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緑内障の検査にかかる費用はいくらぐらい?検査や治療の方法についても解説!

緑内障の検査にかかる費用はいくらぐらい?検査や治療の方法についても解説!

日本人の40歳以上の20人に1人、60歳以上では1割以上の患者がいるといわれているのが緑内障です。そして珍しい病気ではないとはいえ、失明の可能性がある病気でもあります。そうと聞けば不安になってきますね。しかし正しい知識を知れば恐れる必要はありません。ここでは緑内障の症状や種類、そして検査の必要性や方法、また検査にかかる費用や治療方法はどのようなものがあるのかについて解説していきます。

緑内障とは

はじめに、緑内障とは一体どのような病気なのか、そしてどういった症状があるのか、また一口に緑内障にいってもその種類はどのくらいあるのかをまとめました。

緑内障とはどのような病気ですか?
緑内障とは、眼圧(目の形状を維持するための一定の圧力)によって、視神経に障害が起こり、視野(見える範囲)が狭くなる病気です。放置すると最悪の場合、失明につながる恐れがあります。
緑内障の症状について教えてください。
眼圧が高くなることで視神経が圧迫され、視野が欠けていく病気です。緑内障で一度失った視野は元には戻りませんので、今の視野を保つこと(進行予防)が治療の目標になります。
緑内障の種類について教えてください。
緑内障にはいくつかの種類があります。眼圧が高くなる原因によって主に原発緑内障、先天緑内障、続発緑内障に分けられ、原発緑内障はさらに開放(ぐうかく)隅角緑内障、閉塞隅角緑内障に分けられます。・原発開放隅角緑内障
房水の出口である線維柱帯が徐々に目詰まりし、眼圧が上昇します。 ゆっくりと病気が進行していく慢性の病気です。

・原発閉塞隅角緑内障
隅角が狭くなり、ふさがって房水の流れが妨げられ(線維柱帯がふさがれて)、眼圧が上昇します。慢性型と急性型があります。

・正常眼圧緑内障
眼圧が正常範囲(10~21mmHg)にも関わらず緑内障になる人がいます。 これを正常眼圧緑内障と呼び、開放隅角緑内障に分類されます。近年行われた全国的な調査の結果から、緑内障の約6割が正常眼圧緑内障であり、また欧米にくらべて日本人に多いらしいことがわかりました。

・先天緑内障
生まれつき隅角が未発達のために起こる緑内障です。 ・続発緑内障 外傷、角膜の病気、網膜剥離、眼の炎症など、他の眼の疾患による眼圧上昇や、ステロイドホルモン剤などの薬剤による眼圧上昇によって起こる緑内障です。

緑内障の検査方法と費用

緑内障の検査方法と費用

ここまで緑内障に失明の可能性があること、けっして珍しい病気でないこと、一度失った視野は戻らないことを述べました。ここからは早期発見のための検査の必要性やその方法、どのくらいの費用がかかるのかを解説していきます。

緑内障の検査の必要性について教えてください。
40歳以上の20人に1人がかかるといわれる緑内障ですが、初期の段階ではほとんど自覚症状がありません。そのため早期発見、早期治療が大変重要です。緑内障を発症した場合も進行度合いの点検や、治療の効果の検証に定期的な検査が大切です。
緑内障の検査方法について教えてください。
緑内障の検査方法には以下のようなものがあります。・眼圧検査
眼球には、栄養などを運ぶ役割を果たしている房水という液体が流れており、この房水によって眼圧は保たれています。しかし、何かの原因で房水の出口が詰まったり働きが悪くなったりすると、房水の流出が滞り、眼圧が上昇します。眼圧が高いと緑内障になりやすいため、眼圧の検査は大切です。 直接目に測定機器を当てて計測する方法と、圧縮した空気を目に送って計測する方法とがあります。

・隅角(ぐうかく)検査
隅角には房水を排出する出口があり、ここが狭くなると排出が妨げられ眼圧上昇の原因になります。隅角検査では専用の特殊なコンタクトレンズを装着し、隅角の状態を検査します。この検査により、緑内障の病型を判断します。

・眼底検査
緑内障では視神経乳頭の中心部のへこみが拡大します。そこで眼底にある視神経が出入りする視神経乳頭に異常がないか、眼球の血管や網膜、視神経などを調べる検査です。 検査方法にはレンズをかざして直接眼底を観察する方法や、眼底カメラなどの器械を用いて観察する方法があります。

・視野検査
視野を調べる検査です。正面を見ている時に、上下左右前方、どのくらいの範囲が見えているかを調べます。また、片眼をカバーして、視野計の中心の固定点を見た状態で、小さな光指標が見つかるかどうかを調べます。

・OCT検査
網膜や視神経乳頭の構造や厚みを調べる検査です。この検査では光干渉断層計により、網膜や視神経の厚みを検査します。OCTは、脳のCT検査のようなもので断層像を撮影することができます。これにより初期の緑内障の発見もできるようになりました。

緑内障の検査にかかる費用はいくらぐらいですか?
緑内障の検査費用は保険診療です。本人負担3割の場合で行った場合の、おおよその目安の検査費用は約1500円~4000円(初診料他は別途)です。
緑内障の検査にかかる時間はどれぐらいですか?
検査内容によっても異なります。緑内障では、眼圧検査、眼底検査、視野検査などは必須の検査ですので、必要な検査時間は一般的には約60分程度といわれています。

緑内障の治療方法

緑内障は眼圧を下げることができれば、その進行を止めたり、遅らせたりすることができる可能性のある病気です。ただし治療の目的は病気の進行を止める、または遅らせることであり、一度欠けた視野を回復させることはできません。治療方法はいくつかありますが、緑内障のタイプやそれぞれの方に適した治療方針を決定していくことが大切です。

緑内障の治療方法について教えてください。
治療方法には以下のものがあります。・薬物療法
多くの緑内障では、目薬を使った薬物療法が治療の基本となります。現在では、さまざまな薬効を持った点眼薬が発売されており、緑内障のタイプ・重症度・眼圧の高さなどに応じて処方されます。1種類で効果が現れにくい場合は、複数の目薬を組み合わせて処方されます。また、眼圧を下げる飲み薬もあります。

・レーザー治療
レーザー治療には主に二つの方法があります。
(1)虹彩(いわゆる茶目)に穴を開けて、眼内の房水の流れを変える方法 閉塞隅角緑内障が治療可能です。
(2)線維柱帯に照射することで房水の排出を促進する方法 一部の開放隅角緑内障に効果があります。

・外科手術
薬物療法やレーザー治療が功を奏さなかった場合は手術を行います。 手術は大まかに分けて2種類あります。
(1)房水を眼外に染み出すように細工をする手術
(2)線維柱帯を切開して房水の排出をたやすくする手術 これらは症例に応じて選択されます。

緑内障の薬物療法の特徴について教えてください。
目薬の点眼は手軽にできる反面、患者自身で長期的な使用の継続が必要です。また、眼の痛みやかゆみ、充血などの副作用が出ることがあります。内服薬は全身の副作用が強く出てつづけられない場合があります。
緑内障のレーザー治療の特徴について教えてください。
点眼の麻酔を使用し、10~20分で終了します。眼圧下降剤の点眼の開始時期を遅らせることや、今まで点眼薬数種類使用していた方は、点眼剤の数を減らせることが期待できます。ただし、治療を受けた方の7~8割には効果が表れますが、100%ではありません。
緑内障の外科手術の特徴について教えてください。
手術時間は30~60分程度で、手術中の痛みはなく、麻酔の注射の時のみです。手術のあとは、しばらく瀕回の診察が必要です。手術の効果が弱かった場合や、効果が薄れてきた場合は再度の手術が必要になることもあります。

編集部まとめ

編集部まとめ

いかがでしたか。初期の緑内障では自覚症状がほとんどないこと、そして一度視野が 欠けてしまうと回復することは不可能で、失明の可能性もあることがわかりました。しかし検査を受けることで早期発見、早期治療は可能です。緑内障の検査費用は保険診療で受けることができます。自分の眼は自分で守る意識を持ち、紹介した検査の内容等をきちんと理解したうえで、40歳を過ぎたら年に一度は眼科を受診し、目の状態を点検するよう心がけましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

東京大学医学部卒業(1995年 MD)/ 東京大学大学院修了(医学博士 2001年 PhD) / 東京大学医学部眼科学教室講師(2012-2015年) / デューク・シンガポール国立大学医学部准教授(2016年-2020年)/ 旭川医科大学眼科学教室教授(2018年-2020年) / 横浜市立大学 視覚再生外科学 客員教授(2020年-現在) / 専門は黄斑疾患。シンガポールをはじめとした国際的な活動に加え、都内のお花茶 屋眼科での勤務やDeepEyeVision株式会社の取締役を務めるなど、マルチに活躍し ています。また、基礎医学の学術的バックグラウンドを持ち、医療経済研究、創薬、国際共同臨床研究などを行っています。

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