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レーシックは医療保険適用されない?理由・費用などを解説

レーシック 保険

近視でお困りの方は、眼鏡やコンタクトレンズを付けなくても朝起きてすぐ物が見えるようにしたい、と考えたことはありませんか。

レーシックは、レーザーを角膜に照射し、屈折力を調整することで視力を回復させる屈折矯正手術です。

レーシックを受けることで裸眼でマリンスポーツを楽しむ、眼鏡をかけなくても出勤前のアイメイクができるといった、快適な生活が実現する可能性があります。

しかし、角膜を削ると聞くと「手術=怖い」というイメージや、「費用が高額なのではないか」「保険はきくのだろうか」など不安や疑問を抱く方も多いでしょう。

そこで今回は、このレーシックについてさまざまな角度からの質問に回答しながら、詳しく解説します。

レーシックで視力回復を考えている方は、ぜひ本記事をお読みになり、メリット・デメリットを深く理解した上で治療を受けてください。

レーシックが保険適用されない理由

レーシックが保険適用されない理由

レーシック手術が保険適用されない理由を教えてください
レーシックは、病気やケガで病院で手術を受ける場合と違い、視力の矯正が目的だからです。健康上の理由以外で行われる「自由診療」である場合は、国民健康保険や社会保険などの公的健康保険制度は適用されません。
生命保険会社が展開している保険による保証は可能ですか?
2023年12月現在では、レーシック手術は生命保険会社の「外来手術給付金」の支払対象にはなりません。ただし、生命保険の加入時期など条件に応じて給付対象になる場合もあります。一度契約内容を確認するようにしましょう。
レーシック手術は高額医療費などの控除対象になりますか?
国税庁では、レーシック手術は医学的な方法で視力を回復させる治療となるため、高額医療費の控除対象です。国税庁のサイトには「眼の機能それ自体を医学的な方法で正常な状態に回復させるものであり、それにかかる費用は、医師の診療または治療の対価と認められます」と記載されています。そのため税務署に確定申告することによって所得控除が受けられ、医療費の一部が戻ってきます。領収書は、その年の年末調整のために大切に保管しておきましょう。

レーシックで治療する際の費用

レーシックで治療する際の費用

レーシック手術でかかる治療費用はどのくらいですか?
料金の決め方は、クリニック側の経営判断によって異なりますが、現時点でのレーシック手術費用は、両眼で22万〜39万円(税込)程度が相場です。設備・検査・保障の内容によっては、数十万円台の費用がかかる場合があります。
内訳は以下の通りです。

  • 術前検査:9,900円(税込)
  • 手術費:220,000円(税込・片眼)
  • 術後定期検査:1回5,500円(税込)

別途、薬代などがかかります。

レーシック手術の費用が高額になる理由は?
前述した通り、レーシック手術は自由診療であるため、国民健康保険や社会保険などの公的保険適用が効きません。手術に関わる費用は、全額自己負担となってしまいます。安くても検査代・薬代を別に取られることもあります。高額であっても、術後の定期検診や再手術や微調整などの保障までトータルの金額に含まれている場合もあるので、事前に内訳を良く確認してください。
費用はクリニックによって違いがありますか?
病気の種類などによって違いますが、硝子体手術の費用は3割負担で12万~17万円ほどです。
同時に白内障手術を行った場合、追加料金として3万円ほど発生します。
レーザー治療は3割負担で2万円~10万円ほどです。
他に薬剤費などの費用が発生する場合があります。
治療は保険適用されますか?
レーシック手術は、クリニック側が自由に料金を設定することができるため、費用にばらつきがあります。新しい機械の導入、便利な立地条件、高い技術を持った眼科医の確保などが料金設定に反映されてくると考えられます。また、どれだけ丁寧に検査やカウンセリングをするかによっても違いが出てくるでしょう。カウンセリングでは、万が一のトラブルが起こったときの対処法や再手術保証についても確認を忘れずにしてください。料金だけでなく、感染対策・安全性など、さまざまな角度から検討してクリニック選びをするようにしてください。

レーシックで治療する際に気になること

レーシックで治療する際に気になること

レーシック手術の流れについて教えてください
レーシック手術は、入院不要な日帰り手術です。照射時間はわずか数十秒で、両眼20分程度で終わります。手術の主な流れは、以下のようになっています。

  • 眼を洗浄し「点眼麻酔」を行う
  • レーザーで「フラップ」と呼ばれる角膜表面を覆う蓋を作成する
  • フラップをめくって、角膜中央部をレーザーで削る
  • 屈折異常を矯正する
  • 角膜の形を調整したら、フラップを元の位置に戻す
  • 眼を洗浄して手術終了

手術当日の注意点として、帰りの車の運転はできません。付き添いや送迎を頼めない場合は、公共交通機関で通う必要があるため、最寄り駅から近い病院やクリニックを選ぶと便利です。手術後も定期健診で何度も通う必要があるため、自宅からの通いやすさも大切なポイントといえるでしょう。

レーシック手術は年齢制限はありますか?
レーシックを受ける年齢は、医療的には18歳以上と制限されています。一般的には20歳位までは体の成長に合わせて角膜も肥大するため、手術に適していません。ただし、40歳以上では老眼になるまでの期間が短いので、レーシックを受ける価値があるかどうか判断を迷うところです。上限は特にないため、適性検査で白内障・緑内障・糖尿病・アトピー等の病気がないことを条件に、眼科医が眼に異常なしと判断した場合は、40歳以上であってもレーシックは受けられます。また、年齢的な注意点として、レーシックなどの屈折矯正手術は、遠方にピントを合わせて治療するため、老眼には対応していません。40歳以降に老眼が発症すると、レーシックをしていても手元が見にくくなるので、今度は老眼鏡が必要になります。スマホやパソコンなど手元を見る時間が多い人は、老眼になっても裸眼で手元を見れる生活の方が便利な場合もあるので、40歳以降で近視を矯正するのはよく考えてから判断してください。特に、-3前後の軽度の近視であれば、老後の生活を送る上で理想的な屈折値といえるかもしれません。以上のようなことを総合的に考えると、20歳から40歳までが「適応年齢」といえるでしょう。
レーシック手術を行うメリット・デメリットを教えてください
レーシックは外側からアプローチするため、ICLなどのように眼内操作のリスク(感染症など)が少ないなど、メリットは多くあります。一方で、角膜を削って視力を回復する手術なので、やり直しが効きません。そのため、レーシックには合併症のリスクなどデメリットが多く存在します。主なメリットとしては、以下のような点があります。

  • 術後は眼鏡やコンタクトレンズをせずに裸眼で生活できる
  • 近視・遠視・乱視などあらゆる矯正治療に対応している
  • 手術自体は約10分で完了するため入院が不要である
  • 眼の中にメスを入れないので痛みが少ない
  • 術後の視力の回復が早い
  • ICLなど他の視力矯正手術に比べて安い

主なデメリットは、以下の通りです。

  • 削る量にも限界があるので強度の近視は適応できない
  • ドライアイのリスクがある
  • 術後はハローグレア現象が起こることがある
  • 角膜の変形により視力の低下が起こることがある
  • 近視の戻りが若干ある
レーシック手術で合併症が起こることはありますか?
レーシックは、角膜を削る外科手術である以上、合併症が起こるリスクはゼロではありません。手術によって角膜の神経が一部切断されるため、ドライアイや乱視を含め、以下のような合併症を起こす場合があります。夜間の光の見え方の変化(グレア)、明暗や濃淡の変化(ハロー)など、眼に違和感を覚える方もいるでしょう。これらはしばらくすると慣れて気にならなくなっていきます。
また、矯正不足である場合は、術後に近視が残ってしまう「近視の戻り」が起こることがあります。また、スマホやパソコンなど近くばかり見る生活習慣の方は、新たに近視が発生することもあるので注意しましょう。逆に、遠くが良く見えるように矯正し過ぎた結果、過矯正と呼ばれる合併症が起こる場合があります。過矯正の状態では、近くを見るとき一生懸命ピントを合わせようと筋肉を酷使するため眼精疲労の発症に注意が必要です。以上のような合併症リスクを回避するため、処方された点眼薬は必ず服用し、決められた術後の定期検診もしっかり行うようにしてください。

編集部まとめ

目元女性

レーシックは近視などを矯正する眼科手術の一種ですが、世界中で30年ほどの普及率があることからICLなどより症例数が多く、安全性の高い視力回復手術といわれています。

裸眼視力が回復すると、日々コンタクトレンズや眼鏡を装着する煩わしさから解放されるでしょう。

このように、レーシック手術で生活が便利になるメリットは大きいですが、同時にさまざまなデメリットもあります。

レーシックを受けるという決断は、その後の生涯に渡って自分の大事な眼に影響を及ぼすことを覚えておいてください。

若いうちは近視ばかりに目が向きがちですが、40歳以降は誰しも老眼が始まってしまうことも考えておきましょう。眼科医から生活スタイルや年齢に応じて納得できる見え方を提案してもらうことも重要です。

レーシックは必須の手術ではなく、生活や仕事を便利にするための手段に過ぎません。

また、眼の組織である角膜を直接削ってしまうためやり直しが効かない手術であること、将来的に老眼には対応できないことなども考慮してご自身で手術を決断してください。

参考文献

この記事の監修歯科医師
柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

東京大学医学部卒業(1995年 MD)/ 東京大学大学院修了(医学博士 2001年 PhD) / 東京大学医学部眼科学教室講師(2012-2015年) / デューク・シンガポール国立大学医学部准教授(2016年-2020年)/ 旭川医科大学眼科学教室教授(2018年-2020年) / 横浜市立大学 視覚再生外科学 客員教授(2020年-現在) / 専門は黄斑疾患。シンガポールをはじめとした国際的な活動に加え、都内のお花茶 屋眼科での勤務やDeepEyeVision株式会社の取締役を務めるなど、マルチに活躍し ています。また、基礎医学の学術的バックグラウンドを持ち、医療経済研究、創薬、国際共同臨床研究などを行っています。

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