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硝子体混濁は治る?目がかすんでしまう硝子体混濁の疑問を解決!

硝子体混濁は治る?目がかすんでしまう硝子体混濁の疑問を解決!

目がかすんだり、視界に浮遊物が見えるなどの症状に悩まされている方は、もしかしたら硝子体混濁が原因かもしれません。硝子体混濁とは、目の内部にある硝子体が濁ることで視力に影響を与える状態です。この症状は加齢によるものが多いようですが、そのほかの原因も考えられます。 本記事では硝子体混濁は治るかについて以下の点を中心にご紹介します。

  • 硝子体混濁とは何かについて
  • 硝子体混濁の治療方法
  • 硝子体混濁の予防と予後

硝子体混濁は治るかについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

硝子体混濁の基本知識

硝子体混濁の基本知識

硝子体混濁とは何ですか?
硝子体混濁とは、目のなかにあるゲル状の組織である硝子体が混濁し、光が目の奥に届かなくなることで視力が低下し、霧がかかったように見える病態を指します。この状態はぶどう膜炎などの目の中の炎症や悪性リンパ腫などが原因となることが多いようです。
混濁が進行すると、日常生活に支障をきたす可能性が高くなります。硝子体混濁になると、視界に虫が飛んでいるように見えたり、物がかすんで見えることが多いようです。進行すると、原因を特定するのが難しくなります。硝子体混濁は特定の病気ではなく、さまざまな原因によって引き起こされる症状です。
例えば、黄斑円孔や黄斑前膜、硝子体出血、強度近視や加齢などが挙げられます。このため、硝子体混濁が見られる場合は、根本的な原因を特定し、適切な治療を行うことが重要です。
硝子体混濁の主な原因は何ですか?
硝子体混濁の主な原因として、加齢による硝子体の変化、硝子体出血、ぶどう膜炎が考えられます。
  1. 加齢による硝子体の変化:硝子体混濁の原因に多いとされています。加齢に伴って硝子体が液状化し、硝子体内の微細な繊維が固まって濁りを生じることがあります。この加齢による硝子体の変化は、中高年に多く見られます。
  2. 硝子体出血:糖尿病や高血圧症など、さまざまな全身疾患や眼内炎症、外傷後に硝子体内で出血が起こり、それが硝子体混濁の原因となります。出血による混濁はしばしば急激に視力の低下を引き起こします。
  3. ぶどう膜炎:眼の炎症性疾患であるぶどう膜炎は、感染や自己免疫反応により発生し、これが硝子体へ影響を与えることで混濁を引き起こします。ぶどう膜炎は出血を伴わないこともあり、その場合は濁りだけが特徴です。

治療が適切に行われない場合、硝子体混濁は進行しやすく、最終的には視力の低下を招く可能性があるため、早期発見と適切な治療が重要です。

硝子体混濁の症状はどのようなものですか?
硝子体混濁の主な症状は、視界に虫や糸くずのような浮遊物が見える飛蚊症です。これは硝子体が混濁し、明るい場所でその影が網膜に映るためです。浮遊物は目を動かすと一緒に動くことが特徴で、大きさや形も個人差があります。

また、視界がかすむ、物がゆがんで見える、まぶしく感じるなどの症状も見られます。これらの症状は、ぶどう膜炎などの炎症性疾患や眼内出血、黄斑円孔などのさまざまな目の病気が原因で発生します。炎症性疾患には、感染性のぶどう膜炎や非感染性のサルコイドーシス、ベーチェット病などが含まれます。さらに、加齢による後部硝子体剥離や胎児期の硝子体組織の残存も原因の一つです。

硝子体混濁は進行すると原因特定が難しくなり、視力低下の深刻化の可能性があります。したがって、早期発見と適切な治療が視力を保護するために重要です。視界に異常を感じた場合は、速やかに眼科専門医の受診が推奨されます。

硝子体混濁の治療法

硝子体混濁の治療法

硝子体混濁は自然に治ることがありますか?
硝子体混濁は自然に治ることはほとんどないとされています。自然経過に任せると、視力低下や霧視が進行し、日常生活に支障をきたす可能性が高まります。硝子体混濁の改善には、原因となる疾患の治療が不可欠です。例えば、感染症による混濁には抗真菌薬や抗ウイルス薬が用いられます。非感染性疾患の場合、ステロイドや免疫抑制薬が治療の中心となります。これらの治療は入院が必要で、慎重に投与量を調整しながら行われます。
また、稀に混濁が自然に吸収されることもありますが、再発を繰り返すと吸収されにくくなります。適切な治療を受けずに放置すると、失明のリスクもあるため、早期の医療機関受診が重要です。硝子体混濁の根本原因の治療で、症状の改善が期待できます。
硝子体混濁の治療法にはどのようなものがありますか?
硝子体混濁の治療法は、その原因や症状に応じて異なります。点滴や飲み薬、目薬、注射などがあり、これらは個々の患者さんの状態に合う方法を提案します。例えば、真菌性眼内炎には抗真菌薬、ぶどう膜炎には抗ウイルス薬が用いられます。非感染性疾患の場合、ステロイドや免疫抑制薬が使用され、これらは入院して投与量を慎重に調整しながら治療します。

進行した硝子体混濁には、硝子体手術が行われることがあります。この手術は局所麻酔で行われ、濁った硝子体を切除し、必要に応じて眼内に空気やガス、シリコンオイルを充填します。手術時間は15分から1時間程度です。

硝子体混濁の手術後の注意点はありますか?
硝子体混濁の手術後にはいくつかの注意点があります。まず、手術直後には結膜下出血が見られることがあり、目が赤くなることがあります。この状態は通常2~3週間で回復しますが、写真撮影を予定している場合には注意が必要です。

また、手術後は「ゴロゴロ感」や「しみる感じ」、「軽い圧迫感」を感じることがありますが、通常は強い痛みを伴うことはありません。ただし、眼の状態や手術の内容によっては強い痛みが生じることもあります。その場合は、痛み止めの薬を処方しますので、遠慮せずに医療スタッフに伝えてください。
さらに、眼内にガスを充填した場合は、手術後にうつ伏せで安静に過ごすことが求められます。ガスが浮力を発揮し、内側から網膜を圧迫するためです。このため、手術後1時間程度はリカバリールームでの休憩が推奨されます。これらの注意点を守ることで、手術後の回復をスムーズに進めることができるとされています。

硝子体混濁の予防と予後

硝子体混濁の予防と予後

硝子体混濁になりうるぶどう膜炎の予防方法を教えて下さい
ぶどう膜炎の予防には、いくつかの重要なポイントがあります。まず、定期的な眼科検診を受けることで、早期発見・早期治療が可能になります。特に感染症の予防として、手洗いやうがいなどの基本的な衛生対策の徹底が重要です。免疫疾患を持っている場合は、病状を安定させるために医師の指導に従い、適切な治療を継続しましょう。
また、ストレスは免疫系に影響を与えるため、適度な運動やリラクセーション法を取り入れたストレスの軽減も予防に役立ちます。健康的な生活習慣の維持も重要で、バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけましょう。

ぶどう膜炎の再発防止には、症状がない時でも定期的に眼科を受診し、血液検査などで炎症の兆候のチェックが大切です。また、体調を維持するための生活リズムの改善も重要です。何らかの症状を感じたら、早期的な眼科の受診が望ましいです。

硝子体手術の予後について教えて下さい
硝子体手術の予後については、手術の原因や患者さんの状態によって異なります。手術直後は、麻酔が切れると目にゴロゴロ感や軽い痛みを感じることがありますが、これらの症状は通常数日で軽減します。また、結膜下出血により目が赤くなることがありますが、2〜3週間で回復します。
視力の予後については、中心視力に影響がない周辺部の疾患(網膜剥離、網膜裂孔、増殖糖尿病網膜症など)では、硝子体手術により視力が良好に改善する場合が多いようです。しかし、網膜の中心部での疾患や、それが中心部に及んでいる場合(加齢黄斑変性、黄斑剥離など)では、視力改善が思わしくないことがあります。

手術後に強い痛みを感じた場合は、痛み止めの薬を処方しますので、遠慮せずに医療スタッフに伝えてください。緊急性の高い疾患が原因の場合は、速やかに手術を受けることが推奨されます。定期的なフォローアップも大切ですので、術後のケアを怠らないようにしましょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで硝子体混濁は治るかについてお伝えしてきました。硝子体混濁は治るかの要点をまとめると以下のとおりです。

  • 硝子体混濁とは、目のなかにあるゲル状の組織である硝子体が混濁し、光が目の奥に届かなくなることで視力が低下し、霧がかかったように見える病態のこと
  • 硝子体混濁の治療法は、その原因や症状に応じて異なる。点滴や飲み薬、目薬、注射などがある
  • 定期的な眼科検診と体調の維持が硝子体混濁の予防につながる。手術後は目にゴロゴロ感や軽い痛みを感じることがある。

視界に霧がかかったように感じている方は、定期的に検診に行かれることをおすすめします。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

東京大学医学部卒業(1995年 MD)/ 東京大学大学院修了(医学博士 2001年 PhD) / 東京大学医学部眼科学教室講師(2012-2015年) / デューク・シンガポール国立大学医学部准教授(2016年-2020年)/ 旭川医科大学眼科学教室教授(2018年-2020年) / 横浜市立大学 視覚再生外科学 客員教授(2020年-現在) / 専門は黄斑疾患。シンガポールをはじめとした国際的な活動に加え、都内のお花茶 屋眼科での勤務やDeepEyeVision株式会社の取締役を務めるなど、マルチに活躍し ています。また、基礎医学の学術的バックグラウンドを持ち、医療経済研究、創薬、国際共同臨床研究などを行っています。

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