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緑内障治療の目薬には副作用がある?目薬の種類や他の治療法についてもまとめました

緑内障治療の目薬には副作用がある?目薬の種類や他の治療法についてもまとめました

緑内障の治療には、薬物療法やレーザー治療、手術がありますが、その中でも目薬を使用した治療が基本となります。その種類は現在10種類以上あり、1種類の目薬だけで効果が少ないと判断された場合、複数の目薬を組み合わせて処方されます。決まった時間に点眼するだけという手軽な治療法ではありますが、目薬にも副作用はつきものです。本記事では緑内障の治療で使用される目薬の種類、それぞれのもたらす効果、それによって起こりえる副作用、そして目薬以外の治療法について解説します。

緑内障とは

緑内障とは

緑内障とはどのような病気ですか?
緑内障は目の病気の一種で、主に眼圧の異常によって視神経が損傷し、視野が徐々に狭くなっていく症状を特徴とします。この病気の最も顕著な問題は、初期段階では自覚症状が少ないため、気づかぬうちに進行してしまうことです。視神経の損傷が進行すると、視野の外側から徐々に失われ、最終的には中心視野まで影響を及ぼすことがあります。 緑内障が進行すると視力が低下するのはもちろん、日常生活に大きな支障をきたす恐れがあるため、早期発見と治療が非常に重要です。さらに、緑内障は完治が難しく、現在の医療では進行を遅らせる治療が主流となっています。
どのような人が緑内障になりやすいですか?
緑内障は誰にでも発症する可能性がある病気ですが、特定の生活習慣や体質を持つ人々においてリスクが高まることが知られています。

・ストレスが溜まっている人
日々の生活で感じるストレスは、体にさまざまな影響を及ぼします。緑内障の場合、ストレスによって体内の自律神経バランスが崩れ、眼圧が上昇することがあります。眼圧の上昇が、視神経にダメージを与える原因となるのです。日常生活でストレスを感じやすい方は緑内障のリスクが高まることを意識し、ストレスマネジメントに努めることが重要です。

・目を酷使している人
長時間にわたって読書したりスマートフォン、パソコンを使用したりすると目を酷使することになり、眼の疲れを引き起こします。このような状況が続くと、眼圧が上昇しやすくなり、結果的に緑内障のリスクを高めることにつながります。目の健康のためには、定期的な休息を取り、目の疲れを軽減するようにしましょう。

・遺伝的要因のある人
緑内障は遺伝的な要因を持つ病気です。家族に緑内障の患者がいる場合、自身も緑内障になるリスクが高まります。遺伝的要因を持つ方は定期的に眼科検診を受け、早期発見に努めるようにしましょう。

・喫煙する人
喫煙は眼圧を上昇させるとともに、血管を収縮させる作用もあり、視神経に悪影響を及ぼす可能性があります。緑内障のリスクを減らすためにも、喫煙習慣の見直しや禁煙は有効な対策となります。 これらの生活習慣や体質に該当する方は、緑内障に注意が必要です。定期的な眼科検診を受けることで、早期発見・早期治療につなげることができます。自身の目の健康を守るためにも、これらの点に注意していただきたいと思います。

目薬を用いた緑内障の治療方法

目薬を用いた緑内障の治療方法

緑内障の治療にはどのような目薬がありますか?
緑内障治療には、様々な種類の目薬が用いられており、それぞれ異なる作用機序で眼圧を調節し、視神経の保護を目指しています。以下に代表的な目薬の種類とその特徴をまとめました。

・プロスタグランジン関連薬
プロスタグランジン関連薬は、眼房水の排出を促進することで眼圧を下げます。眼房水の流れを改善し、緑内障の進行を防ぐ役割を果たします。通常の用法は1日に1回、1滴ずつ点眼することが一般的です。

・炭酸脱水素酵素阻害薬
炭酸脱水酵素阻害薬は、眼房水の生成に関与する酵素の働きを抑えることで眼圧を下げます。眼圧を減少させることで緑内障の進行を遅らせる効果が期待されます。使用法は製品によって異なりますが、一般的には1日2〜3回の点眼が推奨されています。

・β遮断薬
β遮断薬は、眼房水の生成を抑制することにより眼圧を下げる目的で使用されます。β受容体を遮断することで、眼圧を効果的に低下させることができるとされています。この目薬の標準的な用法は、1日1回、1滴ずつ点眼することです。

・α2刺激薬
α2刺激薬は、α2受容体を刺激することで眼房水の生成を抑えつつ排出を促進します。これにより眼圧を下げる効果があります。特にレーザー治療の前後に使用されることが多いです。

・αβ遮断薬
αβ遮断薬は、α遮断作用とβ遮断作用の両方を有する目薬で、眼房水の生成を抑えつつ排出 を促進し、眼圧を下げます。1日2回の点眼が一般的です。

・EP2受容体作動薬
EP2受容体作動薬は、プロスタノイド受容体中のEP2受容体を刺激することで、眼房水の排出を促進し、眼圧を下げます。こちらも1回1滴、1日2回点眼するのが通常です。

・Rho阻害薬
Rho阻害薬は、眼房水の排出経路に作用することで眼圧を下げる目的で使用されます。Rhoキナーゼという酵素を阻害することで眼房水の流れが改善され、眼圧が低下します。この目薬も1日2回の点眼が一般的です。 これらの目薬はそれぞれに特有の作用機序と使用法があるため、患者さんの状態や眼圧のレベルに応じて使い分ける必要があります。緑内障治療においてこれらの目薬の正しい使用は非常に重要で、眼科医の専門的な指導のもとで治療を進めることが大切です。

緑内障の目薬の分類について教えてください。
緑内障の治療に用いられる目薬は大きく分けて二つのカテゴリーに分類されます。それぞれのカテゴリー毎に、治療のメカニズムが異なります。

・眼房水の排出を促進する目薬
このカテゴリーに属する目薬は眼内の房水の流れを改善し、排出を促進することで眼圧を下げます。眼房水とは、眼球内で生成され、循環した後に眼球から排出される液体です。緑内障の場合、この房水の排出がうまく行われないために眼圧が上昇し、視神経が圧迫されることが問題となります。排出促進型の目薬は、眼房水の流れを改善することで、この眼圧を効果的に低下させ、視神経へのダメージを軽減します。結果として、緑内障の進行を遅らせることが可能になります。

・眼房水の産生を抑制する目薬
一方で、眼房水の産生を抑制する目薬は、眼房水が生成されるプロセス自体を抑えることによって眼圧を下げます。この種類の目薬は、眼内での房水の量を減少させることで、間接的に眼圧を低下させる作用があります。眼圧が高い状態が続くと、視神経に慢性的なダメージが与えられるため、視力の低下につながる可能性があります。産生抑制型の目薬は、眼房水の量を調節することでそのリスクを減少し、視神経の健康を守るのに役立ちます。

目薬を用いた緑内障治療の副作用や注意点

緑内障の目薬には副作用はありますか?
緑内障の目薬によく見られる副作用には、目の充血、かゆみ、乾燥感、涙の増加、または一時的な視力のぼやけなどがあります。これらの症状は多くの場合、軽度であり、時間と共に減少することが多いです。 ただし、一部の目薬では重大な副作用が発生する可能性もあります。例えば、プロスタグランジン関連薬は、まつ毛の成長の増加や目の色素沈着の変化を引き起こすことがあります。また、β遮断薬の使用は、特に喘息や心臓疾患のある人において、呼吸障害や心拍数の変化を引き起こす可能性があります。
目薬で緑内障を治療する際の注意点を教えてください。
緑内障の治療で目薬を使用する際、いくつかの重要な注意点があります。まず、医師から指示された通りに、目薬を定期的に使用することが非常に重要です。不定期に目薬を使用すると治療効果が低下し、病状の悪化につながる可能性があります。 また、先述した目薬の副作用には注意が必要で、目の赤みやかゆみ、痛みなどが続く場合は医師に相談すると良いでしょう。他の薬を使用している場合は目薬と相互作用を起こす可能性があるため、あらかじめ医師に伝えることが大切です。コンタクトレンズを使用している方は点眼前にレンズを外し、点眼後一定時間が経過してから再度装着するように気をつけましょう。
正しい目薬の使い方を教えてください。
まず、目薬の使用前には手を洗って清潔な状態にします。目薬の容器の先端が目や手、他の物体に触れないように注意し、点眼します。点眼の際は、頭を後ろに傾け、下まぶたを軽く引き下げて目の下の溝を作り、指示された滴数を点眼します。点眼後は目を閉じて軽く目の周りを押さえ、目薬が眼内に留まるようにし、液体が鼻腔に流れ込むのを防ぎます。最後に容器のキャップをしっかり閉めて清潔な場所に保管します。

目薬以外の緑内障の治療方法

緑内障のレーザー治療について教えてください。
レーザー治療は眼内の房水の流れを改善し、眼圧を下げることを目的としています。具体的にはレーザーを使って眼の排水システムを微細に改良することで房水の排出を促進します。比較的短時間で行われる場合が多く、通常は外来手術として実施されます。治療後はすぐに日常生活に戻ることが可能で、目薬治療に比べて副作用のリスクが低いとされています。しかし、一部の患者さんではレーザー治療の効果が限定的であったり、時間の経過と共に減少することもあるため、定期的なフォローが必要になる場合もあります。
緑内障の手術について教えてください。
レーザー治療や目薬でコントロールできない重度の症例に適用されます。手術の目的は眼圧を効果的に低下させることで、視神経を保護することです。緑内障の手術にはいくつかの種類があり、例えば房水の排出経路を新たに作成する手術や、排出を促進するための小さな装置を眼内に埋め込む手術などがあります。レーザー治療よりも高い効果が期待できますが、感染や出血などのリスクも高くなります。手術後には、数週間から数ヶ月の回復期間が必要になり、その間は医師の指示に従いケアをし続けることになります。

編集部まとめ

編集部まとめ 緑内障は進行すると視力に深刻な影響を与える病気ですが、幸いにも現代医療には多様な治療方法が存在します。目薬による治療は日常的な管理を可能にし、レーザー治療や手術はより進行した症例に対して効果的です。緑内障は珍しい病気ではありませんので、40歳以上の人は自覚症状がなくても、年に一度は眼科検診を受診するようにしましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

東京大学医学部卒業(1995年 MD)/ 東京大学大学院修了(医学博士 2001年 PhD) / 東京大学医学部眼科学教室講師(2012-2015年) / デューク・シンガポール国立大学医学部准教授(2016年-2020年)/ 旭川医科大学眼科学教室教授(2018年-2020年) / 横浜市立大学 視覚再生外科学 客員教授(2020年-現在) / 専門は黄斑疾患。シンガポールをはじめとした国際的な活動に加え、都内のお花茶 屋眼科での勤務やDeepEyeVision株式会社の取締役を務めるなど、マルチに活躍し ています。また、基礎医学の学術的バックグラウンドを持ち、医療経済研究、創薬、国際共同臨床研究などを行っています。

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