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硝子体手術とは?適応疾患や術後の合併症についても解説!

硝子体手術 合併症

硝子体手術の適応疾患や術後の合併についてご存知でしょうか?
本記事では硝子体手術の適応疾患や術後の合併について以下の点を中心にご紹介します。

  • 硝子体手術について
  • 硝子体手術の合併症
  • 硝子体手術後の視力回復について

硝子体手術の適応疾患や術後の合併について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

硝子体手術について

硝子体手術について

硝子体手術とはどんな手術ですか?
硝子体手術は、眼球の内部に存在するゼリー状の組織、硝子体に対して行われる手術です。
硝子体は、水晶体の後方から網膜に至るまでの眼球の大部分を占めています。硝子体が何らかの理由で網膜を引っ張ったり、濁ったり、出血したりすると、視力低下を引き起こすことがあります。
硝子体手術では、硝子体を切除し、網膜の機能を回復させます。
硝子体手術はどのような疾患に適応していますか?
硝子体手術は、以下のような眼の疾患に対して行われます。

  • 黄斑前膜:黄斑の前に線維状の薄い膜が形成され、視力低下や変視症を引き起こす病気です。硝子体手術では、膜を取り除くことで視力の改善を目指します。
  • 黄斑円孔:網膜の中心部に穴が開き、視力低下や変視症を引き起こす病気です。硝子体手術では、空気やガスを用いて穴を塞ぐ手術を行います。
  • 眼底出血:さまざまな病態で起こりえますが、網膜静脈が閉塞し、閉塞部の手前の静脈から血液が漏れ出てしまい眼底出血となります。
  • 黄斑下出血:網膜細動脈瘤や加齢黄斑変性による出血が黄斑部の網膜下に溜まる病気です。
    硝子体手術では、浮腫を軽減させる目的で行われます。
  • 糖尿病網膜症:糖尿病により網膜の血流が悪化し、新生血管が形成され、視力低下を引き起こす病気です。硝子体手術では、異常な組織を取り除き、網膜の機能を回復させます。
  • 裂孔原性網膜剥離:網膜に裂け目や孔が開き、硝子体の水分が侵入し、網膜が剥がれる病気です。網膜を元の状態に戻すと共に、剥離の原因となった裂孔の部分にレーザーを行い、今後再度剥離しないように補強を行います。
  • 硝子体混濁:眼内炎やぶどう膜炎などの炎症により硝子体に混濁を生じた場合に行われます。

眼の疾患は、視力低下や視野欠損などの重大な影響を及ぼす可能性があります。
硝子体手術は、視力を改善するための重要な手術といえます。

高齢者が硝子体手術を受ける際に、白内障手術も同時に行う場合があるのはなぜですか?
高齢者が硝子体手術を受ける際に、白内障手術も同時に行う理由は、硝子体手術が白内障の進行を早める可能性があるからです。白内障手術を同時に行うことで、術後の視力低下のリスクを減らし、治療結果の向上を目指します。
特に60歳以上の方には、白内障手術と硝子体手術を同時に受けることを推奨しています。

硝子体手術の合併症

硝子体手術の合併症

硝子体手術後の「網膜裂孔・網膜剥離」とはどんな合併症ですか?
網膜裂孔は、硝子体手術中に硝子体を取り除く際に網膜に生じる小さな穴です。小さな穴を放置すると、網膜が眼底から剥がれてしまう「網膜剥離」を引き起こす可能性があります。
「網膜剥離」を引き起こしてしまった場合、再度の硝子体手術が必要となります。また、手術後に網膜裂孔の部分から異常な増殖膜が形成されることがあります。
増殖膜が網膜を引っ張ると、「増殖性硝子体網膜症」と呼ばれる症状が生じ、網膜剥離を引き起こすこともあります。この場合も、再手術が必要となります。合併症は、視力低下や視野欠損などの重大な影響を及ぼす可能性があります。そのため、手術後の経過観察が重要です。
硝子体手術後の「硝子体出血・駆逐性出血」とはどんな合併症ですか?
「硝子体出血」は、手術後に眼内に出血が生じる状態を指します。
出血量が少なければ自然に吸収されますが、出血量が多い場合は再手術を行い、出血を取り除く必要があります。一方、「駆逐性出血」は、手術中や手術後に突然目の奥の動脈から急激な出血が生じる状態を指します。
発生頻度は低いですが(約1万例に1件)、発生した場合は視力が大きく損なわれ、最悪の場合、失明に至る可能性もあります。
駆逐性出血は事前に予測することができないので、もし合併症が起こってしまった場合には、それに対して適切な治療を行います。予測できない合併症であることは術前に医師より伝えられます。
硝子体手術後の「眼圧上昇」とはどんな合併症ですか?
眼圧上昇は、手術後に眼内の圧力が高くなる状態を指します。多くの場合は一時的なもので、点眼薬や内服薬による治療でコントロールできます。
しかし、まれに眼圧が十分に下がらない場合、緑内障の手術が必要となることがあります。また、糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症などで病気の進行が早い場合、「血管新生緑内障」という特殊な緑内障を引き起こすことがあります。これは、「新生血管」が形成され、眼圧を上昇させる状態を指します。
血管新生緑内障は、緑内障よりも治療が難しく、視力が大きく損なわれる可能性があります。
視力を保つために、術後の経過観察と適切な治療が重要となります。
硝子体手術後に「感染」を起こした場合、どのような危険性がありますか?
硝子体手術後に感染を起こすと、細菌性眼内炎という病状を引き起こす可能性があります。これは、手術後に眼内に細菌が侵入し、強い炎症を引き起こす状態を指します。
発生頻度は低いですが(約2,000例に1件)、特に毒性の強い細菌が感染した場合、視力が大きく損なわれ、最悪の場合、失明に至る場合もあります。
また、感染症対策を万全に行っていても、まれに手術後に病原体が目に入り込み、感染性眼内炎を引き起こすことがあります。手術後に発生する場合のある合併症の中でも重篤なもので、放置すると失明に至ることもあります。そのため、再手術を含む早急な治療が必要となります。

硝子体手術後の視力回復について

硝子体手術後の視力回復について

硝子体手術後はどのくらいの期間で視力が回復しますか?
硝子体手術後の視力回復は、病気の種類や手術後の目の状態によりますが、数ヶ月かけて徐々に改善し、約半年程度でほぼ安定することが多いとされています。
手術直後は、硝子体内に空気やガスが入っているため、一時的に視力が低下することがあります。
最終的な視力の回復度は、手術前の病状の重さに大きく影響されます。早期発見と早期治療が重要です。手術が必要と判断された場合は、適切なタイミングで手術を受けることが、視力回復において重要です。
特定の疾患によっては、視力が完全に回復するまでに約6〜12ヵ月かかることもあります。
適切な治療計画を立てられるよう、医師とのコミュニケーションを大切にしましょう。
硝子体手術後の見え方について教えてください。
術後の視力は患者さんによりますが、術前の視力が良好であるほど、また年齢が若いほど良好な術後視力が期待できる傾向にあります。
白内障手術とは異なり、硝子体手術は失明の危険性を減らし、現在の網膜をこれ以上悪くしないための手術です。そのため、術後の見え方が必ずしも患者さんの期待通りになるとは限らないことを理解しておくことが重要です。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで硝子体手術の適応疾患や術後の合併についてお伝えしてきました。硝子体手術の適応疾患や術後の合併の要点をまとめると以下の通りです。

  • 硝子体手術は、眼球の内部に存在するゼリー状の組織、硝子体に対して行われる手術のこと
  • 硝子体手術後にはさまざまな合併症が起こる可能性があるので、経過観察と適切な治療が重要
  • 数ヶ月かけて徐々に改善し、約半年程度でほぼ安定することが多いとされているが、特定の疾患によっては、視力が完全に回復するまでに約6〜12ヵ月かかることがある

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
柿崎 寛子医師(Vista medical center Shenzhen)

柿崎 寛子医師(Vista medical center Shenzhen)

三重大学医学部卒業 / 現在はVISTA medical center shenzhen 勤務 / 専門は眼科

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