新着記事

注目のトピック

レーシック・ICL

レーシックとICLは見え方が違う?後遺症や合併症も併せて解説!

レーシックとICLは見え方が違う?後遺症や合併症も併せて解説!

近視や乱視を矯正したい方にとって、レーシックとICLはおすすめな選択肢です。どちらも近年技術が進歩し、安全性の高い手術とされています。しかし、それぞれの方法には見え方や後遺症、合併症などの違いがあります。

本記事では、レーシックとICLの比較し、見え方の違いやそれぞれのメリットとデメリット、後遺症や合併症を解説します。

  • ICLとレーシックの違い
  • ICL、レーシック術後の後遺症や合併症
  • 術後のアフターケア

ぜひ、最後までお読みください。

視力矯正とは

視力矯正とは

視力矯正とは、近視、遠視、乱視などの屈折異常を正しい視力に戻すための方法です。これには、メガネやコンタクトレンズ、レーシックなどの手術があります。
屈折異常は、角膜や水晶体のバランスが崩れることで発生し、視力矯正によってそれを補正します。視力矯正の方法にはそれぞれメリットとデメリットがあり、患者さんの具体的な視力状態や生活スタイルに適した方法を選ぶことが重要となります。

以下は、情報の補足として、近視、遠視、乱視の特徴と発症しやすい人の傾向を記します。

  • 近視(Myopia):近くの物ははっきり見えるが、遠くの物がぼやけて見える状態を指します。これは、眼球が通常よりも長く、光が網膜の前で焦点を結ぶために起こります。遺伝的要因が強く、長時間の近距離作業(パソコン作業や読書)が原因で発症しやすいです。また、子どもや若い成人に多く見られる傾向があります。
  • 遠視(Hyperopia):遠視は、遠くの物は見えるが、近くの物がぼやける状態を指します。高度な遠視の場合、遠くも近くも見えにくくなることがあります。これは、眼球が通常よりも短く、光が網膜の後ろで焦点を結ぶために発生します。遠視は遺伝的要因が強く、なかでも幼少期に見られ、年齢とともに改善できることもあります。
  • 乱視(Astigmatism):乱視は、物が全体的にぼやけて見えたり、直線が曲がって見えたりする状態を指します。これは、角膜や水晶体の形状が不規則で、光が複数の点で焦点を結ぶために起こります。乱視も遺伝的要因が主な原因であり、近視や遠視との併発が少なくないようです。また、視力矯正手術後や角膜の形状異常が原因で発生する場合もあります。

ICLとレーシックの違い

ICLとレーシックの違い

近年、近視や乱視を矯正する方法として、レーシックとICLが注目されています。どちらも眼科手術で視力を矯正する方法ですが、それぞれ異なる特徴を持っています。
ここからは、見え方や手術時間、手術費用を詳しくみていきましょう。

効果の持続性

ICLとレーシックは、どちらも視力矯正手術ですが、その手法と効果には違いがあります。
まず、ICL(眼内コンタクトレンズ)は、目の中にレンズを挿入し、半永久的な効果を持つため、視力の質を提供します。一方、レーシックはレーザーで角膜を削り、視力を矯正しますが、強度の近視や乱視には適さない場合があります。レーシックは回復が早く、費用も安価ですが、視力の戻りやドライアイなどのリスクがあります。ICLは取り外しでき、角膜の形状に依存しないため、より広範な適応条件を持ちます。

見え方

見え方の違いを説明します。
ICLは目の中にレンズを挿入するため、手術後の視力がクリアで立体的に見えるのが特徴です。レーシックも高い視力矯正効果が期待できますが、角膜を削るため、見え方の鮮明さや立体感はICLにやや劣ることがあります。
また、ICLは夜間の視力が安定しているため、夜間の運転などでの見え方も鮮明になります。

手術時間

結論として、ICLは手術工程が少々複雑なため、レーシックよりも手術時間が長くなる傾向があります。
ICLの手術は、目の内部に特殊なレンズを挿入するため、平均で20〜30分程度かかる一方、レーシック手術は角膜の表面をレーザーで削ることで視力を矯正し、手術時間は約10〜15分と短めです。

術後のリスク

ICLの術後リスクは、レンズのずれや眼内感染症、眼圧の上昇などがあります。また、レンズが目に適応しない場合には再手術が必要になることもあります。レーシックの場合、ドライアイや夜間の視力低下、角膜のフラップがずれるリスクが挙げられます。なかでもフラップの問題は手術後すぐに注意が必要です。
両手術ともにリスクはありますが、適切な術後ケアと定期検診で多くの問題を防げます。

手術費用

ICLの手術費用は高額で、両眼で40〜70万円程度が相場です。眼内に特殊なレンズを挿入するため、その材料費がかかるためです。
一方、レーシック手術の費用は角膜をレーザーで削る方法であるため、材料費がICLよりも低いことが要因となり、両眼で20〜40万円程度かかります。

ICL術後の後遺症や合併症

ICL術後の後遺症や合併症

ICL手術も外科手術であるため、後遺症や合併症のリスクがないわけではありません。ここからは、ICL術後に起こりうる主な後遺症や合併症を解説します。ICL手術を検討している方は、メリットだけでなく、リスクも理解したうえで、慎重な判断が大切です。

感染症

ICL手術では、水晶体と虹彩の間にレンズを挿入するため、目に小さな切開を行います。この切開部から細菌が侵入すると感染症を引き起こす可能性があります。術後の初期段階では、傷口が閉じきれていないため、異物の侵入や目を触ることによる感染リスクが高まります。

ハローグレア

夜間や暗所で光の周囲にぼんやりとした光の輪(ハロー)や強い眩しさ(グレア)が現れることがあります。これは、レンズの装着位置や眼内の光の屈折異常が原因で発生します。術後のハローやグレアは通常、時間の経過とともに改善できることもありますが、長期的に続く場合もあり、その際は再調整や追加の治療が必要となることがあります。

ぼやつき

視力が安定するまでの間にぼやつきを感じることがあります。
このぼやつきは、目がレンズに慣れていないことや、術後の軽い炎症などが原因で生じます。通常、数日〜数週間程度で視力が安定し、ぼやつきも解消されますが、もし長期間続く場合は医師との相談が重要です。

そのほか

そのほかの後遺症や合併症を挙げるとするならば、炎症や赤みが術後に見られることがあり、通常数日〜1週間程度で改善します。また、ICLが眼内の位置からずれることもまれにあります。この場合、再手術が必要になることがあります。
さらに、レンズの度数が適切でない場合、視力の再調整が必要となることもあります。このようなリスクを軽減するために、術後の定期的な検診と適切なケアを怠らないことがポイントとなります。

レーシック術後の後遺症や合併症

レーシック術後の後遺症や合併症

レーシック術後の後遺症や合併症は、手術を検討するうえで重要な要素です。手術後の視力の回復は多くの患者さんにとって成功していますが、一部の患者さんはドライアイや夜間の視力低下、角膜フラップの問題などの後遺症に悩まされることがあります。これらのリスクを理解し、適切なアフターケアを受けることが、手術の成功と安全性を高めるために不可欠です。
ここからは、レーシック手術後に発生しうるさまざまな後遺症や合併症を解説します。

感染症

レーシック手術では角膜にフラップを作成し、その下にエキシマレーザーを照射して視力を矯正します。このフラップの作成部分に傷口から細菌が侵入すると、角膜炎や結膜炎などの感染症が発生する可能性があります。
術後これらの感染症は視力の低下や重篤な合併症を引き起こすことがあるため、術後の適切なケアと定期的な検診が重要です。

ハローグレア

ハローグレアは、光源周囲に光の輪やぼやけが見える現象です。なかでも、夜間や車のヘッドライト、街灯などを見ると顕著に現れます。ハローグレアは、時間の経過とともに軽度になるとされていますが、なかには消失しきれない場合もあります。

緑内障

先述のとおり、レーシック手術では角膜の一部を削り視力を矯正しますが、この過程で眼内の圧力が変化し、緑内障のリスクが増加する場合があります。
なかでも、術後の角膜の回復過程で眼圧が上昇しやすくなり、これが視神経にダメージを与える可能性があります。緑内障は初期には症状が現れにくいため、術後の定期検診で眼圧のチェックを怠らないことが重要です。適切な管理と早期発見が、視力の保護につながります。

また、レーシック術後に白内障になることはありますか?との質問をいただきますが、結論から申し上げますとレーシックを受けたからといって直接的に白内障になるわけではありません。
まず、白内障は、目の水晶体が濁り、視力が低下する状態です。これにより、視界が霞んだり、ぼやけたりします。加齢が主な原因ですが、外傷や病気、薬の使用によっても発生する場合があります。初期段階では視力矯正で対応できますが、進行すると手術が必要になることを念頭に置いていただければと思います。

そのほか

レーシック手術では角膜を削るため、ドライアイが発生する場合がよくあります。これは手術によって角膜の神経が一時的に損傷を受け、涙の分泌が減少するためです。さらに、角膜フラップが不適切な位置にあることで視力の不安定さや不快感が生じることがあります。また、視力の過矯正や矯正不足も発生し得ます。

術後のアフターケア

術後のアフターケア

ここからは、ICL術後とレーシック術後にそれぞれ必要なアフターケアを解説します。 術後の経過や注意点、日常生活の過ごし方などを詳しく紹介し、快適な視力生活を送るためのサポートをいたします。

日常生活

レーシック手術後は、目の乾燥を防ぐために人工涙液の使用が推奨されます。また、手術後数日間は目をこすらないようにし、洗顔やシャワー時に目に水が入らないよう注意が必要です。ICL手術後も同様に、目の乾燥対策や目をこすらないなどの回避が重要です。 詳細は以下のとおりです。ぜひ参考にしてください。

    • 術後当日:手術直後は目が敏感な状態です。レーシックの場合、目をこすらないようにし、処方された点眼薬を正しく使用しましょう。また、保護眼鏡を着用して目を守り、休息を取ることが推奨されます。
      ICLの場合も、目に異物感や軽い痛みを感じることがあります。目をこすらないようにし、処方された点眼薬を使用しましょう。
    • 術後3日目:まだ目が回復途中であり、感染予防のためにも目に触れないよう注意します。ドライアイの症状が出ることがあるので、人工涙液を使用して潤いを保ちます。
    • 術後1週間:徐々に日常生活に戻ることができますが、激しい運動や目に負担をかける作業は避けるべきです。また、定期的な検診を受け、目の状態を確認しましょう。
    • ICLは、手術後の視力がクリアで立体的に見え、レーシックは夜間の視力が安定しているため、夜間の運転などでの見え方がクリアである
    • ICLとレーシック術後は感染症やハローグレアなどの後遺症が起こりうる場合がある
    • 術後は目に水が入らないよう注意し、1日目、1週間目、3ヵ月目などのタイミングで検診を行うことが術後の回復状況や潜在的な問題を早期に対応するために重要である
      • 術後1ヵ月:多くの活動が再開できますが、長時間のパソコン作業や読書の際には適度な休憩を取り、目の疲れを防ぐことが必要です。

      定期健診

      目の状態に注意し、異常が早期に発見されるようにするため、定期健診は欠かせません。レーシック手術後は、術後の1日目、1週間目、3ヵ月目などのタイミングで検診を行います。ICL手術後も、同様に術後1日目、1週間目、1ヵ月目、3ヵ月目、6ヵ月目、1年後と定期的な検診が必要です。
      これにより、術後の回復状況や潜在的な問題を早期に対応できるようになります。

      まとめ

      まとめ

      ここまで、レーシックとICLの見え方の違いや後遺症、合併症を解説してきました。 要点をまとめると、以下のとおりです。

      • ICLは、手術後の視力がクリアで立体的に見え、レーシックは夜間の視力が安定しているため、夜間の運転などでの見え方がクリアである
      • ICLとレーシック術後は感染症やハローグレアなどの後遺症が起こりうる場合がある
      • 検診を行うことが術後の回復状況や潜在的な問題を早期に対応するために重要である

      ICLやレーシックは、視力矯正効果が期待できる一方で、後遺症や合併症のリスクも存在します。手術を検討している方は、メリットだけでなく、リスクも理解したうえで、慎重な判断が大切です。 本記事が、手術の理解を深め、自分に合った視力矯正方法を選択する一助になれば幸いです。

この記事の監修歯科医師
柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

東京大学医学部卒業(1995年 MD)/ 東京大学大学院修了(医学博士 2001年 PhD) / 東京大学医学部眼科学教室講師(2012-2015年) / デューク・シンガポール国立大学医学部准教授(2016年-2020年)/ 旭川医科大学眼科学教室教授(2018年-2020年) / 横浜市立大学 視覚再生外科学 客員教授(2020年-現在) / 専門は黄斑疾患。シンガポールをはじめとした国際的な活動に加え、都内のお花茶 屋眼科での勤務やDeepEyeVision株式会社の取締役を務めるなど、マルチに活躍し ています。また、基礎医学の学術的バックグラウンドを持ち、医療経済研究、創薬、国際共同臨床研究などを行っています。

記事をもっと見る

RELATED

PAGE TOP

電話コンシェルジュ専用番号

受付時間 平日:9時~18時
お電話でご案内できます!
0120-022-340