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角膜炎の症状とは?種類・原因・結膜炎との違いを詳しく解説

角膜炎の症状とは?種類・原因・結膜炎との違いを詳しく解説

角膜炎は、角膜に炎症が生じる眼の疾患で、さまざまな症状を引き起こします。この疾患は、眼の健康に関する問題の1つであり、適切な理解と治療が必要です。

本記事では、角膜炎の症状・種類・原因・結膜炎との違いについて詳しく解説します。角膜炎に関する知識を深め、早期発見と治療の重要性を理解しましょう。

角膜炎とはどのような病気?

充血した眼

角膜内の上皮に傷ができるとバリア機能が破壊され、細菌やカビが侵入して炎症が起きます。この状態を角膜炎といいます。

角膜は一般的には「黒目」として知られる部位のことで、厚さ約0.5mmの透明な組織で構成された状態です。これはコラーゲンなどから作られており、カメラのレンズのように外部からの光を屈折させて網膜に像を結ぶ役割があります。

角膜は外側から上皮→実質→内皮の順に、3つの主要な構造で構成された部位です。角膜の表面にある上皮は涙によって覆われており、細胞分裂によって頻繁に入れ替わっています。

この細胞の交代によって、外部の刺激や病原体の侵入に対する一種の防御バリアが形成されるのです。角膜炎になると、目の痛み・違和感・充血などさまざまな症状が出てくるでしょう。

上皮細胞は治癒スピードが早いので、きちんと治療を受ければ短期間で治ります。しかし、放置してしまうと視力障害に陥る可能性がある危険な病気です。

角膜炎の種類

涙

角膜炎にはさまざまな種類があります。その中から、細菌性角膜炎・真菌性角膜炎・ヘルペス性角膜炎・アカントアメーバ角膜炎について詳しく見ていきましょう。

細菌性角膜炎

細菌性角膜炎は、細菌の感染によって引き起こされる眼の疾患です。黄色ブドウ球菌・肺炎球菌・緑膿菌などが原因とされています。

特にコンタクトレンズを装着する方に多く、不適切な消毒や指についた細菌が眼に入ることが原因となります。目の痛み・異物感・充血・大量の目やになどの症状が出るでしょう。

角膜炎と診断するときは、視診や細隙灯顕微鏡を使用して検査を行って診断します。抗菌薬を用いた点眼療法を行いますが、治療開始が遅れると角膜潰瘍が生じる可能性があります。

角膜潰瘍になると、細菌性角膜炎よりも激しい痛みが潰瘍の大きさと比例して起こるでしょう。角膜潰瘍の治療も細菌性角膜炎と変わりませんが、角膜に濁りが残ることがあります。

そのため、治療後も視力障害が残ったままになってしまう可能性があるでしょう。このリスクを避けるためには、早急な治療が不可欠です。

真菌性角膜炎

真菌は病原性のカビのことで、糸状菌・酵母菌・起炎菌などのカビが原因です。これによって引き起こされる角膜感染症を真菌性角膜炎と呼びます。

真菌性角膜炎は、もともと目に問題を抱えている方や、高齢者など免疫力が低下している方々によく見られる角膜炎です。

木の枝による目の損傷や、土埃のついた異物が目に入った場合など、外部要因も感染の原因となります。症状は細菌性角膜炎と似ていますが、治療法は異なります。

治療には真菌に有効な抗真菌薬の点眼・経口内服・点滴が行われることが多いでしょう。また、完治までには1か月〜半年と長期間の治療に及ぶことがあります。

ヘルペス性角膜炎

角膜がヘルペスウイルスに感染する状態をヘルペス性角膜炎と呼びます。免疫力が低下している高齢者や免疫を抑制する治療を受けている方々によく見られる症状です。

ヘルペスウイルスは乳幼児期に1度感染していることが多く、このウイルスは神経に潜伏します。発熱・ストレス・紫外線被ばくなどがきっかけとなり、ヘルペスウイルスの活動が再開してしまうことがあります。

活動を始めたヘルペスウイルスが、角膜に移動して炎症を起こすことでヘルペス性角膜炎が起こるのです。この病気は2つのタイプに分けられます。

1つは、ウイルスが角膜の表面で増殖する上皮型です。もう1つは、ウイルスに対する免疫反応が角膜の細胞を攻撃し、濁りを引き起こすことで視力を著しく低下させる実質型です。

初期の症状には、まぶたの内側での不快感・充血・痛み・涙が増えるなどが含まれます。この疾患は一度感染すると完治が難しく、再発しやすい特徴があり、繰り返し発症すると視力が損なわれることがあるので注意が必要な病気です。

ヘルペス性角膜炎は抗ウイルス薬を含む眼軟膏による治療が行われます。再発が頻繁に起きる場合、角膜移植手術が検討されることもあります。

アカントアメーバ角膜炎

アカントアメーバによる角膜感染症は、最近数年で増加している病気です。川・沼・土壌・公園の砂など、広く自然界に存在する微生物アカントアメーバが原因といわれています。

これらのアメーバは洗面所などの水周りにも見られる微生物です。 また、水道水の中にも存在しており、コンタクトレンズ装用者が水道水を使ってケアをすると感染することが知られています。

この感染症は、細菌性角膜炎と似た症状を引き起こしますが、一部の患者さんは非常に強い痛みを訴えることがあります。

アカントアメーバ角膜炎の発症リスクは、ほとんどがソフトコンタクトレンズの使用者に関連しています。感染の原因として、不適切なコンタクトレンズのケアやアメーバに感染したコンタクトレンズの使用によるものです。

この疾患には特効薬は存在しません。そのため、抗真菌薬や消毒薬を点眼し、角膜の表面を削るなどの治療法が併用されます。しかしながら、アカントアメーバ角膜炎は治療が非常に難しく、回復に1か月〜半年と長い時間がかかることがあります。

角膜炎の症状

眼を隠す女性

角膜炎の症状には個人差があります。目の痛み・目の中の違和感・白目部分の赤み・涙が出る・まぶたが腫れるといった症状が一般的です。

目の痛み

眼を押さえる女性

眼の痛みは、一般的に「目の表面に生じる痛み」と「眼球の奥に広がる深部の痛み」の2つに分けられます。

表面の痛みは、白目の炎症である結膜炎や、異物が目に入った場合に起こる痛みです。また、点状表層角膜炎や角膜潰瘍といった角膜に傷がついた場合もこの中に含まれます。

他の要因として、まぶたの炎症・眼瞼炎・麦粒腫・霰粒腫(さんりゅうしゅ)・逆まつげの問題なども考えられるでしょう。

一方、深部の痛みは、眼の中でも奥の部分に起こります。これには、ぶどう膜炎・眼精疲労・視神経の炎症・頭部の問題などが関連している可能性があります。

また、頭痛や副鼻腔炎に関連した痛みもあるため、表面に生じる痛みより原因を見つけにくいでしょう。

症状が非常に重い・眼が充血している・嘔吐・視力低下などの他の異常がある場合は、眼科を早急に受診してください。

目の中の違和感

ゴミが入ったようなゴロゴロする目の感覚がある方もいるのではないでしょうか。ゴロゴロする目の感覚は異物が目に入る場合だけでなく、炎症によっても起こります。

炎症している場合のゴロゴロする目の感覚は痛みのようなものです。角膜炎の場合、涙機能に異常が見られます。これによって、異物感を覚えやすくなってしまっているのです。

また、皮膚などに異物が混入すると炎症を起こして排除しようとします。傷跡になって治癒していきますが、角膜に傷跡ができると透明性が保てません。

そのため、この機能が伝えず異物が混入してもなかなか排除できないために、ゴロゴロする目の感覚が起こることがあります。

白目部分の赤み

充血

ほとんどの方が寝不足などの状況で経験する「目の充血」ですが、目の表面にある血管が広がることによって引き起こされます。充血はこの拡張された血管に沿って、白目部分が赤く見える状態です。

例えば、寝不足の際にこの症状が現れることがあります。しかし、しっかりと休息や睡眠をとることで、通常は改善します。一方、「目の出血」と似た症状も存在しますが、これは目の表面の血管が破れて出血している状態です。

この場合、白目の一部または全体が真っ赤に変色します。角膜炎の場合は前者の状態で、細菌感染によって炎症が起こり、血管が拡張されることで目の充血が起こっています。

そのため、睡眠をとって改善するわけではなく、点眼薬などで炎症の原因を治療しなければなりません。

涙が出る

涙の生成と排出は、目の正常な機能に不可欠です。涙は通常、上まぶたの外側に位置する涙腺から分泌され、眼の表面に広がります。

その後、涙は涙点と呼ばれる小さな開口部から鼻に向かって排出される過程を経ます。排出の途中には涙小管・涙嚢・鼻涙管が関与し、最終的に鼻に流れ込むのです。

涙目の症状は、涙の生成が増加する場合や涙の排出経路に障害が生じる場合に現れます。鼻涙管が狭くなることによっても涙の排出が妨げられ、涙目の原因となるでしょう。

この問題は生まれつきあるいは後天的に発生し、角膜炎以外にも加齢に伴う変化や一部の抗がん剤の副作用に関連することもあります。

涙目の症状には、涙が過剰に出ることや涙が止まらないなどが含まれ、これにより視界がかすんで物が見にくくなることがあるでしょう。目をこすってしまうと角膜がさらに損傷する危険性があるため、適切な治療が重要です。

まぶたが腫れる

腫れぼったい眼

目やまぶたの腫れは、さまざまな原因によって引き起こされる現象です。まぶたの腫れだけでなく、眼球表面の結膜が腫れることもあります。

まぶたは皮膚が薄いため、軽度の刺激でも腫れやすい部位の1つです。寝るときに枕に顔を埋める・過労・寝不足・長時間泣いたことによっても、まぶたが腫れてむくんでしまうことがあります。

このようなむくみに伴う腫れは痛みを伴わず、数時間から1日程度で解消することが多いです。また、一過性のもので、定期的に発生する場合もありますが問題はありません。

しかし、まぶたが長期間にわたって腫れたままである場合は、潜在的な疾患がある可能性が考えられます。

目の周りの皮膚は他の部位に比べて薄いため、腫れたまぶたが痛みを引き起こしやすいだけでなく、しこり・むくみ・かぶれ・赤み・デコボコなどが目立ちやすくなります。

まぶたの腫れが気になる場合、まずは医師に相談し、適切な診断と治療を受けることが重要です。特に、コンタクトレンズを使用しており、アカントアメーバ角膜炎のような感染症が疑われる場合は、迅速な眼科医の診察が不可欠です。

この病態は進行が速く、広域抗生物質治療が通用しづらいため、早期の対応が必要になります。角膜の混濁や視力低下を招くこともあるため、角膜移植などの処置が必要になる可能性もあるでしょう。

角膜炎の原因とは?

ウイルス

通常、角膜の最外層に位置する角膜上皮は涙によって保護されています。そのため、正常な状態であれば、微生物や異物が容易に侵入できません。

しかし、角膜に傷が生じたり外部から細菌などの病原体が侵入したりすると、角膜炎が発症します。最近では、コンタクトレンズの使用者において角膜炎の発生が増加傾向にあります。

コンタクトレンズを適切に使用していれば、角膜炎が発生することはほぼありません。しかし、不適切な取り扱いや不衛生な環境でのコンタクトレンズの使用によって細菌性角膜炎になります。

真菌性角膜炎の場合、誤って植物の枝で目を傷つけたり、土埃が目に入ったりするなどが原因となることがあります。アカントアメーバ角膜炎は、アカントアメーバと呼ばれる微生物が原因です。

これらは川・沼・土壌・公園の砂などに広く分布しています。この疾患の患者の多くは、ソフトコンタクトレンズを使用しており、使い捨てコンタクトレンズの再利用や、コンタクトレンズの適切な手入れを怠ることが原因です。

角膜炎の治療

点眼

角膜炎は原因によって治療方法が異なります。ここでは、細菌性角膜炎・真菌性角膜炎・ヘルペス性角膜炎・アカントアメーバ角膜炎の治療方法を詳しく見ていきましょう。

細菌性角膜炎の治療方法

細菌性角膜炎の治療には、基本的に抗菌薬が使用されます。治療は細菌の種類に合わせて選択され、通常は抗菌点眼薬を点眼する形で行います。

点眼薬だけでは改善が難しい場合など回復具合によっては、抗菌薬の内服や点滴も行われることもあるでしょう。治療期間は症状の重症度に応じて異なり、重度だと治癒まで数カ月かかることもあります。

抗菌点眼薬を処方された場合、医師の指示に従い、正確に点眼を行うことが早期治癒につながります。

抗菌点眼薬以外に、前房内の炎症や眼痛を和らげるために散瞳薬が使用されたり、角膜の混濁を軽減するためにステロイド点眼薬が処方されることもあるでしょう。

ただし、ステロイド点眼薬の使用には注意が必要で、治癒の遅延や再発、原虫やヘルペスウイルスなど他の感染との合併症のリスクがあることに注意してください。

真菌性角膜炎の治療方法

真菌性角膜炎の場合、カビに効く抗真菌薬を点眼したり、内服薬として用いたりする治療が行われます。重症度によっては点滴薬も使用されるでしょう。

この治療は通常、1か月以上の長期間にわたり、回復まで時間がかかることが一般的です。点眼薬などで改善が見られない場合、角膜移植手術を行うことがあります。

角膜移植手術は重症度が高いため、手術にならないよう早めに眼科を受診することが大切です。

ヘルペス性角膜炎の治療方法

ヘルペス性角膜炎は上皮型と実質型で治療法が異なります。上皮型は抗ウィルス薬「アシクロビル」の軟膏を用いることが多いです。ヘルペスウィルスの増殖を抑えることで、病状の悪化を食い止めます。

また、細菌感染が起きないよう抗菌薬の点眼を使います。実質型には、抗ウィルス剤とステロイドが使われることが多いです。

上皮型ではウィルスの増殖を抑えるだけでしたが、実質型では炎症を抑える必要があります。ただ、ステロイドは正しく使用しないと、逆に角膜の病変が悪化することがあります。

また、1~2週間ほどで治癒しても再発する可能性がある点に気を付けましょう。

アカントアメーバ角膜炎の治療方法

アカントアメーバ角膜炎に対する特効薬はありません。種々の薬物・角膜掻爬(かくまくそうは)・角膜移植術などで治療をしていますが、予後が良くないとの報告が出ています。

抗真菌薬を使用し、感染した角膜表面を繰り返し削っての治療が一般的です。イトラコナゾールという抗菌薬は、副作用も少なく効果が期待できるとされていますが、入手困難という問題があります。

そのため、他の点眼薬・内服薬・点滴などを組み合わせて治療することが多いでしょう。アカントアメーバ角膜炎の治療は、治すまでに数か月の時間を要します。

角膜炎と結膜炎の違い

検査

結膜炎と角膜炎は両方とも眼の炎症疾患ですが、影響を与える部位が異なります。結膜炎は白目とまぶたの内側を覆っている薄い膜である結膜という組織の炎症です。

結膜炎は通常、目の充血・かゆみ・痛み・異物感などを引き起こします。一方、角膜炎は黒目を覆う厚さわずか0.5mmの透明な膜の組織が炎症している状態です。

角膜炎は通常、激しい痛み・光過敏・視力の低下などを引き起こします。結膜炎は通常軽度で、外的刺激やアレルギー反応などによって引き起こされることが多いです。

一方角膜炎は、感染・外傷・アレルギー・免疫異常など、より深刻な要因によって引き起こされることが一般的です。結膜炎が悪化すると角膜炎になることもあります。どちらも適切な治療を受けることが重要です。

まとめ

きれいな眼

「角膜炎」は角膜に炎症が生じる眼の疾患で、さまざまな症状を引き起こします。角膜炎は、眼の健康に関する問題の1つで、適切な理解と治療が必要です。

目の痛み・違和感・充血などが症状として現れ、抗菌薬の内服や点眼薬によって治療していきます。ただし、角膜炎の種類によっては特効薬がなく、重症度によっては移植手術を受ける必要が出てきます。

角膜炎が放置されると視力障害のリスクが高まるため、異変を少しでも感じたら眼科を受診しましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
荒井 宏幸医師(みなとみらいアイクリニック クイーンズアイクリニック)

荒井 宏幸医師(みなとみらいアイクリニック クイーンズアイクリニック)

1990年防衛医科大学校卒業 同大学付属病院眼科1993年自衛隊中央病院眼科および国家公務員共済組合三宿病院眼科1996年岡田眼科 眼科部長1998年クイーンズアイクリニック院長1999年みなとみらいアイクリニック( 旧 : 南青山アイクリニック横浜 ) 主任執刀医2010年医療法人社団ライト 理事長 近視矯正手術・白内障手術を中心に眼科手術医療を専門とする。米国でLASIK手術を学び、国内に導入した実績から、現在は眼科医に対する手術指導・講演も行っている。また、多くの症例を持つ経験から国内の主な学会でシンポジストやインストラクションコースなどを主体に参加。第26回日本眼科手術学会総会ではその功績に対して感謝状を授与された。 数多くのスポーツ選手・タレントのLASIKを手がけ、TV出演も多数。

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