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白内障の治療には手術が必要?術後の過ごし方や注意点についても解説

白内障の治療には手術が必要?術後の過ごし方や注意点についても解説

最近眼がかすむ、視力が落ちた気がする……その症状は、白内障かもしれません。白内障は9割以上の方において「加齢が原因」で起こると言われており、40代から発症する人も少なくありません。では、白内障とはどのような病気で、どのような手術が必要となるのでしょうか。手術となると、危険性はどの程度のものなのでしょうか。手術後の状態や注意点などと合わせて、気になる白内障について、詳しくご説明します。

白内障について

白内障について 40代から発症する人が多く見られ、老眼と勘違いする例も少なくない「白内障」。眼鏡をかけても見え方に変化がない場合は、その可能性が高いと言えます。では、白内障とはどのような病気で、手術は必要なのでしょうか。気になる点をご説明します。

白内障とはどんな病気ですか?
白内障とは、眼の中にある水晶体に濁りが生じる病気です。それによって、視力は低下してしまいます。水晶体の濁り方は個人によって異なるため、症状はさまざまです。主な症状としては、眼のかすみや視界の暗さ、物が二重三重に見える、視界がぼやける、視力の低下、光がまぶしく感じる等があります。

なお、白内障だけでは眼の痛みや充血は起こりません。水晶体の濁り方は個人によって異なりますが、水晶体の周辺部(皮質)から濁りが始まる場合と、中心部(核)から濁りが始まる場合があります。中心部が透明なのであれば視力に差し障ることは少ないのですが、中心部が濁ってしまうと目がかすんだり、光を眩しく感じる、視界がくすんだように見えるなどの症状が現れます。 さらに進行すると周辺部、中心部ともに濁り、瞳孔部分が白または黄色に見えるようになります。見えにくいと感じたときには早めに眼科を受診し、医師に相談するようにしましょう。

白内障の治療で手術は必ず必要ですか?
視力が低下するなどの症状が進行し、生活に不便がある場合には手術が検討されます。生活の不便さや必要な視力は、各々の生活状況や職業などの違いから人によって異なります。自分にはどのくらいの視力が必要であるかを事前に確認しておくと、手術をするかどうかの判断がしやすくなります。日常生活に支障があるようであれば、眼科を受診するようにしましょう。

白内障の手術

白内障の手術 白内障の手術を受けるには、どのような検査が必要なのでしょうか。また、手術はどのような流れで進むのでしょうか。手術への不安を軽くするため、まずは白内障手術前の検査について、そして手術の流れについてご説明します。

白内障手術前の検査について教えてください。
白内障の手術前には、手術が問題なく行えるかどうか、自分の眼に合う眼内レンズがどれなのかを、事前検査によって調べておく必要があります。

・眼底検査
眼底検査は、網膜、視神経、血管などの眼底部分を詳細に調べる検査です。白内障手術前に眼底の健康状態を確認するために行われます。

・細隙灯顕微鏡検査
この検査は、細隙灯という特殊な顕微鏡を使用して、角膜、水晶体、虹彩など眼の前部構造を微細に観察するものです。白内障の診断や手術前の評価に役立ちます。

・角膜内皮細胞検査
角膜の内側を覆う内皮細胞の数や状態を調べる検査です。白内障手術が角膜に与える影響を評価するために重要です。

・眼軸長検査(眼内レンズの度数を決める)
眼軸長検査は、超音波を用いて眼球の前後の長さを測定する検査です。手術における人工水晶体の度数を決定する際に必要な情報が分かります。

上記に挙げた代表的な検査のほか、状況に応じてさまざまな検査を行うことになります。眼内レンズはピントが固定されているため、手術前にはしっかりと医師と相談して、自分の生活スタイルに合った度数を選択してもらうようにしましょう。

眼内レンズはどのように選べば良いですか?
眼内レンズには大きく分けて単焦点レンズと多焦点レンズの二種類があり、それぞれに特徴があります。

単焦点レンズは、一つの焦点距離に特化しており、遠くの物を見るのに適しています。しかし、近距離や中距離での視力を得るためには、眼鏡の使用が必要になることが多いです。

一方、多焦点レンズは、近距離、中距離、遠距離の全てに焦点を合わせることができるため、眼鏡なしで様々な距離を見ることが可能です。しかし、夜間の光のハレーションやグレアといった視覚的な問題を感じることがあります。

そのため、眼内レンズを選ぶ際は日常生活でどういう活動をしているか、眼鏡への依存度がどれくらいかなどを総合的に考慮することが重要です。また、眼科医と十分に相談し、自分の眼の健康状態や生活スタイルに合った最適なレンズを選択することが推奨されます。

白内障手術はどのような流れで進んでいくのですか?
白内障の入院手術の場合は、手術後の管理も含めて通常3~4日間ほど入院します。

・手術の1ヶ月前
検査を開始し、眼の状態を確認し、眼内レンズの種類や度数を判断します。

・手術1週間前
眼内に埋め込む眼内レンズの度数を最終決定します。

・手術前
使用する点眼薬が処方されます。

・手術
局所麻酔で行われます。手術にかかる時間は眼の状態によりますので、事前に担当の医師に確認しましょう。手術時は心を落ち着けて、医師を信頼して任せましょう。

・術後
翌日と、1週間後の時点において、術後の経過を検査します。両眼の手術を考えている場合、先に手術を行った片眼の術後の経過を確認した後、もう片方の眼の手術が受けられるかどうかを判断します。

なお、全身の健康状態や、手術後の通院に問題がない場合、日帰り手術を実施している眼科もあります。日帰り手術を受ける場合は、手術する医師側、手術を受ける患者側ともにいくつかの条件があります。日帰り手術を希望する場合は、医師とよく相談しましょう。

白内障の術後

ここまでは、白内障の手術の流れについて説明しました。では、白内障の手術後は、すぐにはっきりと見えるようになるのでしょうか。また、すぐに仕事復帰することは可能なのでしょうか。合併症になる危険性についてなど、気になるポイントをご説明します。

手術後の見え方はどのように変わりますか?
白内障手術後の見え方については、多くの患者さんが術前に比べて明るくクリアな視界を取り戻すことが報告されています。手術によって濁った水晶体が除去され、新しい眼内レンズが挿入されるため、色の鮮やかさが改善され、視界がはっきりします。

ただし、術後の見え方については、担当医としっかり話し合っておくことが重要です。若いときの見え方に戻るわけではないこと、どこでも完璧に見えるようにはならない可能性が高いことを納得したうえで臨むようにしましょう。

手術後は、色が以前よりも明るく、鮮明に感じられることが多いです。また、視力も向上し、日常生活において文字を読むことや運転などが容易になることが期待できます。ただし、眼内レンズの種類によっては、近くの物が見えにくくなる場合や、眼鏡が必要になる場合もあります。

一部の患者さんでは、手術後にハレーションやグレア(眩しさ)を経験することがありますが、これは多くの場合、時間が経つにつれて改善されます。また、眼の見え方が安定するまで、度数にズレが起きることがあるでしょう。多くの方は手術の翌日から見えるようになっているようですが、見え方が安定する時期は人によって異なります。通常、眼の見え方は術後1~3ヶ月で落ち着いてくるようです。

状態が落ち着いてくると見え方(度数)も安定するため、眼鏡を作ることができるようになります。眼鏡を作成するタイミングについては、事前に担当医との相談が必要です。一般的には術後1ヶ月以上経過した後で眼鏡を作りますが、元々目に病気を持つ方(特に見え方が良くない方)はメガネ作成を1ヶ月も待たない場合もあります。

手術後の注意点について教えてください。
手術後早期の合併症として、細菌性眼内炎に注意が必要です。手術後3~7日頃に急に見えにくくなった場合、眼に強い痛みがある場合、ひどい充血がある場合は、細菌性眼内炎の可能性があります。

放置すると失明する危険があるため、早期に治療を開始する必要があります。ただちに手術を受けた医療機関へ相談し、受診してください。2000~5000人に1人の頻度と非常にまれな合併症ではありますが、最も重篤な合併症のため注意が必要です。 感染予防として、術後はゴーグルを使用すると良いとされています。ゴーグルは柔らかく、耳にかける部分をゴムバンドに交換することもできるので、就寝中の眼の保護にも役立ちます。術後1週間ほど使用すると安心でしょう。また、術後は埃の多いところでの作業を控えるようにしましょう。

仕事や日常生活にはどれくらいで戻れますか?
白内障手術後仕事に復帰できる期間は、仕事の内容によって異なります。 デスクワークなどの体に負担の少ない仕事であれば、翌日から通常どおり復帰することができます。しかし、力仕事や農作業など身体に負担が生じる仕事は、1ヶ月間の安静期間が必要となります。なぜなら、重いものを持つような作業では、傷口が開いてしまう可能性があるためです。

仕事内容については手術前に担当の医師にも申告し、仕事復帰について相談しておくと良いでしょう。医師に相談の上、必要に応じて安静に過ごすようにしましょう。

編集部まとめ

白内障について、白内障の手術や術後の注意点などについてご説明しましたが、いかがでしたでしょうか。高齢化に伴い、白内障の手術を受ける人は増加しています。白内障は早期発見して治療を開始することで、症状の進行をゆるやかにできる可能性があります。眼のかすみ、視力の低下を感じる方は、早めに眼科で検査を受けることが大切です。また、手術を受ける際には、信頼できる医師に不安な点をしっかりと相談するようにしましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
柿崎 寛子医師(Vista medical center Shenzhen)

柿崎 寛子医師(Vista medical center Shenzhen)

三重大学医学部卒業 / 現在はVISTA medical center shenzhen 勤務 / 専門は眼科

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