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近視でも老眼になる?老眼の原因・老眼鏡やコンタクトレンズの選び方を解説

近視でも老眼になる?老眼の原因・老眼鏡やコンタクトレンズの選び方を解説

年齢を重ねると身体の変化を感じるように、眼は老眼と呼ばれる「手元が見えにくい・ぼやける」などの症状が現れます。

また、日本人を含むアジア人に多いといわれている眼に現れる症状の一つに近視があります。近視のように、元々眼の見え方に異常をきたしている方は老眼になるのか気になる方もいるでしょう。

本記事では近視でも老眼になるのか、また老眼の原因・老眼鏡やコンタクトレンズの選び方についてご紹介します。

老眼の原因や近視との違い

眼の原因や近視との違い

老眼とはどのような状態ですか?
老眼とは近方のものを見る際に、見えにくい・ぼやけるなどの症状がある状態です。多くの方は40代くらいから、とくに近方を見る作業が疲れる・見えにくいなどの自覚症状を認識し始めます。
そのほか、遠方から近方のものを見る際にピントが合うのに時間がかかる・薄暗いところでものが見えにくいなどの症状がみられることも多いです。
近くのものをじっと見つめていると徐々にはっきりしてくる場合もあります。しかし、老眼の症状があるにも関わらずそのまま放置しているとものがはっきりと見えないことにより、日常生活に支障をきたすことにつながるため早期の対策が重要です。
老眼の原因を教えてください。
老眼の原因は、年齢を重ねたことによる生理現象が関係しています。眼は意識していなくてもそのときの状況に合わせ、ピントが合うように自動で調節を行っています。若い方ほど調節力は大きく年齢を重ねるごとに調節力は小さくなり衰え、老眼の症状が現れるのです。眼の構造はカメラの構造に例えられることが多いです。
眼の組織の一つである水晶体は、カメラのレンズにあたります。ものを見るときは状況に合わせ、水晶体の周りに存在している毛様体から突起している毛様小帯がゆるみます。その後、水晶体の厚みが増すことでピントが合う仕組みです。
しかし、年齢を重ねるにつれ、水晶体はタンパク質変性が起こるため固くなり、毛様小帯がゆるんでも厚さを変えることが困難となります。結果、ピントが合わせにくくなり「見えにくい・ぼやける」など老眼の症状が現れます。
近視でも老眼になるのですか?
先述したように、老眼は年齢を重ねたことで起こる生理現象のため、近視の方に関係なくどのような方でも症状は現れます。近視の方は眼鏡やコンタクトレンズで矯正していても40代頃から見えにくくなり、老眼の症状が現れ始めるのです。
ただし、近視の方は老眼を自覚しにくいといわれています。近視は近方にピントが合いやすい症状です。
元々近方にピントが合いやすい・普段から眼鏡やコンタクトレンズで矯正していない場合、水晶体の厚さを変える必要がないため老眼の症状を自覚しにくいでしょう。
近視と老眼の仕組みの違いは?
近視は屈折異常、老眼は年齢による生理現象で起こる症状のため、仕組みは異なります。近視は、水晶体を通った光が網膜より手前で焦点を結んでいる状態です。
そのため、遠方を見るときは見えにくい状態に対し近方を見るときは焦点が網膜に近いため、ピントが合わせやすくはっきりと見えます。老眼は先述したように水晶体変性が起こることでピントが合わせにくくなり、近方が見えにくい症状です。近視と老眼は仕組みや見え方に違いはありますが、どちらも眼の調節機能による症状です。

老眼の受診や矯正方法

老眼の受診や矯正方法

老眼で眼科を受診する目安を教えてください。
日頃から手元がぼやけたり見えにくかったりする症状がみられる場合、老眼の初期症状が現れている可能性があるため早期に眼科を受診しましょう。
見えにくい症状を眼精疲労や視力低下と自己判断することは控えてください。眼の見え方の症状が単に眼精疲労や視力低下だけではない可能性があります。
老眼のほかに、別の病気が潜んでいる場合も考えられます。眼に何らかの異変がある場合、速やかに眼科を受診してください。
眼科ではどのような検査が行われますか?
眼科では以下の検査が行われます。

  • 視力検査
  • 屈折異常の有無
  • 細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査
  • 眼底検査

視力検査は老眼の場合、近見視力検査と呼ばれる方法がとられます。
眼から約40cmの距離でどこまで見えるのか確認する検査です。また眼科で行われる検査は老眼以外に、白内障や緑内障など別の病気の有無を確認します。眼科で適切な検査を受けることで、早期に老眼の対策がとれたり他の病気の発見ができたりするため非常に重要です。

老眼の矯正方法を教えてください。
老眼の矯正方法はいくつか挙げられます。

  • 老眼鏡
  • 遠近両用コンタクトレンズ
  • 多焦点眼内レンズ
  • モノビジョンレーシック

早急に矯正を始めたい場合、老眼鏡や遠近両用コンタクトレンズを選択するとよいでしょう。いずれも眼科で検査を受け、ご自身に合っているレンズを確認します。その後、処方箋が発行されるため老眼鏡の場合は販売店へ行き、レンズだけではなく輪郭や眼の位置に合ったフレームを選択しましょう。
医療技術の進歩やレンズの改良により、白内障手術時に多焦点眼内レンズを挿入する方法があります。多焦点眼内レンズは、2点や3点に焦点が合う構造を持っているレンズです。屈折型・回折型・焦点深度拡張型の3種類があります。
屈折型は屈折領域により、レンズを通して入ってきた光が複数に分散される構造です。光の損失が少なく遠方コントラスト感度が低いため、遠方を見る際に優れています。しかし、近方には焦点が合いにくい・瞳孔サイズによってできない場合があります。
回折型はレンズを通して入ってきた光が回折現象を利用することで、遠近2つの焦点を結び眼鏡をつけていなくてもピントが合う構造です。瞳孔サイズを気にしないため、年齢を重ねると瞳孔が小さくなる高齢者の方に適しています。
屈折型・回折型はそれぞれ挙げたようなメリットがありますが、デメリットもあります。コントラスト感度の低下や夜間に光が伸びて眩しく見えるグレアや、光の周辺に輪がかかって見えるハロー現象がみられる可能性が高いです。
焦点深度拡張型は、焦点を結ぶ範囲が広いレンズです。一点がよく見える単焦点レンズと同じような見え方となります。近方の見え方は十分ではありませんが、グレアやハロー現象が非常に少なく夜間作業を行う方に向いています。
どのようなレンズを選択しても、レンズを通して見える映像に脳が慣れるまで時間がかかることは留意してください。多焦点眼内レンズは選定療養費対象となっています。選定療養費対象となっているレンズを選択した場合、レンズの差額は自費診療となりますが、それ以外にかかる費用は保険適応される制度です。費用は医院によって異なりますが、20〜80万円(税込)ほどです。
「高価なレンズだからよいだろう」という理由だけで多焦点眼内レンズを選択するのではなく、メリット・デメリットを確認したうえで選択してください。
また、モノビジョンレーシックと呼ばれる方法も挙げられます。片眼は遠方に合わせ、もう片眼は近方にピントが合いやすいように矯正する方法です。見え方に慣れてくると脳がそのときの状況に応じて判断し遠近が使い分けられるようになり、ほとんど眼鏡を必要としなくても生活が可能となります。
ただし慣れるまである程度時間がかかったり、老眼の症状が進んでいると細かいものを見る際に眼鏡が必要になったりする場合があります。そのほか二重に見える・違和感が強い・一時的にドライアイの症状がみられる場合もあるため留意してください。
また、モノビジョンレーシックは長時間運転やパソコンを見る作業をする方には向いていません。検討している方はソフトコンタクトレンズによるシミュレーションが行えるため、眼科医に相談してください。費用は自由診療となるため医院によって異なりますが、20〜40万円(税込)ほどです。
参考にしてみてください。老眼の矯正方法はさまざまあるため、ご自身のライフスタイルに合っている方法を眼科医と相談しながら選択しましょう。

老眼の予防や老眼鏡選び

老眼の予防や老眼鏡選び

老眼を予防する方法はあるのですか?
老眼は老化現象の一つのため、日常の生活習慣を見直し予防に努めましょう。食生活では、体内の酸化を予防するためビタミンA・C・Eやミネラルを摂取できるよう、緑黄色野菜を取り入れましょう。
栄養バランスを考えつつ、取り入れてください。老眼の症状がみられる状態は、全身の老化が始まっているサインでもあります。そのため適度な運動・良質な睡眠・ストレス緩和など、身体にとって負荷のかからない生活が老眼の予防に期待できるでしょう。また、眼周りの筋肉を鍛えることも予防方法として挙げられます。
眼を動かさないで一点を見続ける作業を続けず、遠方と近方を交互に見る・眼を閉じて眼周りをマッサージするなど取り入れてください。眼周りの血流が改善されることで疲労が溜まりにくくなり、老眼の症状を遅らせることが期待できるでしょう。
老眼鏡の選び方を教えてください。
老眼鏡と一口にいっても、使用用途によって選び方が異なります。
仕事・車の運転・読書など、ご自身が使用したい目的に合わせた老眼鏡を選択することが望ましいです。老眼鏡のレンズは主に以下の4種類があります。

  • 単焦点レンズ
  • 二重焦点レンズ
  • 三重焦点レンズ
  • 累進屈折レンズ

単焦点レンズは、近くや必要な範囲に合わせるため一定の範囲だけにピントが合います。二重焦点レンズは遠方と近方、三重焦点レンズは遠方・中間・近方にピントが合うレンズです。
使用方法にコツがあるため、慣れるまで注意しながら日常生活を送りましょう。累進屈折レンズは二重焦点レンズや三重焦点レンズと違い、レンズに境目がないため周りから見たら通常の眼鏡と変わらないため注目を集めているレンズです。老眼は発症し始めてから、65歳前後まで症状が進みます。
そのときどきに合った老眼鏡を使用していないと眼精疲労が起き、頭痛や肩こりなどの症状が現れます。老眼鏡は一度作ったらよいものではありません。見え方が合わなくなった場合、眼科を受診し検査を受け、そのときに合った老眼鏡を選択してください。

老眼の症状がある場合のコンタクトレンズ選びのポイントを教えてください。
老眼の症状がある場合のコンタクトレンズは、一般的に遠近両用コンタクトレンズが選択されます。遠近両用コンタクトレンズは、1枚のレンズの中に遠方と近方を見る部分が組み込まれている構造です。通常のコンタクトレンズ同様に、ソフトタイプとハードタイプがあります。
乱視の症状がある方はソフトレンズの場合、個人差はありますが遠近ともに見えにくくなるためハードタイプが適しているでしょう。レンズ構造も種類があります。遠近の度数がはっきりしているバイフォーカルと、レンズの中心から周辺に向き徐々に度数が変化しているマルチフォーカスです。
日頃からコンタクトレンズを使用してきた方が老眼となり、コンタクトレンズを選択されるため、メーカーによってさまざまな種類が登場しています。レンズのつけ心地やライフスタイルにより、どのような種類のコンタクトレンズがよいかは眼科医と相談しながら選択しましょう。
また、コンタクトレンズは初めはよくても徐々に見え方に違和感を覚えることも少なくありません。ご自身が納得のいくまでテストレンズが試せる眼科医を選ぶことも視野に入れましょう。

編集部まとめ

パソコンをする老女

老眼は年齢を重ねたことによって現れる症状のため、屈折異常によって症状が現れる近視の方でも症状はみられます。

近くが見えにくかったりぼやけたりする症状がみられる場合、眼科を受診し適切な検査を受けましょう。

老眼の矯正方法はさまざまあります。ご自身のライフスタイルに合った方法やメリットデメリットを把握したうえで選択してください。

老眼は放置しても改善することはなく、進行する一方です。眼は私たちにとって、さまざまな情報を得るために重要な器官の一つです。

ご自身に合った矯正方法を選択し、老眼と上手に向き合いながら生活を送っていきましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

東京大学医学部卒業(1995年 MD)/ 東京大学大学院修了(医学博士 2001年 PhD) / 東京大学医学部眼科学教室講師(2012-2015年) / デューク・シンガポール国立大学医学部准教授(2016年-2020年)/ 旭川医科大学眼科学教室教授(2018年-2020年) / 横浜市立大学 視覚再生外科学 客員教授(2020年-現在) / 専門は黄斑疾患。シンガポールをはじめとした国際的な活動に加え、都内のお花茶 屋眼科での勤務やDeepEyeVision株式会社の取締役を務めるなど、マルチに活躍し ています。また、基礎医学の学術的バックグラウンドを持ち、医療経済研究、創薬、国際共同臨床研究などを行っています。

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