険の適用外とはなりますが、視力回復手術のなかでは比較的手頃な価格設定となっており、それも人気の理由の一つです。

レーシック手術の方法

レーシック手術の詳しい流れと方法を説明します。

・適応検査
手術前には適応検査が必要です。レーシックはすべての人に適しているわけではないため、医師が目の状態を約2~2.5時間かけて詳しく調査し、手術の適性を判断します。

検査内容は、角膜形状解析、角膜内皮細胞検査、瞳孔径、他覚的屈折検査、角膜厚測定、細隙灯顕微鏡検査、眼圧測定、自覚的屈折検査、眼底検査など多岐にわたります。

また、どんな手術にもあるように、レーシックにも術後のリスクが存在します。ハロー・グレア現象や万が一再手術が必要になった際、角膜の厚さが十分かなどを調べます。

・当日の流れ
適応検査で問題が見つからなければ、そこではじめて手術日を決めて当日に臨みます。手術自体は片目10分ほどで終わりますが、説明や休息時間などを含めると、全体での所要時間は約1.5~2時間です。

レーシック手術では、まず麻酔をしてから角膜上層部に「フラップ」と呼ばれるフタを作成します。それからフラップをめくった箇所にある角膜実質にレーザーを照射して、角膜を削っていきます。

角膜とは入ってきた光を屈折させて、目のフィルムにあたる網膜に像を結ぶ組織です。正常に機能していればものがはっきり見えますが、近視や遠視の方は角膜で「屈折異常」が起きるため、鮮明に像を見ることができません。

そこで、レーザーを当てて角膜のカーブを調整し、屈折を正常化させます。レーザーの照射時間はわずか数10秒。角膜の調整が済んだら、フラップを元に戻します。最後に目を洗浄し、手術は終了です。

レーシックの術後はどう過ごすべき?

レーシックの術後はどう過ごすべき? さて、無事にレーシック手術が終わったらどう過ごせばいいでしょうか。

多くの場合、術後の翌日、1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後、半年後、そして1年後に定期検診を受けることが推奨されます。

レーシック手術の1週間後

この期間は、アイメイクやサウナ・温泉、ジョギングなどの軽めのスポーツは避けるよう指示されることが一般的です。特に、視力や目の状態が徐々に回復していく重要な時期なので、極力目の負担を避けることが大切です。

レーシック手術の1ヶ月後

視力が徐々に安定してくる頃です。ハードなスポーツも許可されることが多いですが、体調や視力の変化には個人差があるため、何か気になることがあれば医師に相談することをおすすめします。

レーシック手術の3ヶ月後

この時期には、手術で一時的に損傷した角膜の神経が再生し始め、目の乾燥も徐々に軽減していきます。

レーシック手術の半年~1年後

この時期の定期検診は、視力の安定や目の健康状態を確認するための重要なチェックポイントとなります。忘れずに受診しましょう。

レーシックの術後に処方される薬について

レーシックの術後に処方される薬について 手術後には、薬が処方される場合があります。処方された薬は指示通りに服用し、勝手に量を変えたり服用を中止することは避けましょう。

術後点眼薬

レーシック手術後には、抗炎症剤、抗生剤、ドライアイ治療薬などの点眼薬が処方されることが多いです。医師の指示に従い、正しく使用することが大切です。

痛み止め

手術後に痛みを感じる場合、痛み止めが処方されることがあります。しかし、痛みが軽減された際には無理に服用する必要はありません。

レーシックの術後の目の保護について

レーシックの術後の目の保護について レーシックの大きな特徴の一つに、「術後の視力回復が速い」ことが挙げられます。事実、多くの方が術後翌日には裸眼での視力が1.0~1.5程度まで回復しています。

しかし、視力が回復しても切開した部分は完治していません。引き続き、目を守る必要があります。

保護用メガネを装着しよう

とくに術後1週間ほどはゴミや衝撃から目を守るため、外出時には保護用メガネやサングラスの使用が推奨されます。

また寝ている間に無意識に目を触ってしまう可能性があるので、寝る時も保護用メガネの装着をおすすめします。

レーシックの術後の注意事項

レーシックの術後の注意事項 レーシック手術後の視力回復は速いですが、最低でも1年は様子を見ていかねばならないことを前述しました。ここでは、術後の注意事項を具体的に確認していきましょう。

入浴・シャワー

肩から下のシャワーは手術当日から可能です。ただし洗顔や洗髪時に目に水が入るリスクがあるため、翌日の検診まで避けてください。顔を洗う際は、目の周りを避け、濡れタオルで優しく拭くことをおすすめします。

自宅での入浴も手術当日は避け、翌日以降、医師の許可が出れば可能になります。

サウナ・温泉

自宅での入浴は基本的に翌日から可能ですが、サウナや公共の温泉には感染リスクが伴うため、1週間後の検診を受けてから使用しましょう。

飲酒

翌日の検診で問題がなければ、少量の飲酒は許可されます。1週間後の検診後からは、通常の飲酒が可能です。

化粧

化粧水や乳液は翌日の検診後から使用可能です。ただし、目の周囲には注意してください。その点に注意すれば、ファンデーションも使用できます。

一方、アイメイクやビューラーなど目の周りに負担をかけやすい化粧については、1週間後の検診後から再開できます。

車の運転

術後すぐの運転は避け、翌日の検診での医師のアドバイスを受けてから再開を検討しましょう。手術当日は車での来院を禁止する病院が多いです。

運転を再開しても、慣れるまでの間、とくに夜間は細心の注意を払って運転してください。

また視力が回復したら、運転免許証の「眼鏡等」の条件を解除することができます。その場合は最寄りの警察署などで手続きを行いましょう。

仕事

術後は安全を確保するため、2~3日ほど休暇を取ることが望ましいです。

デスクワークであれば手術当日と翌日、屋外作業やハードワークなどは手術当日~翌々日までの2日間を目安に休めると安心ですね。

スポーツ

術後1週間は、ジョギングなどの軽いスポーツであっても避けるようにしてください。水泳や球技といった目に対する危険性が高いスポーツは、最低でも1ヶ月は控えることをおすすめします。

外出時

術後1週間ほどはゴミや衝撃から目を守るため、外出時には保護用メガネやサングラスを使用すると良いでしょう。

就寝時

どんなに気をつけていても、就寝時には無意識に目を傷つけてしまうかもしれません。それを防ぐため、就寝時にも保護用メガネを装着するようにしましょう。

レーシックの術後の視力の再低下の原因とは

レーシックの術後の視力の再低下の原因とは 「レーシックは近視が再発しやすい」という不安を持つ方もいます。しかし、アメリカのレーシック手術後10年の追跡調査によれば、88%の人が良好な視力を保っているとの報告があります。

それでも、術後数年経過すると視力が低下するケースもあります。以下では、その原因について説明します。

水晶体核の硬化による近視化

水晶体は、透明な両凸の形をしており、中心部は核で、その外側は皮質に取り囲まれ、さらに水晶体嚢で包まれています。

活発な代謝を行って透明性を保ちながら、水晶体繊維を形成し続けて体積と重量が増加します。しかし、眼内圧と水晶体嚢によってその成長は制限され、結果的に核が圧縮されて硬化します。これにより屈折力の増加(近視化)が生じます。

これが、水晶体核の硬化による近視化のメカニズムです。

白内障

私たちがものを見る際、角膜で屈折された光が虹彩を通過して水晶体、硝子体を経て網膜に到達し、その情報が視神経を通って脳に伝わり、映像として認識されます。

健康な水晶体は透明ですが、白内障ではこれが白く濁ります。そのため、光が網膜に届くのが難しくなり、視力低下やぼやけが生じます。

白内障の原因は、

  • 加齢性白内障
  • アトピーや糖尿病などによる全身疾患に合併する白内障
  • 先天性白内障
  • 外傷性白内障
  • ステロイドによる白内障

がありますが、最も一般的なのは加齢性白内障です。

近視戻り

レーシック手術後5~10年で、一部の人に「近視戻り」が見られます。この状態で戻りが大きければ、視力の低下が再発します。

近視戻りの主な原因は、レーシック術後に薄くなった角膜が眼球内圧によって押され、角膜のカーブが強くなることだと言われています。とくに近視が強い人では、戻りが顕著になることが多いです。

老眼

老眼というと多くの人は高齢者を連想するかもしれません。しかし実際には、40代半ばから症状が現れることが一般的です。

これは近くの文字がぼやけたり、目が疲れやすくなる現象で、とくに遠くをクリアに見ることができる人はこの症状を早く感じることが多いです。

そのほとんどの場合は、調節機能の低下が原因。これがいわゆる「老眼」(老視)です。

もう少し具体的に説明しましょう。目の中で調節機能を担うのは、「水晶体」です。この水晶体が見たい距離に合わせて厚くなったり薄くなったりしながら、網膜に画像が綺麗に表示されるようにピント調節をしています。

水晶体は、若い頃は自由自在に厚さを変えて、オートフォーカスのようにあらゆる距離にピントを合わせることができます。しかし年齢を重ねることによって、水晶体の弾力性は失われて硬くなり、だんだんと厚さを変えることができなくなってきてしまいます。その状態が調節機能の低下、つまり老眼というわけです。

乾燥(ドライアイ)

目の乾燥、すなわちドライアイも視力低下の原因となります。

涙液が均等に目の表面を覆うことで表面が滑らかに>なり、光の屈折が均一になります。しかしドライアイの状態は目の表面がでこぼこしているため、目に入ってきた光が乱反射して、像がぼやけてしまいます。

レーシック手術直後は、多くの方が一時的に強いドライアイ症状を経験します。これは、手術の際に角膜の神経が一部切断されるためです。

ただしこれには個人差があり、ドライアイにならない人、なっても感じない人もいます。さらにこの症状は一時的なもので、適切なケアをすれば回復します。 しかし加齢とともに涙の分泌量は減少し、再びドライアイになるリスクが上がります。

まとめ

まとめ メガネやコンタクトを長年装着している人にとって、「裸眼でものを見られる」日常は奇跡といっても過言ではありません。それほど快適で、喜ばしいことです。

その快適な日常を手に入れる手段の一つが、レーシックです。知名度も高く実績もあり、比較的リーズナブルな費用で受けられる手術のため、今後検討しようという人も多いでしょう。

レーシックの手術自体は、そうむずかしいものではありません。術後の注意事項やケア方法も、医師の指示に従えば大きな負担になるものではないでしょう。

レーシック術後のイメージを膨らませたら、ぜひ一度病院に相談に行ってみてはいかがでしょうか。「見える」という、新たな世界が開けるはずです。

参考文献

この記事の監修歯科医師
柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

東京大学医学部卒業(1995年 MD)/ 東京大学大学院修了(医学博士 2001年 PhD) / 東京大学医学部眼科学教室講師(2012-2015年) / デューク・シンガポール国立大学医学部准教授(2016年-2020年)/ 旭川医科大学眼科学教室教授(2018年-2020年) / 横浜市立大学 視覚再生外科学 客員教授(2020年-現在) / 専門は黄斑疾患。シンガポールをはじめとした国際的な活動に加え、都内のお花茶 屋眼科での勤務やDeepEyeVision株式会社の取締役を務めるなど、マルチに活躍し ています。また、基礎医学の学術的バックグラウンドを持ち、医療経済研究、創薬、国際共同臨床研究などを行っています。

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