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緑内障と白内障の違いを知っていますか?予防法や併発した場合についても詳しく解説!

緑内障 白内障 違い

緑内障と白内障は、目の病気の代表的なものですが、その違いを正しく理解していますか?緑内障と白内障は、原因や症状、治療法などが異なります。
本記事では緑内障と白内障の違いについて以下の点を中心にご紹介します。

  • 緑内障と白内障の違い
  • 緑内障と白内障にならないために
  • 緑内障と白内障を併発した場合について

緑内障と白内障の違いについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

緑内障について

緑内障について

緑内障は、視神経が損傷し、視野が狭くなる目の病気です。
以下では緑内障の原因、症状、種類、治療法について詳しく解説します。

原因

緑内障とは、眼圧が高くなって眼球内の神経を圧迫し、視野が狭くなる病気です。
緑内障の主な原因は、眼球内の水分(房水)の流れが悪くなり、眼圧が上昇することです。眼圧が上がる理由は、房水の分泌量が多い、排出経路が詰まっている、血管の圧力が高いなどが考えられます。
緑内障の原因は、遺伝的な要素や加齢、糖尿病、高血圧、眼の外傷などが関係しているといわれています。

症状

緑内障の症状は、以下のようなものがあります。

  • 視野欠損:視野の一部が見えなくなることです。初期には自覚しにくく、進行すると中心視野まで失われることがあります。
  • 眼圧上昇:眼球内の水分の流れが悪くなり、眼圧が高くなることです。眼圧が高いと、視神経に圧迫がかかり、傷つきやすくなります。
  • 眼痛や頭痛:眼圧が急激に上昇すると、眼痛や頭痛が起こることがあります。これは急性緑内障発作と呼ばれ、緊急な治療が必要です。

緑内障は、早期に発見して治療しないと、失明の危険があります。
定期的な眼科検診を受けて、眼圧や視野の状態をチェックすることが大切です。

種類

緑内障には大きく分けて開放隅角型と閉塞隅角型の2種類があります。
「開放隅角型緑内障」は、眼球の水分が排出される隅角が開いているにもかかわらず、眼圧が高くなるタイプです。症状はほとんどなく、気づかないうちに視野が失われていきます。
進行が遅く、治療は主に点眼薬やレーザー治療などで眼圧を下げることが目的です。

「閉塞隅角型緑内障」は、眼球の水分が排出される隅角が狭くなったりすることで眼圧が上昇するタイプです。中でも急性発作を起こすと症状は強く、眼や頭の痛み、吐き気、視力の低下などが起こります。
進行が早く、治療は緊急に手術などで隅角を開くことが目的です。

治療法

緑内障の治療法は、病気の進行を遅らせることを目的としています。緑内障の原因は眼圧の上昇ですが、眼圧を下げる方法は主に3つあります。

  • 点眼薬:眼圧を下げる成分を含む薬液を定期的に目にさします。種類や回数は個人によって異なります。
  • レーザー治療:眼球の一部にレーザーを照射して、眼圧を下げる経路を作り、水晶体の位置を調整します。手術よりも負担が少なく、回復も早いです。
  • 手術:眼圧を下げる経路を人工的に作るために、眼球に切開を入れます。点眼薬やレーザー治療で効果が得られない場合や、緑内障が重度の場合に行われます。

緑内障の治療法では、一度失われた視力を回復させることはできません。そのため、早期発見・早期治療が重要です。

白内障について

白内障について

白内障は、目の水晶体が濁り、視力が低下する目の病気です。この病気は、特に高齢者に多く、加齢による自然な変化として発生します。
以下で詳しく解説していきます。

原因

白内障とは、目の中にある水晶体というレンズが濁ってしまう病気です。水晶体は、光を屈折させて網膜に映像を結ぶ役割をしていますが、白内障になると、光が通りにくくなり、視力が低下したり、ものがかすんだりします。

白内障の原因は、加齢による水晶体の老化が一般的です。水晶体は、年齢とともに硬くなり、変形しやすくなります。また、水晶体のタンパク質が変性して、水晶体の透明度が低下します。

加齢以外にも、白内障の原因となる要因はいくつかあります。たとえば、目に外傷を受けたり、糖尿病や高血圧などの全身性の病気がある、ステロイドなどの薬を長期間服用すると、白内障のリスクが高まります。

また、紫外線やブルーライトなどの強い光に長時間さらされると、水晶体にダメージを与えて白内障を促進してしまう可能性があります。

症状

白内障の症状は、以下のようなものがあります。

  • 視力の低下:白内障は、水晶体が白く濁って光の通過を妨げるため、視力が低下します。最初は遠くのものがぼやけて見えることが多く、次第に近くのものも見えにくくなります。
  • 色彩の変化:白内障は、水晶体が黄色く変色することで、色彩の見え方に影響します。特に青色や紫色が見分けにくくなり、白いものが黄色く見えたりします。
  • 光のまぶしさや眩しさ:白内障は、水晶体が不均一に濁ることで、光の屈折が乱れてまぶしさや眩しさを感じやすくなります。日中の太陽光や夜間のヘッドライトなどが特に強く感じられます。
  • 二重像や多重像の発生:白内障は、水晶体の表面が凸凹になることで、光が複数に分かれて目に入ります。その結果、一つのものが二重像や多重像に見えることがあります。

以上のように、白内障の症状は、視力の低下や色彩の変化など、目の働きに関わるさまざまな問題を引き起こします。

種類

白内障には、発症の原因や部位によって、以下のような種類があります。

  • 加齢性白内障:最も一般的なタイプで、年齢とともに水晶体が硬くなり、濁り始めるものです。
  • 先天性白内障:生まれつき水晶体に濁りがあるもので、遺伝や母親の感染症などが原因です。
  • 外傷性白内障:目に傷や衝撃を受けたことで水晶体が損傷し、濁るものです。
  • 糖尿病性白内障:糖尿病の合併症として発症するもので、水晶体の代謝が乱れて濁るものです。

白内障の種類によって、症状や進行の速さが異なります。

治療法

白内障の治療法は、主に手術が行われます。手術では、白く濁った水晶体を取り除き、代わりに人工の眼内レンズを入れます。手術は日帰りで行え、局所麻酔で痛みはほとんどないといわれています。
手術は、超音波を使って水晶体を砕く超音波乳化吸引術が主に行われます。
超音波乳化吸引術の方が傷口が小さく、回復が早いというメリットがあります。
手術後は、眼帯をして感染や炎症を防ぎ、点眼薬を使って眼圧を下げます。手術は視力回復に大きく寄与しますが、完全に元通りになるとは限りません。

緑内障と白内障の大きな違い

緑内障と白内障の大きな違い

緑内障と白内障は、治療や進行の仕方において大きな違いがあります。
白内障は手術により視力を回復できますが、緑内障では一度損なわれた視力は回復が難しく、主に眼圧を管理して進行を防ぐことが焦点です。
白内障手術においては、眼内レンズ挿入後の膜の濁りによる視力低下が起こることがありますが、これはレーザー手術で解決可能です。対照的に、緑内障では眼圧コントロールが中心で、一度進行した視神経の損傷は治療によって回復が見込めません。
緑内障患者は、薬物療法や定期的な検査を通じて病態の進行を抑制し、残存視力を維持する努力が求められます。

緑内障や白内障にならないために

緑内障や白内障にならないために

目の健康は、私たちの生活の質を大きく左右します。しかし、緑内障や白内障は適切な予防策を講じることで、発症のリスクを軽減できる可能性があります。
以下では、緑内障や白内障にならないための具体的な予防法について紹介します。

緑内障の予防法

緑内障を予防するためには、眼圧の管理がキーポイントです。定期的な眼圧測定や検査を通じて早期に異常があれば適切な治療を始めることが肝要です。
適度な運動や栄養バランスのとれた食事が眼圧のコントロールに寄与します。喫煙を控え、ストレスを軽減することも緑内障の発症リスクを減少させます。
視力に変化があれば、速やかに医師に相談することが不可欠です。緑内障は進行が速いとされているため、早い段階での対応が非常に重要です。

白内障の予防法

白内障の予防には、健康的な生活習慣が重要です。
まず、紫外線から目を守るために、外出時にはサングラスの利用がおすすめです。
喫煙は白内障のリスクを高めるため、禁煙を心がけることも大切です。
食事においては、ビタミンCやE、ルテインを豊富に含む野菜や果物を摂取し、抗酸化作用を高めましょう。規則正しい食生活や十分な睡眠も、白内障の予防に寄与します。
最も重要なのは、定期的な眼科検査です。早期発見できれば治療効果も高まり、視力の損失を食い止められることが期待できます。

緑内障と白内障を併発した場合について

緑内障と白内障を併発した場合について

緑内障と白内障が同時に発症した場合、白内障の手術は可能とされ、逆にその手術が緑内障治療にもプラスの影響を与えることがあります。
例えば、人工眼内レンズへの変更により眼圧が下がる可能性があり、緑内障の進行を抑える一因となります。
また、手術後の眼の状態確認が容易になる為、緑内障治療においても有益とされています。
白内障手術が緑内障の進行を促進することはないとされており、併発した場合でも、白内障手術が必要な際には、緑内障の点眼治療を継続できます。
よって、状況によっては、白内障と緑内障の同時手術が検討されることもあります。

白内障の放置によって緑内障になることも

白内障の放置によって緑内障になることも

白内障と緑内障は独自の病態を持ちますが、白内障の放置が緑内障進行を促してしまう場合があります。
白内障を放置すると、水晶体が真っ白に濁り、水晶体融解性ぶどう膜炎を引き起こす可能性があります。この状態では急激な眼の痛みや充血が伴い、緊急手術が必要です。
白内障の放置は急性緑内障のリスクも増加させます。水晶体の膨張により眼圧が急上昇し、急性緑内障を誘発することがあります。
急性緑内障は失明の主要原因であり、放置は重大なリスクを伴います。放置は視力の喪失へつながる危険があることを理解しましょう。

まとめ

まとめ

ここまで緑内障と白内障の違いについてお伝えしてきました。緑内障と白内障の違いの要点をまとめると以下の通りです。

  • 白内障は手術で回復可能だが、緑内障は視力回復が難しく眼圧管理が焦点
  • 緑内障では眼圧管理と定期的な検査、白内障では紫外線対策や健康的な生活習慣が大切
  • 緑内障と白内障が同時に発症した場合、白内障手術は可能でその手術が緑内障治療にも良い影響を与える可能性がある

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

柳 靖雄医師(横浜市大 視覚再生外科学客員教授 お花茶屋眼科院長)

東京大学医学部卒業(1995年 MD)/ 東京大学大学院修了(医学博士 2001年 PhD) / 東京大学医学部眼科学教室講師(2012-2015年) / デューク・シンガポール国立大学医学部准教授(2016年-2020年)/ 旭川医科大学眼科学教室教授(2018年-2020年) / 横浜市立大学 視覚再生外科学 客員教授(2020年-現在) / 専門は黄斑疾患。シンガポールをはじめとした国際的な活動に加え、都内のお花茶 屋眼科での勤務やDeepEyeVision株式会社の取締役を務めるなど、マルチに活躍し ています。また、基礎医学の学術的バックグラウンドを持ち、医療経済研究、創薬、国際共同臨床研究などを行っています。

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