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緑内障は遺伝する?遺伝との関係や治療法・予防法などを徹底解説!

緑内障 遺伝

緑内障は遺伝する可能性があるか、関心を寄せる方は多いのではないでしょうか?本記事では緑内障と遺伝の関係について以下の点を中心にご紹介します。

  • 緑内障とは
  • 緑内障と遺伝の関係
  • 緑内障の治療法と予防法

緑内障と遺伝の関係について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

緑内障とは

緑内障とは

緑内障とはどのような病気ですか?
緑内障は、眼底にある視神経が障害を受けて、徐々に視野が狭くなってくる目の病気です。日本の40歳以上の人々の約5%が緑内障に該当します。ただ、症状が進行するまで自覚がないことが多いのが特徴で、緑内障の患者さんの大体90%が治療を受けていないといわれています。実際には、多くの人がこの病気に罹患している可能性が高いです。緑内障では、通常、視野の一部が失われるという症状があります。
緑内障になるとどのような症状が出ますか?
緑内障の初期段階では、通常、自分で気づくような症状は現れないことが多いです。徐々に進行する病気なので、多くのケースで初期の兆候に気付かないまま、認識する頃には病状が悪くなっていることも少なくありません。進行するまで自覚症状が出にくいため、緑内障の患者さんの約90%は未治療だといわれており、実際には相当多くの方がかかっていると考えられます。しかし、進行すると視野が欠けてしまうため、信号や横から来る人や車が見えず、事故のリスクが高まります。40歳以上になったら眼科検診を受けるようにしてください
緑内障にはどのような種類がありますか?
緑内障には、原発性開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障の2つのタイプがあります。 1. 原発性開放隅角緑内障は、体液が眼内を自由に循環し、圧力が時間の経過とともにゆっくりと上昇する傾向があるタイプです。 2. 閉塞隅角緑内障は、房水角が狭く、房水の流れが悪くて眼圧が上昇するタイプです。また、急性または閉塞隅角緑内障と呼ばれるあまり一般的ではない形態の疾患もあります。この形態の緑内障では、眼内の正常な流体の流れが遮断されるため、圧力が急速に上昇します。

緑内障と遺伝の関係

緑内障と遺伝の関係

緑内障は遺伝しますか?
緑内障と遺伝の関係について、結論から言うと、現時点では緑内障の遺伝的要因については明確な結論が出ていない状況です。緑内障は主に眼圧が高い状態が持続することや、眼内の視神経にダメージが蓄積することで発症します。しかし、全ての症例が眼圧の高さに起因するわけではありません。 緑内障は、遺伝によって発症する場合もある一方で、眼圧が正常であるにもかかわらず発症することもあります。また、家族に緑内障の患者さんがいる場合、遺伝的な要因が関与する可能性が高まりますが、それでも一概に遺伝だけが原因とは言えません。他の要因も影響を及ぼす可能性があります。近視の度合いや職業環境なども緑内障の発症に影響を与えることがあるため、単純に遺伝だけに帰すことは難しいのです。 要するに、緑内障は複雑な疾患であり、その発症要因は個人によって変わることが多いです。遺伝が関与する可能性はあるものの、遺伝だけが緑内障の発症に影響を与えるわけではなく、まだ明確な証拠が不足しています。したがって、緑内障について遺伝的要因と他の要因の複合的な影響を考えるべきでしょう。
遺伝による緑内障は、年齢により発症の仕方が変わりますか?
遺伝による緑内障の発症には年齢により変わる側面が存在します。子どもと成人において、緑内障の遺伝的要因は違います。 子どもの場合、緑内障が発症するとき、遺伝性または先天性の可能性が高いと言えます。特に1歳未満で緑内障が現れる場合、遺伝の影響が強いと指摘されています。しかし、乳幼児の緑内障は遺伝子の変異によって引き起こされることも多いです。例として、先天的な緑内障である「発達緑内障」の場合、CYP1B1遺伝子の異常が報告されています。 成人男女の場合、緑内障の発症は遺伝的、先天的な要因に加えて後天的な要因も影響します。緑内障は一般的に高い発症率を持つ疾患で、特に40代以降に発症が増え、50代から80代でピークを迎えることが一般的です。最近では20〜30代の若年者での発症も増加しています。若年者の場合、遺伝的または先天的な要因に加え、後天的な緑内障も見受けられます。 緑内障は決して珍しい病気ではなく、遺伝によらず後天的に発症する可能性が高いことを覚えておくべきです。大切なのは、緑内障が発症した場合に早期に対処することです。緑内障は放置すれば失明のリスクが高まりますが、早期発見と適切な治療によって失明のリスクを大幅に低減できるでしょう。
先天性緑内障は遺伝が原因ですか?
先天性緑内障は主に乳児期に発症し、眼の構造に異常がある状態です。この疾患は、眼球内の前房隅角が発達異常を抱え、房水の排出を担う繊維柱帯の機能が生まれつき低下しているため、房水が効率的に排出されず高眼圧となります。先天性緑内障は生まれつきの病気で、親からの遺伝とは必ずしも関係があるわけではないです。 この疾患の原因は詳細についてはまだ解明されていないものの、遺伝子に変異がある可能性が考えられています。しかし、親からの遺伝によるものではなく、むしろ個体内での遺伝子の変異によって引き起こされることが多いです。

緑内障の治療法と予防法

緑内障の治療法と予防法

緑内障は治りますか?
緑内障は完全に治癒することが難しい疾患です。その理由は、一度損傷した視神経は機能を回復できないためです。緑内障による眼圧の上昇やその他の要因で視神経が損傷すると、視野が欠けていき、これらの欠けた視野は元に戻りません。視神経は体内の他の神経とは違い、一度損傷されると修復が難しいのです。 緑内障はゆっくりと進行するため、症状が気付きにくいことがあり、気付いても自覚症状が軽微なために放置されることが多い現実があります。しかし、失明は避けたい事態です。幸いにも、早期の緑内障の発見と適切な治療によって、症状を管理し、日常生活に支障をきたさない程度に疾患を抑制できることがあります。 早い段階で緑内障を発見し、治療を開始することが非常に重要です。多くの場合、緑内障はゆっくり進行しますが、一部の症例では急激に進行し、失明のリスクが高まります。急激な眼圧上昇に伴う強い眼痛、頭痛、吐き気がある場合、緊急の医療対応が必要です。我慢せず、医師の診察を受けるようにしましょう。
緑内障の治療法を教えてください。
緑内障の治療法は主に以下の方法に分けられます。

  • 点眼薬: 緑内障の治療には点眼薬が一般的に用いられます。これらの薬剤は眼に点眼され、眼圧を下げる働きが期待でき、症状の進行を遅らせられます。
  • レーザー治療: レーザー治療は房水の流れを改善するために用いられます。特に狭角緑内障の治療に良いとされ、レーザーを用いて前房隅角を開放し、眼圧をコントロールする方法です。
  • 手術: 緑内障の進行を抑制し、視機能を維持し失明を防ぐために手術が選択されることがあります。手術によって眼圧を下げられ、視神経の保護に寄与します。

緑内障治療は現在、症状の管理と進行の抑制を主な目的とした対処療法が一般的です。ただし、視神経再生を促進する治療法に関する研究も進行中で、将来的にはより良い治療法が開発される可能性があります。

緑内障が遺伝する可能性がある場合の予防法はありますか?
緑内障が遺伝する可能性がある場合、予防法として具体的な方法は限られています。緑内障は複数の要因に影響される疾患であり、遺伝が一因であることも考えられますが、その他の要因も影響します。しかし、以下の点に気を付けることが重要です。

  • 規則正しい生活: 健康的な生活習慣を維持しましょう。バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠は全身の健康に寄与します。
  • 目のケア: スマートフォンやパソコンなどのデジタルデバイスを長時間使用する場合、定期的に目を休める習慣をつけましょう。また、屋外での過ごし方や室内の照明にも注意を払い、目にやさしい環境を整えましょう。
  • 定期検査: 特に緑内障にリスクのある人々、例えば血圧が低い人、眼圧が高いと指摘された人、または近視の人は、定期的な眼科検査を受けることが重要です。早期発見による適切な治療が緑内障の進行を防ぎます。

遺伝的リスクがある場合、生活習慣と定期検査による予防対策が良いとされています。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで緑内障と遺伝の関係についてお伝えしてきました。緑内障と遺伝の関係の要点をまとめると以下の通りです。

  • 緑内障は視神経のダメージにより視野が減少し、失明の可能性がある目の疾患
  • 緑内障と遺伝の関係は複雑で、遺伝的要因が一部の症例で関与する可能性があるが、多くの緑内障は複数の要因によるもので、遺伝だけで発症するわけではない
  • 緑内障の治療法には点眼薬、レーザー治療、手術があり、早期発見が重要である

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

東京大学医学部卒業(1995年 MD)/ 東京大学大学院修了(医学博士 2001年 PhD) / 東京大学医学部眼科学教室講師(2012-2015年) / デューク・シンガポール国立大学医学部准教授(2016年-2020年)/ 旭川医科大学眼科学教室教授(2018年-2020年) / 横浜市立大学 視覚再生外科学 客員教授(2020年-現在) / 専門は黄斑疾患。シンガポールをはじめとした国際的な活動に加え、都内のお花茶 屋眼科での勤務やDeepEyeVision株式会社の取締役を務めるなど、マルチに活躍し ています。また、基礎医学の学術的バックグラウンドを持ち、医療経済研究、創薬、国際共同臨床研究などを行っています。

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