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ICL手術に失敗はある?ICLの安全性や失敗したと感じるリスク、その対策とは

ICL手術に失敗はある?ICLの安全性や失敗したと感じるリスク、その対策とは

ICL手術は眼内コンタクトレンズを植え込み、近視や遠視、乱視を改善する屈折矯正手術です。手術と聞いて、失敗して失明することはないか、手術の後に後遺症は出ないのか、と不安に思われる方もいるのではないでしょうか。ICL手術には失明リスクはほとんどありませんが、まれに生じるリスクがいくつかあります。しかし、適切な術前検査と適切な術後のケアを行うことで、リスクの軽減が可能です。この記事では、ICL手術のリスクと手術を失敗と感じないための予防策、術後のケア方法について解説します。

ICLとは

ICLとは

ICL(Implantable Collamer Lens)手術は、角膜を削らずに視力を矯正できる手術方法です。従来の手術であるレーシックとは異なる方法で、レーシックの適応とはならなかった方にも視力矯正が可能です。ICL手術は国内ですでに10年以上行われており、臨床成績はとてもよいと報告されています。以下で、手術の概略と安全性について解説します。

ICL手術について

ICL手術は、眼内に特殊なコラーゲン素材でできたレンズを挿入する視力矯正手術です。従来の視力矯正手術であるレーシックとの大きな違いは、角膜を削らないという点です。レーシックでは角膜を薄く削って視力を矯正しますが、ICL手術では角膜を変化させることなく、水晶体の前にレンズを設置します。そのため、角膜が薄い方や円錐角膜など角膜形状が不正な方でも手術が可能です。日本国内で行われた研究では、術前に定めた目標屈折度数に対して88%の方が±0.5D以内と良好な結果を得られたと報告されています。

ICL手術の流れとして、まず局所麻酔を行い、2〜3mm程の小さな切開を行います。その後、折りたたんだICLを挿入し、眼内で広げて固定します。手術時間は片目15〜20分程度で、日帰り手術が可能です。

ICLの安全性

ICL手術は日本国内では2010年に厚生労働省から承認を受け、すでに多くの実施例があります。海外においてもICL手術は75ヵ国以上で承認を受けており、手術件数も豊富です。手術は認定された資格をもつ医師のみが行えるようにすることで、手術の質が担保されています。手術で使用されるレンズは、人体への安全性が確認された特殊なコラーゲン素材でできており、長期的な使用でも問題が起きにくいです。

ICLは必要に応じて取り出したり交換することが可能です。将来的に新しい治療法が開発された場合や、何らかの理由でレンズを取り除く必要がある場合も対応が可能だということを意味します。

ICL手術に失敗はある?

ICL手術に失敗はある?

ICL手術は、高度な技術と経験を持つ眼科医によって実施される安全性の高い手術です。ただし、どのような手術にもリスクはあります。手術自体で失明することはまずありませんが、術後の感染症により視力低下がおこる可能性があります。深刻な合併症である眼内炎などの感染症の発生率は約6000分の1ととても低い割合です。感染症を防ぐために、手術前後に適切に抗生物質の点眼を行うことが大切です。

ICL手術における失敗は、手術そのものの重大な合併症よりも、患者さんの期待と実際の結果との差によって感じられることが少なくないとされています。手術後の見え方に違和感を感じる、期待していた視力が得られないなど、患者さんが失敗したと感じるような場合です。これらの多くは、術前の十分な検査と説明を受けることによって防ぐことができます。

手術を検討する際に、起こりうるリスクについて十分に理解し、医師と相談しながら手術を進めることが大切です。次のセクションでは、具体的にどのようなリスクがあるのか、詳しく見ていきましょう。

術後に失敗したと感じるICLのリスク

ICL手術後に患者さんが失敗したと感じる原因として、いくつかの症状やリスクがあります。手術直後から気付く症状もあれば、時間の経過とともに現れる症状もあります。感染症などの重篤な合併症から、夜間の見え方の違和感といった軽度な症状まで、その種類や程度はさまざまです。以下では、代表的なリスクについて、症状や対処法を詳しく解説します。

レンズの度数の不適合

ICL手術では、術前検査で測定した値をもとに、患者さんの目に合ったレンズを選択します。しかし、まれに術後の実際の見え方が術前の予測と異なり、期待していた視力が得られないことがあります。これは、手術前の検査時と手術後で、目の状態が微妙に変化することが原因です。度数の不適合が生じた場合は、レンズの交換手術を検討する必要があります。

感染症

ICL手術後の注意すべき合併症の一つが感染症です。特に眼内炎は、発症すると重篤な視力障害を引き起こす可能性がある合併症です。術後1週間程度は特に注意が必要で、目の充血や痛み、視界の濁りなどの症状がある場合は、すぐに担当医に相談しましょう。適切な対応をすれば重篤になる可能性は低いと報告されています。眼内炎により、レンズの摘出が必要になる場合もあります。

ハロー・グレア現象

夜間など暗いところで光を見たときに、光のにじみや光の周りにリング状の光が見える症状をハローと呼びます。光のまぶしさを強く感じる症状がグレアです。これらの症状は、ICLのレンズの特性によって起こるものです。ICL術後に感じやすいとされているのはハローです。しかし、多くの患者さんで時間の経過とともに気にならなくなるとされています。どのような見え方になるか、術前によく説明を聞き、理解しておきましょう。

角膜内皮細胞の減少

角膜内皮細胞は、角膜の透明性を保つための細胞です。ICL手術だけでなく、目の手術によるリスクとして、角膜内皮細胞が減少する可能性があります。現在、ICL手術に用いられているレンズでは、角膜内皮細胞の減少はほとんど起こらないとされています。ただし、術前の検査で角膜内皮細胞の密度が一定値を下回っていると、ICL手術を受けることはできません。

追加手術が必要となった

ICLは精度の高い手術ですが、術後に追加の手術が必要となるケースがいくつかあります。主な原因は、度数の調整やレンズの位置修正、長期的な視力の変化への対応などです。

度数調整に関する追加手術は、術前の検査誤差や予測精度の問題により生じるものです。手術後も近視や乱視が残ったり、場合によっては遠視になることがあります。このような場合、より良好な視力を得るためにICL交換手術を行うことがあります。

また、ICL手術を受けても近視の進行を止める効果はありません。手術から長期間経過すると、自然な経過で視力が変化する可能性があります。その場合は、再度ICLの交換手術を行うか、角膜に問題がない方であればレーシックなどの角膜手術での調整も選択肢となるでしょう。

ICLは眼のなかで癒着を起こさず、安定した状態を保つとされています。ただし、癒着を起こさないことにより、レンズが眼内で回転することがまれにあります。近視矯正用レンズであれば回転は問題になりません。しかし、乱視矯正用レンズの場合、レンズが回転すると矯正効果が低下し、見えづらさの原因となります。このような場合は、レンズを正しい位置に戻す整復手術が必要です。整復後も回転が続く場合は、レンズのサイズを大きくしたものと入れ替える手術を検討します。

追加手術のリスクを減らすためには、術前検査を丁寧に行い、定期的な経過観察を欠かさないことが大切です。手術後の見え方に不安がある場合は、早めに医師に相談しましょう。

ICL手術で失敗したと感じないために

ICL手術で失敗したと感じないために

ICL手術に失敗したと感じないためには、信頼できる医師、医療機関を選択し、術前の十分な検査とカウンセリングを受けることが必要です。また、術後に生じる可能性のあるリスクをしっかりと理解して、手術に臨むことも大切です。以下では、ICL手術を失敗したと感じないための予防策を解説します。

術前検査とカウンセリングをしっかり受ける

ICL手術を失敗したと感じないためには、しっかりとした術前検査が必要です。術前検査の前に、まずICL手術の適応があるか適応検査を受けます。適応検査では白内障や緑内障などの目の病気がないか、眼内レンズを入れる空間が狭く、手術ができない方でないかなどを確認します。適応外と判断されるとICL手術が行えません。

ICL手術の適応がある方では、術前検査を行います。術前検査は、コンタクトレンズを外した状態で行い、近視や乱視の度数を測定します。コンタクトレンズを外さずに検査をすると、正しく測定できず、術後に期待した結果とならないため、必ず中止しましょう。病院によっては、別日に2回の測定を行い、近視や乱視の度数に変化がないことを確認することもあります。

カウンセリングでは、ご自身の視力に関する悩みや期待する結果について、医師や医療スタッフと十分に話し合うことが大切です。例えば、手元での作業を行うデスクワーカーと、遠くを見る必要がある現場監督や運転手では期待する結果が異なるでしょう。あなたのライフスタイルに合った度数の提案を受けられるように、丁寧なカウンセリングを行う病院を選ぶことが不可欠です。

信頼できる医師のもとで手術を受ける

ICL手術は、日本眼科学会が開催している屈折矯正講習会に参加し、メーカーが行うライセンス承認を受けた医師のみが実施できます。手術を検討する際は、白内障などの内眼手術の件数が豊富な医院を選びましょう。また、手術のメリットとデメリットを詳しく説明し、患者さんからの質問に対して誠実な回答をする医療機関を選ぶことが大切です。安価な手術費用を前面に押し出し、メリットばかりを強調する医療機関に対しては、慎重に検討する必要があります。

術後のリスクを理解したうえで手術を検討する

ICL手術には、前述したようなリスクがあります。手術である以上、リスクや合併症はゼロではありません。リスクや合併症を理解したうえで、手術によって得られるメリットと比較検討することが大切です。ハロー・グレア現象は、夜間に運転をする仕事や、夜勤がある仕事などのライフスタイルによって影響の度合いが異なることを理解しておきましょう。

手術の決断は、十分な情報収集と理解のもとで行うことが望ましいです。費用面での準備や仕事のスケジュール調整なども含め、総合的に検討することをおすすめします。

ICL手術後にトラブルを防ぐための対策

ICL手術後にトラブルを防ぐための対策

ICL手術後のトラブルを防ぐためには、医師からの指示を守り、適切なケアを行うことが重要です。点眼薬の使用方法を守る、目をこすらない、激しい運動を控えるなどの注意点があります。また、術後の定期検診を必ず受診し、異常を感じた際は早めに受診することで、深刻なトラブルの予防ができます。以下では、手術後の具体的なケア方法を解説します。

医師から指定された正しいケアを行う

ICL手術後は、感染症予防のために抗生物質や炎症を抑える点眼薬を使用します。点眼薬は医師から指示された回数と期間を必ず守って使用しましょう。目をこすると細菌が目に入り、感染症を起こす可能性が高まるので、目を触らないでください。異物の侵入や無意識に目を触ることを防ぐため、保護メガネの着用を指示されることもあります。

洗顔や入浴は医師の指示に従い、目に水が直接かからないよう注意が必要です。また、化粧は術後1週間程度は控え、アイメイクは医師の許可が出るまで控えることが推奨されます。

しばらく激しい運動などを避ける

手術後1週間程度は、激しい運動や重い物を持ち上げるなどの行為は避けます。眼圧の上昇や目への衝撃を防ぐためです。また、汗をかく運動は感染のリスクを高めるため控えます。水泳やサウナなども、医師の許可があるまでは控えましょう。

一般的な事務作業やデスクワークは術後数日程度で可能ですが、長時間のパソコン作業は目の疲れの原因となるため、こまめに休憩を取ることが大切です。

定期的な検診を受ける

ICL術後は定められた間隔で必ず検診を受けましょう。検診スケジュールとして、手術翌日、1週間後、1ヵ月後、3ヵ月後、6ヵ月後、1年後が目安です。検診では、視力検査のほか、眼圧測定や角膜内皮細胞の検査なども行います。

定期検診以外でも、急な視力低下や痛み、充血などの症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。早期発見と早期治療により、深刻な合併症を防ぐことができます。

まとめ

ICL手術は、角膜を削らずに視力を矯正できる手術として高い安全性と有効性が確認されています。しかし、レンズの度数不適合やハロー・グレア現象など、患者さんの期待と異なる結果が生じ、失敗したと感じることがあります。

手術で失敗したと感じないために、信頼できる医師のもとで術前検査とカウンセリングを受け、リスクを理解したうえで手術を受けましょう。手術を検討される際は、複数の医療機関で相談を受け、信頼できる病院を選ぶことをおすすめします。

この記事の監修歯科医師
柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

東京大学医学部卒業(1995年 MD)/ 東京大学大学院修了(医学博士 2001年 PhD) / 東京大学医学部眼科学教室講師(2012-2015年) / デューク・シンガポール国立大学医学部准教授(2016年-2020年)/ 旭川医科大学眼科学教室教授(2018年-2020年) / 横浜市立大学 視覚再生外科学 客員教授(2020年-現在) / 専門は黄斑疾患。シンガポールをはじめとした国際的な活動に加え、都内のお花茶 屋眼科での勤務やDeepEyeVision株式会社の取締役を務めるなど、マルチに活躍し ています。また、基礎医学の学術的バックグラウンドを持ち、医療経済研究、創薬、国際共同臨床研究などを行っています。

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