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緑内障はどのように進行する?見え方の変化について徹底解説!

緑内障 進行

緑内障はどのように進行し、見え方にどのような変化が現れるのか、関心を寄せる方は多いのではないでしょうか。
本記事では緑内障の進行について以下の点を中心にご紹介します。

  • 緑内障の種類
  • 緑内障の進行別の見え方の変化
  • 緑内障の進行別の治療法

緑内障の進行について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

緑内障の種類

緑内障の種類

開放隅角緑内障になる原因はなんですか?
開放隅角緑内障は、特に原発性の症例において、その発症原因が未だ解明されていません。
開放隅角緑内障は、隅角が広い状態で発症します。何らかの具体的な原因が特定されていないため、”原発性”と呼ばれています。
原発性開放隅角緑内障は、特に日本において見られるとされています。その中でも眼圧が正常で症状が現れる場合、”正常眼圧緑内障”として分類します。
しかし、なぜこの疾患が発症するのかについては科学的な確たる説明がまだ存在しません。緑内障の原因は複雑で多因子的であり、研究は進行中ですが、一因を特定することは難しい状況です。
閉塞隅角緑内障はどのような症状がありますか?
閉塞隅角緑内障は、隅角部分が虹彩によって塞がれ、狭くなる緑内障の一種です。この疾患は原発性閉塞隅角緑内障と呼ばれます。先天的に前眼部の容積が小さい方に影響を与えやすく、特に中年以降の方は、水晶体が厚くなることで前房が浅くなり、隅角が狭くなる傾向にあります。
原発閉塞隅角緑内障では、隅角の閉塞が急速に進行すると、急性緑内障発作として表れます。急性緑内障発作では、眼痛や頭痛、視力低下の症状が見られ、緊急手術の必要があります。また、隅角の閉塞により、房水の排出が困難となり、眼内圧が急激に上昇します。眼内圧の急激な上昇は視神経に損傷を与え、視野の狭窄や視覚障害を引き起こす可能性があります。
開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障の違いは何ですか?
緑内障には主に、「開放隅角緑内障」と「閉塞隅角緑内障」という2つのタイプがあります。
開放隅角緑内障は、眼圧が上昇し、視神経が損傷する病気で、眼の中の房水が排出される場所である「隅角」が開いたままになります。一方、閉塞隅角緑内障は、房水が排出される場所である「隅角」が閉じてしまい、眼圧が上昇する病気です。
開放隅角緑内障は、徐々に進行し、初期段階では症状がほとんど見られず、発見が遅れることもあります。一方、閉塞隅角緑内障は、急激に進行し、発作的な眼圧上昇を引き起こすこともあります。
診断には眼圧測定や視野検査などが必要です。

緑内障の進行別の見え方の変化

緑内障の進行別の見え方の変化

正常時はぼやっとしたかすみが出現してきますか?
緑内障は進行に伴い、視覚に変化が現れます。初期の段階では、視野の一部に欠けが生じており、これが視野欠損と呼ばれます。ただし、この段階では欠けた領域が狭く、脳が補正を行うため、全体を見ていると感じがちです。しかし、徐々に症状が進行し、視覚のぼやけやかすみが現れます。このかすみは、時には老眼と誤解されることがあり、見えにくさを緑内障と関連付けることが遅れる可能性があります。
初期にはどのような症状が現れますか?
緑内障の初期段階は症状が比較的軽微であるため、緑内障の存在に気付きにくいようです。
緑内障の初期段階では、視覚にいくつかの変化が現れます。徐々に見える範囲が狭くなり、この段階では左右の視覚に差異が生じることがあります。しかし、この状態でもまだ両眼で見ているときには気にならないことが多いようです。ただし、視野が狭くなる傾向にあるため、周囲の景色や対象物を十分に捉えるのが難しくなり、左右の視覚に微細な違いを感じることがあります。
中期になると中心に近い部分も見えにくくなりますか?
緑内障の中期に進行すると、視覚に顕著な変化が現れます。視野がますます狭くなり、中心に近い部分の視覚も影響を受け、見えにくくなります。この段階に達すると、自覚症状が明らかに増加し、視覚の制約を感じることがあります。しかし、この時点で症状が明らかになると、元の視野を回復することは難しく、進行を抑制することが焦点となります。
内障は、患者さんが自覚症状をほとんど感じないことが特徴です。ただし、急激な眼圧上昇が起こる場合(急性緑内障発作)には、眼痛、充血、かすみ、頭痛、吐き気などの自覚症状が現れることもあります。この状況では視野が急速に悪化し、迅速な治療が必要です。逆に、眼圧が緩やかに上昇する場合や正常眼圧緑内障の場合、自覚症状がほとんどないため、気付いた時には視野の損失が進行してしまうことがあります。こうした背景から、緑内障の早期診断と定期的なフォローアップが重要です。

緑内障の進行別の治療法

緑内障の進行別の治療法

緩やかに進行する緑内障の場合、どのような治療が主に行われますか?
緩やかに進行する緑内障の場合、薬物療法が主に行われます。点眼薬や内服薬による薬物療法で眼圧を下げることが目的です。点眼治療は緑内障治療の基本とされ、さまざまな点眼薬が使用されます。初めは単一の薬剤で治療を試み、症状の改善が不十分な場合は複数の点眼薬を組み合わせて治療を進めることがあります。
点眼治療は飲み薬とは異なり、目に正確に薬液を滴下する必要があり、しみることや点眼薬の間隔に気をつける必要があります。また、緑内障は症状が自覚しにくいため、継続的な点眼は患者さんにとって困難な課題となります。実際、日本緑内障学会の発表からも、緑内障の点眼治療の継続率が低いことが分かっています。
進行が速い緑内障に対して、どのような緊急治療が必要とされるのですか?
緑内障の進行が速い場合、緊急治療が必要となることがあります。閉塞隅角緑内障の場合、急激な眼圧上昇を引き起こすことがあります。この場合、眼圧を下げるために、点眼薬や静脈内投与薬物療法が行われることがあります。また、眼圧を下げるために、レーザー治療や手術も行われることがあります。
緑内障の進行を遅らせるための生活習慣や予防方法はありますか?
緑内障の予防については、特効薬や確固たる方法は存在しません。緑内障の原因は不明確で、遺伝、強度近視、生活習慣、薬物など多くの要素が影響するためです。しかし、定期的な眼科検診は、緑内障の早期発見につながります。
緑内障は初期段階では自覚症状が希薄で、治療が適切に行われるためには早期発見が重要です。40代からを目安に、半年~1年に一度の検診を受ると良いでしょう。若年層でも注意が必要で、遺伝や強度近視の要因も緑内障のリスクとして考慮されます。
生活習慣面では、バランスの取れた食事、適度な運動、喫煙の回避、ストレスの軽減などが大切です。ハーバード大学医学部とブリガム・アンド・ウイメンズ病院などの研究チームによる、青菜類の摂取が緑内障のリスクを低減する可能性があるとの研究結果もありますが、予防策の一部として健康的な食事を心がけることが重要です。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで緑内障の進行についてお伝えしてきました。緑内障の進行の要点をまとめると以下の通りです。

  • 緑内障には、開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障の2つの主要な種類がある
  • 緑内障は、初期は自覚症状が乏しく、中期になると不自由なく見える部分が減り、急性発作時には急速な視野損失がある
  • 緑内障の治療は点眼薬が主流で、点眼薬の種類や組み合わせを調整する。手術は視力低下時や治療効果不十分時に検討する

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

東京大学医学部卒業(1995年 MD)/ 東京大学大学院修了(医学博士 2001年 PhD) / 東京大学医学部眼科学教室講師(2012-2015年) / デューク・シンガポール国立大学医学部准教授(2016年-2020年)/ 旭川医科大学眼科学教室教授(2018年-2020年) / 横浜市立大学 視覚再生外科学 客員教授(2020年-現在) / 専門は黄斑疾患。シンガポールをはじめとした国際的な活動に加え、都内のお花茶 屋眼科での勤務やDeepEyeVision株式会社の取締役を務めるなど、マルチに活躍し ています。また、基礎医学の学術的バックグラウンドを持ち、医療経済研究、創薬、国際共同臨床研究などを行っています。

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