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緑内障にはどんな種類がある?原発緑内障や続発緑内障の違いについて解説!

緑内障にはどんな種類がある?原発緑内障や続発緑内障の違いについて解説!

皆さんは緑内障についてどれくらいの知識を持っていますか?緑内障はご年配の方がかかるというイメージを持っている方も少なくありませんが、生まれた直後や幼少期、成長に伴って徐々に発症するケースもあるのです。そのため、目に異常を感じても「私が緑内障になるはずない」と放置するのではなく、早めに検査・治療を受けることが大切です。本記事ではそんな緑内障について、種類や症状・治療方法などをご紹介していきます。

緑内障の種類について

まずは緑内障の基本的な知識について解説します。どのような種類があってどのような症状が現れるのか、一緒に見ていきましょう。 緑内障の種類について

緑内障はどのような症状ですか?
緑内障とは、何らかの原因によって視神経が傷つき、視野が狭くなったり、部分的に見えなくなったりする病気です。視野とは、正面を向いてまっすぐ前方を見つめたときに、片方の目で上下左右の見える範囲のことを指します。初期段階だと見えなくなる範囲はとても小さく、また、もう片方の目で補うことができるため、自分では症状に気付きにくいという特徴があります。
緑内障にはどのような種類がありますか?
緑内障は、遺伝や生活習慣・眼圧・血流・近視の強さといったあらゆる要因で発症する「原発緑内障」、他の病気に続いて発症する「続発緑内障」、先天的な目の異常によって発症する「小児緑内障」という3つに大きく分類されます。一般的に緑内障と呼ばれている疾患は、原発緑内障のことを指します。

原発緑内障のタイプや症状について

ここからは前述した3つのタイプの緑内障について、より詳しくご紹介していきます。まずは原発緑内障についてです。

原発緑内障とは何ですか?
人間が物をきちんと見るために、眼球に一定の張りを与えて形を保つ力のことを眼圧と言います。この眼圧が上がると視神経に障害が起き、見えない部位が現れてしまうのです。なぜ眼圧が上がるのかわかっていない緑内障を原発緑内障と言い、日本人が発症する緑内障のほとんどがこれにあたります。
原発緑内障には、どのようなタイプがありますか?
原発緑内障はさらに2つに分けることができます。原発開放隅角緑内障と原発閉塞隅角緑内障です。目の中には、眼圧や虹彩の位置を維持する役割を持つ「房水」という水が流れています。この房水を排出する「隅角」が詰まって眼圧を上昇させてしまうのが原発開放隅角緑内障です。

また、眼圧が上がっていないのに視神経に障害が起きる正常眼圧緑内障も、原発開放隅角緑内障に分類されます。 一方で原発閉塞隅角緑内障は、もともと隅角が狭く、房水の流れが悪いことによって発症します。急性原発閉塞隅角緑内障の場合、隅角が急にふさがって目の中に房水がたまり、眼圧が急上昇して一晩で失明してしまうこともあります。

原発開放隅角緑内障の症状や治療方法を教えてください。
原発開放隅角緑内障は、視野が欠けたり狭くなったりします。痛みは少なく、症状もゆっくりと進行していくため気付きにくい疾患です。治療は、薬物療法かレーザー療法、手術療法によって行います。 薬物療法では主に点眼薬を使用し、眼圧を抑えるもの、房水が作られるのを抑えるもの、房水が流れやすくなるよう促すものなど、あらゆる役割の点眼薬から患者さんの症状に合ったものを処方します。

レーザー療法では隅角の詰まりを解消し、房水の流出率アップを目指します。さらに、房水の流出路を再建するトラベクロトミーや、房水が流れる線維柱帯に穴を開けるトラベクレクトミーといった方法もあります。 薬物療法やレーザー療法によっても眼圧が充分に下がらないとき、あるいは眼圧がある程度下がっていても視野の悪化が止められないときには手術療法を採用します。眼圧を下げるために、目の中を流れる房水という水の排出を改善する手術を実施します。

原発閉塞隅角緑内障の症状や治療方法を教えてください。
原発閉塞隅角緑内障は、基本的に原発開放隅角緑内障と同じく症状はありません。ただ、このような目の患者さんは普段眼圧も正常で、何ともないにも関わらず、突然眼圧が急上昇して発作が起きると、緊急で処置を行わなければならなくなります。 急性の場合は激しい頭痛や目の痛み、嘔吐などを引き起こします。慢性の場合は徐々に視野が狭くなっていきます。

症状からくも膜下出血と間違われたり、一晩にして失明してしまったりすることもあるため注意が必要です。 急性型の治療方法は点眼薬で発作を抑え、レーザー虹彩切開術もしくは周辺虹彩切除術を行うのが一般的です。慢性型の場合は、開放隅角緑内障と同様に薬物療法やレーザー治療などが採用されます。慢性型の方は少しずつ隅角が狭くなっていくため徐々に眼圧が上がる、開放隅角緑内障と同じような所見、経過となりますが、隅角が閉塞して房水の流れが悪くなって眼圧が上昇するので、目薬によって眼圧を下げるとしても効果は限定的になるといえます。 また、閉塞隅角緑内障または狭隅角(隅角が狭い)と診断されたことがある方は、散瞳検査には注意する必要があります。眼科受診時の診察でもわかりますが、自分から医師に申告することをおすすめします。

続発緑内障のタイプや症状について

次に、続発緑内障について解説していきます。

続発緑内障とは何ですか?
他の目の疾患や全身疾患によって眼圧が上がる緑内障を続発緑内障と言います。例えば、糖尿病や白内障、ぶどう膜炎や外傷性の病気が原因となります。また、花粉症などで処方されるステロイド薬の副作用で眼圧が上がってしまうこともあります。
続発緑内障には、どのようなタイプがありますか?
続発緑内障も原発緑内障と同様に、隅角の所見によって続発開放偶角緑内障と続発閉塞緑内障に分類されます。
続発開放隅角緑内障の症状や治療方法を教えてください。
初期の場合は自覚症状がなく、進行することで眼精疲労や目の重さ、肩が凝るといった症状が現れるようになります。さらに進行すると、物がかすんで見えたり視野欠損が現れたりします。治療としては、まずは原因をしっかりと見極めることが大切です。そのうえで、原因に応じた薬物治療やレーザー治療が適用されます。
続発閉塞隅角緑内障の症状や治療方法を教えてください。
白内障や小眼球症、ぶどう膜炎などが原因となって発症します。原発閉塞隅角緑内障と同様に、急性の場合は激しい頭痛や目の痛み、嘔吐などが現れます。治療は、原因を明確にしたうえで、薬物療法や手術から選択されます。

小児緑内障のタイプや症状について

小児緑内障のタイプや症状について 最後は、小児緑内障についてです。お子さんの目に異常が起きた際、親御さんがパニックになってしまわないよう、ぜひ知識を深めておくことをおすすめします。

小児緑内障とは何ですか?
小児緑内障とは、小児期にかかった疾患が原因となって発症する緑内障です。赤ちゃんが生まれた直後や生後早期から発症するケースと、成長するにつれて徐々に発症するケースがあります。どちらのケースにしても、重い視力障害が残る可能性があるため、早期発見・早期治療が重要です。小さなお子さんは大人と違って症状を自覚することが難しいため、親御さんが気をつけて見てあげることが大切です。光を極端にまぶしがったり、まぶたがけいれんしていたりするなどの症状があれば早めに医療機関を受診するようにしましょう。
小児緑内障には、どのようなタイプがありますか?
小児緑内障も大人の緑内障と同様に、原発小児緑内障と続発小児緑内障に分けることができます。
原発小児緑内障の症状や治療方法を教えてください。
原発緑内障はさらに2つに分類されます。強度の隅角形成異常によって、生まれた直後から眼球拡大などを生じる原発先天緑内障と、隅角形成異常が軽度のため遅れて発症する若年開放隅角緑内障です。 原発先天緑内障は涙が多く出る、光が異常にまぶしく感じる、まぶたがけいれんする、黒目が白く濁るなどの症状が現れます。生まれつきの構造異常のため薬物療法が効きにくく、早期の手術が必要となります。若年開放隅角緑内障の場合は特徴的な症状がなく、自覚症状もないことがほとんどです。偶然見つかった場合には薬物療法が行われます。
続発小児緑内障の症状や治療方法を教えてください。
続発小児緑内障は、先天眼形成異常やダウン症候群といった生まれつきの疾患に関するものと、外傷やステロイド、ぶどう膜炎未熟児網膜症などによって発症する後天性のものに分けられます。大人の緑内障と同じく、原因を明確にしたうえで薬物療法や手術などから治療が選択されます。

編集部まとめ

緑内障について理解を深めることはできたでしょうか? どの緑内障も、放置してしまうと視神経の障害は徐々に進行し、失明に至る可能性があります。緑内障初期はどのタイプであれ、自覚症状が乏しいです。年に一度は健康診断を受け、眼科領域で指摘があれば、かならず受診してチェックを受けましょう。また、40歳を過ぎたら定期的に検診を受けることをご検討ください。

参考文献

この記事の監修歯科医師
柿崎 寛子医師(Vista medical center Shenzhen)

柿崎 寛子医師(Vista medical center Shenzhen)

三重大学医学部卒業 / 現在はVISTA medical center shenzhen 勤務 / 専門は眼科

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